英語力の証明として、小学生から社会人まで幅広い層に受験されている「実用英語技能検定(英検®)」。進学や就職、キャリアアップなど、さまざまな場面でその価値が認められています。目標の級に合格するためには、計画的で効率的な学習が不可欠です。
独学で対策を進める人もいますが、「二次試験の面接が不安」「一人ではモチベーションが続かない」「最短ルートで合格したい」といった理由から、専門の塾やスクールに通うことを検討する人も少なくありません。しかし、数多くの塾の中から自分に最適な場所を見つけるのは、簡単なことではありません。
この記事では、英検対策で塾を利用するメリット・デメリットから、失敗しない塾の選び方、レベル別のおすすめ塾、費用相場まで、網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたの目標達成に最も適した学習環境を見つけるための具体的なヒントが得られるはずです。
目次
そもそも英検とは?
英検対策を始める前に、まずは「英検」そのものについて深く理解しておくことが重要です。正式名称を「実用英語技能検定」といい、公益財団法人 日本英語検定協会が実施する、日本で最も広く認知されている英語能力測定試験の一つです。
その歴史は古く、1963年に第1回試験が実施されて以来、多くの学習者に英語力を測る指標として活用されてきました。単に単語や文法を知っているかだけでなく、日常生活からビジネス、教養を深める場面まで、実際に英語を「使える」能力を測定することを目的としています。そのため、リーディング(読む)、リスニング(聞く)、ライティング(書く)、スピーキング(話す)の4技能をバランスよく評価する構成になっており、総合的な英語コミュニケーション能力の証明となります。
各級のレベルと測定される技能
英検は、学習者のレベルに応じて5級(初級)から1級(上級)まで7つの級が設定されています。各級で求められる英語力や測定される技能には明確な違いがあり、自分の現在地と目標を正確に把握するために、そのレベル感を理解しておくことが不可欠です。
一般的に、3級以上の級では一次試験(リーディング・リスニング・ライティング)と二次試験(スピーキング)の両方に合格する必要があります。ここでは、各級のレベル目安と、国際的な言語能力指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)との対照関係を解説します。
英検の級 | レベルの目安 | CEFRレベル | 測定技能 |
---|---|---|---|
1級 | 大学上級程度 | C1 | 4技能(一次:筆記・リスニング、二次:面接) |
準1級 | 大学中級程度 | B2 | 4技能(一次:筆記・リスニング、二次:面接) |
2級 | 高校卒業程度 | B1 | 4技能(一次:筆記・リスニング、二次:面接) |
準2級 | 高校中級程度 | A2 | 4技能(一次:筆記・リスニング、二次:面接) |
3級 | 中学卒業程度 | A1 | 4技能(一次:筆記・リスニング、二次:面接) |
4級 | 中学中級程度 | – | 2技能(筆記・リスニング)※ |
5級 | 中学初級程度 | – | 2技能(筆記・リスニング)※ |
※4級・5級のスピーキングテストは、一次試験の合否に関わらず任意で受験可能。 | |||
参照:公益財団法人 日本英語検定協会 公式サイト |
- 5級・4級(初級レベル)
- 5級は、英語学習の第一歩となる級です。中学初級程度のレベルとされ、初歩的な単語や文法を使い、簡単な挨拶や自己紹介ができるレベルが求められます。家族や趣味といった身近な話題が中心となります。
- 4級は、中学中級程度が目安です。5級の内容に加え、より具体的な日常会話のやり取りを理解できるレベルです。短い文章を読んで内容を把握したり、簡単なアナウンスを聞き取ったりする力が試されます。小学生高学年や中学生が最初の目標として設定することが多い級です。
- 3級・準2級(中級レベル)
- 3級は、中学卒業程度のレベルとされ、この級から二次試験としてスピーキング(面接形式)が必須となります。身近な英語を理解し、使用できることが求められ、海外の文化など少し視野の広いトピックも出題されます。高校入試で優遇措置を受けられる場合があるため、多くの中学生が目標とします。
- 準2級は、高校中級程度のレベルです。教育や科学といった、より社会性のある話題が加わります。日常生活で不自由なくコミュニケーションが取れるだけでなく、少し複雑な文章構造や語彙の理解も必要になります。大学入試で評価されることも増え、高校生にとって重要な目標級と言えるでしょう。
- 2級・準1級・1級(上級レベル)
- 2級は、高校卒業程度のレベルとされ、社会生活で求められる英語力の証明として広く認識されています。医療やテクノロジー、環境問題など、社会性の高い分野の英文を理解できる必要があり、大学入試や単位認定、就職活動などで大きなアドバンテージとなります。ライティングでは、自分の意見を論理的に記述する能力が求められます。
- 準1級は、大学中級程度のレベルです。実際に社会で活躍できる英語力を持ち、エッセイなどの論理的な文章を理解し、構成できるレベルです。語彙のレベルも格段に上がり、付け焼き刃の対策では通用しません。「英語で意見を発信できる」レベルの証明となり、留学や外資系企業への就職・転職において高く評価されます。
- 1級は、英検の最上級であり、大学上級程度の実力が求められます。ネイティブスピーカーと対等に議論できるレベルの、非常に高度な英語力が要求されます。国際情勢や政治経済、科学など、あらゆる分野のトピックに対応できる語彙力と知識、そしてそれを使いこなす運用能力が試されます。通訳案内士(英語)の筆記試験が免除されるなど、英語のプロフェッショナルとして認められる資格です。
英検を取得するメリット
英検は、単なる英語力の証明に留まらず、学習者にとって多くの具体的なメリットをもたらします。小学生から社会人まで、それぞれのライフステージで有利に働く場面があります。
- 進学・入試での優遇
多くの高校や大学が、入試において英検取得者を優遇する制度を導入しています。具体的には、「出願資格」として一定の級(例:準2級以上)が求められるケース、「内申点への加算」が行われるケース、「試験免除」として英語の試験が免除されるケース、そして「得点換算」として取得級に応じて英語の試験の点数に換算・加点されるケースなどがあります。これにより、受験生は他の科目に集中できたり、合格の可能性を高めたりできます。特に大学入試では、2級や準1級を持っていることが大きなアドバンテージになることは間違いありません。 - 大学での単位認定
大学によっては、在学中に英検の特定の級に合格することで、英語科目の単位として認定される制度があります。例えば、準1級に合格すれば「英語コミュニケーション」の4単位が認定されるといった具合です。これにより、学生は他の専門科目や興味のある分野の学習に時間を充てることができ、より充実した大学生活を送れます。 - 留学での語学力証明
海外の大学や高校へ留学する際、語学力の証明としてTOEFL®やIELTS®が一般的ですが、近年では英検のスコアを認める教育機関も増えてきています。特に、高校留学や短期留学などでは、英検が語学力証明として活用できるケースがあります。国内で対策しやすい英検で留学の道が開けるのは、大きなメリットと言えるでしょう。 - 就職・転職でのアピール
グローバル化が進む現代において、英語力は多くの企業で求められるスキルです。履歴書に「英検2級以上」と記載できれば、一定の英語力があることの客観的な証明となり、採用担当者に対して効果的なアピールができます。特に、外資系企業や海外との取引が多い企業、観光・サービス業などでは、準1級や1級の取得者は高く評価され、キャリアの選択肢を大きく広げます。 - 英語学習の目標設定とモチベーション維持
英語学習は長期戦であり、途中で目標を見失い、モチベーションが低下しがちです。「次の試験で準2級に合格する」というように、英検の級を具体的な目標として設定することで、学習計画が立てやすくなり、日々の勉強に張り合いが生まれます。合格という成功体験は、さらなる上のレベルを目指すための大きな原動力となるでしょう。
英検対策は塾に通うべき?独学との比較
英検合格という目標を達成するために、「塾に通うべきか、それとも独学で頑張るべきか」は多くの学習者が直面する悩みです。どちらの方法にも一長一短があり、一概にどちらが優れているとは言えません。重要なのは、自分の性格、学習スタイル、目標、そして予算などを総合的に考慮し、最適な方法を選択することです。
ここでは、塾で対策するメリット・デメリットを整理し、独学が向いている人の特徴を解説することで、あなたが自分に合った学習方法を見つける手助けをします。
比較項目 | 塾での対策 | 独学での対策 |
---|---|---|
学習効率 | ◎(プロによる最適化されたカリキュラム) | △(自己分析と計画立案が必要) |
二次試験対策 | ◎(実践的な模擬面接が可能) | △(相手役の確保や客観的評価が困難) |
モチベーション | 〇(講師や仲間の存在が刺激になる) | △(強い自己管理能力が求められる) |
費用 | △(高額になる傾向) | ◎(参考書代など最小限に抑えられる) |
時間・場所の自由度 | △(通塾時間や授業時間に制約がある) | ◎(自分のペースで好きな時に学習可能) |
質問のしやすさ | 〇(その場で講師に質問できる) | ✕(自分で調べる必要がある) |
塾で英検対策をする3つのメリット
費用や時間の制約があるにもかかわらず、多くの人が塾を選ぶのには明確な理由があります。特に、効率性、実践性、そして継続性の観点から、塾には独学では得がたい大きなメリットが存在します。
① 最短ルートで合格を目指せるカリキュラム
独学の場合、まず「何から手をつけるべきか」「どの参考書が良いのか」「自分の弱点はどこか」といった分析から始めなければなりません。この段階でつまずいてしまう人も少なくありません。
一方、英検対策塾では、長年の指導経験とデータ分析に基づいた、合格への最短ルートを示すカリキュラムが用意されています。講師は、各級の出題傾向、頻出する単語や文法事項、時間配分のコツなどを熟知しています。入塾時のレベルチェックなどを通じて個々の弱点を正確に把握し、それを克服するための最適な学習プランを提案してくれます。
例えば、リーディングの長文読解が苦手な生徒には、文の構造を捉えるトレーニングを重点的に行い、語彙力が不足している生徒には、効率的な単語暗記法を指導するなど、個別最適化された指導が受けられます。闇雲に勉強するのではなく、合格に必要な要素を体系的かつ効率的に学べる点は、塾を利用する最大のメリットと言えるでしょう。
② 二次試験(面接)の実践的な対策ができる
3級以上で必須となる二次試験(スピーキング)は、多くの受験者にとって大きな壁となります。独学でリーディングやリスニングのスコアを上げることはできても、スピーキング能力を一人で向上させるのは非常に困難です。
塾では、本番さながらの環境で、経験豊富な講師を相手に模擬面接を繰り返し行うことができます。これは単に英語を話す練習に留まりません。
- 入室から退室までのマナーや流れ
- アイコンタクトや声のトーンといったアティチュード(態度)
- 質問の意図を正確に聞き取り、的確に答える応答力
- 沈黙してしまった時の対処法
といった、独学では決して学べない実践的なスキルを指導してもらえます。面接官役の講師から、発音の癖、文法的な誤り、より自然な表現などをその場で具体的にフィードバックしてもらえるため、自分の課題が明確になり、効率的に改善できます。この実践的な面接対策こそが、塾が提供する非常に価値の高いサービスなのです。
③ 学習のモチベーションを維持しやすい
英語学習は継続が力です。しかし、一人で黙々と勉強を続けていると、孤独感に苛まれたり、思うように成果が出ずにやる気を失ってしまったりすることがあります。
塾に通うことで、学習を生活のルーティンに組み込むことができます。「毎週火曜日の19時は塾の日」と決まっていれば、自然と学習習慣が身につきます。また、プロの講師が定期的に進捗を確認し、励ましてくれるため、精神的な支えになります。思うようにスコアが伸び悩んだ時も、的確なアドバイスをもらえるため、前向きに学習を続けられます。
さらに、集団指導のクラスであれば、同じ目標を持つ仲間と出会えます。互いに切磋琢磨し、情報交換をすることで、学習意欲が高まります。「自分だけが辛いわけではない」と感じられる仲間がいることは、長期的な学習において非常に心強い要素となるでしょう。
塾で英検対策をするデメリット
多くのメリットがある一方で、塾に通うことにはデメリットも存在します。これらを理解した上で、自分にとって許容できる範囲かどうかを判断することが重要です。
- 費用の負担が大きい
最も大きなデメリットは費用面です。入会金、授業料、教材費などを合わせると、独学に比べて数十万円単位の出費になることも珍しくありません。特に、マンツーマンの個別指導塾は高額になる傾向があります。予算に限りがある場合は、大きな負担となるでしょう。 - 時間的・場所的な制約
通学型の塾の場合、決まった曜日・時間に校舎へ通う必要があります。授業時間だけでなく、往復の移動時間も考慮しなければなりません。部活動や仕事で忙しい人にとっては、この時間的・場所的な制約がネックになることがあります。 - 講師やクラスとの相性
どんなに評判の良い塾でも、担当する講師との相性が合わなければ、学習効果は半減してしまいます。教え方が分かりにくい、質問しづらい雰囲気があるといった問題が生じる可能性があります。また、集団指導の場合は、クラスメイトのレベルや雰囲気が自分に合わないと感じることもあるかもしれません。 - 画一的な授業になる可能性
特に大規模な集団指導塾の場合、カリキュラムが画一的で、個々の生徒の細かいニーズに対応しきれないことがあります。自分のペースで学習を進めたい人や、特定の弱点だけを集中的に克服したい人にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
独学での対策が向いている人の特徴
塾のメリット・デメリットを踏まえると、以下のような特徴を持つ人は、独学での対策でも十分に合格を目指せる可能性があります。
- 高い自己管理能力を持つ人
自分で学習計画を立て、それを着実に実行できる人は独学に向いています。「今日は単語を50個覚える」「週末に過去問を1回分解く」といった目標を設定し、誘惑に負けずにコツコツと努力を続けられる意志の強さが求められます。 - 英語の基礎学力が備わっている人
中学・高校レベルの基本的な文法や語彙が身についている人は、参考書や解説を読めば自力で理解を進められるため、独学でも対策しやすいでしょう。逆に、基礎から学び直す必要がある場合は、専門家の指導を受けた方が効率的です。 - 費用をできるだけ抑えたい人
参考書や過去問題集、学習アプリなどにかかる費用のみで対策できるため、独学は最も経済的な方法です。予算に厳しい制約がある学生などにとっては、有力な選択肢となります。 - 二次試験対策を別途用意できる人
独学の最大の課題であるスピーキング対策を、自分で解決できる見込みがある人も独学が可能です。例えば、安価なオンライン英会話サービスを利用して面接練習をしたり、学校の先生や英語が堪能な友人に協力してもらったりする方法が考えられます。
最終的に、塾か独学かの選択は、「お金と時間を投資してでも、効率性と確実性を取るか」、それとも「自己管理の手間をかけてでも、費用と自由度を優先するか」というトレードオフの関係にあると言えるでしょう。
失敗しない英行対策塾の選び方【7つのポイント】
「塾に通う」と決めた後、次に待っているのが「どの塾を選ぶか」という重要なステップです。塾選びは、あなたの英検合格を左右すると言っても過言ではありません。高額な費用と貴重な時間を投資するからには、絶対に失敗したくないものです。
ここでは、数ある英検対策塾の中から、自分にとって最適な一校を見つけ出すための7つの重要なチェックポイントを具体的に解説します。これらのポイントを一つひとつ確認することで、後悔のない塾選びができるはずです。
① 自分のレベルや目的に合っているか
まず最初にすべきことは、「自分の現在地」と「ゴール」を明確にすることです。現在の英語力はどのくらいか(例:英検3級は持っている、TOEICは500点レベル)、目標としている級は何か(例:大学入試のために2級が欲しい、転職のために準1級が必要)、そして、なぜその級を取得したいのか(目的)を具体的にしましょう。
この自己分析ができていないと、塾選びの軸が定まりません。塾が提供するコースは、下記のように多岐にわたります。
- 小学生向けの楽しみながら学べるコース
- 中高生向けの高校・大学受験に特化したコース
- 大学生・社会人向けのキャリアアップを目指すコース
- 特定の級(例:準1級・1級)に特化した上級者向けコース
例えば、英語初心者がいきなり上級者向けのコースに入っても授業についていけませんし、逆に、準1級を目指す人が初心者向けのコースに入っても物足りないでしょう。「大学入試での優遇」が目的なら、受験情報に詳しい塾が適していますし、「ビジネスでの実践」が目的なら、ビジネストピックにも対応できる塾が望ましいです。
多くの塾では無料のレベルチェックやカウンセリングを実施しています。これらを活用し、自分のレベルと目的に合致したコースが提供されているかを必ず確認しましょう。
② 指導形式は自分に合っているか
英検対策塾の指導形式は、主に「個別指導」「集団指導」「オンライン」の3つに大別されます。それぞれにメリット・デメリットがあり、学習効果や費用、通いやすさが大きく異なります。自分の性格や学習スタイルに合った形式を選ぶことが、ストレスなく学習を続けるための鍵となります。
指導形式 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
個別指導 | ・質問しやすい ・自分のペースで進められる ・弱点を集中的に対策できる |
・料金が高い傾向にある ・講師との相性が重要になる |
・特定の弱点を克服したい人 ・自分のペースでじっくり学びたい人 ・人前で質問するのが苦手な人 |
集団指導 | ・料金が比較的安い ・仲間と切磋琢磨できる ・他の生徒から刺激を受けられる |
・質問しにくい場合がある ・授業のペースが自分に合わない可能性がある ・レベルが合わないとついていけない |
・費用を抑えたい人 ・仲間と競い合いながら学びたい人 ・決められたカリキュラムに沿って進めたい人 |
オンライン | ・場所や時間を選ばない ・通塾時間が不要 ・比較的安価なサービスが多い |
・自己管理能力が求められる ・通信環境の整備が必要 ・モチベーション維持が難しい場合がある |
・部活や仕事で忙しい人 ・地方在住で近くに良い塾がない人 ・自分の都合に合わせて学習したい人 |
個別指導
講師と1対1、または1対2程度の少人数で授業が進められます。最大のメリットは、カリキュラムを自分のためだけに最適化してもらえる点です。分からないことがあればその場ですぐに質問でき、理解できるまで丁寧に教えてもらえます。自分の弱点だけを集中的に補強したり、得意な分野はどんどん先に進めたりと、柔軟な対応が可能です。一方で、料金は集団指導に比べて高額になる傾向があります。
集団指導
1人の講師が複数の生徒に対して授業を行う、学校のような形式です。同じ目標を持つ仲間がいるため、互いに励まし合い、競争意識を持って学習に取り組めるのがメリットです。料金も個別指導よりリーズナブルな場合が多いです。しかし、授業は全体のペースで進むため、自分の理解度に関わらず先に進んでしまったり、逆に物足りなく感じたりする可能性があります。また、大勢の前で質問するのが苦手な人には向いていないかもしれません。
オンライン
インターネットを通じて、自宅など好きな場所で授業を受けられる形式です。校舎に通う必要がないため、時間や場所の制約がなく、忙しい社会人や地方在住の学生に人気です。通学型の塾に比べて費用が安い傾向にあるのも魅力です。ただし、対面授業に比べて緊張感が薄れがちで、強い自己管理能力とモチベーションがなければ、学習が滞ってしまうリスクもあります。
③ 講師の質は高いか
塾の学習効果を決定づける最も重要な要素は、講師の質です。どんなに素晴らしいカリキュラムや教材があっても、それを教える講師の質が低ければ意味がありません。以下の点をチェックしましょう。
- 英検指導の専門性と経験: ただ英語が話せるだけでなく、「英検に合格させる」ためのノウハウを持っているかどうかが重要です。長年の指導経験があり、最新の出題傾向を熟知している講師が理想的です。
- 講師自身の英語力: 特に上位級を目指す場合、講師自身が英検準1級や1級を取得しているか、または同等以上の英語力を持っているかは一つの指標になります。
- 日本人講師かネイティブ講師か: 日本人講師は、日本人がつまずきやすい文法のポイントを日本語で分かりやすく解説してくれるメリットがあります。一方、ネイティブ講師は、自然な発音や表現を学ぶのに適しており、特に二次試験対策で強みを発揮します。どちらのメリットが自分に必要かを考えましょう。
- 教え方と人柄: いくら経歴が素晴らしくても、教え方が分かりにくかったり、高圧的で質問しにくい雰囲気だったりしては意味がありません。必ず体験授業を受けて、講師の指導スキルや人柄、自分との相性を直接確認しましょう。
④ 二次試験対策は充実しているか
3級以上の合格を目指すなら、二次試験(面接)対策の充実度は絶対に妥協できないポイントです。筆記試験は独学でもある程度対策できますが、面接は相手がいて初めて成立するものです。
- 模擬面接の頻度と質: カリキュラムに模擬面接が十分な回数組み込まれているかを確認します。回数だけでなく、本番同様の形式・時間で行われるか、フィードバックは具体的で的確か、といった質も重要です。
- アティチュード(態度)の指導: 面接では、英語力だけでなく、コミュニケーションを取ろうとする積極的な姿勢(アティチュード)も評価されます。入室から退室までの流れ、アイコンタクト、声の大きさなど、細かい点まで指導してくれる塾を選びましょう。
- 多様な講師との練習: 可能であれば、いつも同じ講師ではなく、複数の異なる講師と面接練習ができると、本番でどんな面接官にあたっても動じない対応力が養われます。
⑤ 合格実績が豊富か
塾の指導力を客観的に測る指標の一つが、合格実績です。公式サイトなどで、これまでにどれくらいの合格者を輩出しているかを確認しましょう。単に全体の合格者数だけでなく、「〇〇年度 英検準1級 合格者〇名」のように、自分が目指す級の実績が豊富であるかをチェックすることが重要です。
ただし、注意点もあります。合格率は、算出基準(例:全生徒が母数か、特定のコース受講者のみか)によって見え方が大きく変わります。数字のインパクトだけに惑わされず、どのような根拠に基づいているのかを冷静に見極める姿勢も大切です。あくまで参考情報の一つとして捉え、体験授業などで感じる実際の指導の質と合わせて総合的に判断しましょう。
⑥ 料金は予算の範囲内か
塾に通うには、当然ながら費用がかかります。無理な予算計画を立ててしまうと、途中で通塾が困難になり、かえって中途半端な結果に終わってしまいます。
料金を比較する際は、月々の授業料だけでなく、入会金、教材費、システム利用料、模擬試験代など、総額でいくらかかるのかを必ず確認してください。「授業料は安いけれど、諸経費が高かった」というケースは少なくありません。カウンセリングの際に、トータルコストの見積もりを出してもらうことをお勧めします。
料金体系が明瞭で、分かりやすく説明してくれる塾は、信頼できる可能性が高いです。高額なコースを無理に勧めてくるような塾は避けた方が賢明でしょう。
⑦ 無理なく通える立地・時間か
学習は継続が命です。どんなに素晴らしい塾でも、通うのが億劫になってしまっては意味がありません。
通学型の塾を選ぶ場合は、自宅や学校、職場からアクセスしやすい立地か、通塾にかかる時間はどれくらいかを考えましょう。特に、仕事や部活で忙しい人は、帰宅途中にある駅の近くなど、生活動線上で無理なく通える場所を選ぶことが重要です。
また、授業の時間帯も確認が必要です。自分のライフスタイルに合った開講スケジュールか、振替制度はあるかなど、柔軟に対応してもらえるかどうかもチェックしておくと安心です。オンライン塾の場合も、自分が受講しやすい時間帯に授業が開講されているかを確認しましょう。
【レベル別】英検対策におすすめの塾・スクール10選
ここでは、これまでに解説した「塾選びのポイント」を踏まえ、小学生から社会人まで、幅広いレベルとニーズに対応できる英検対策におすすめの塾・スクールを10校紹介します。各スクールの特徴、指導形式、対象レベルなどを比較し、自分にぴったりの塾を見つけるための参考にしてください。
スクール名 | 主な指導形式 | 主な対象レベル | 特徴 |
---|---|---|---|
シェーン英会話 | 個別 / 少人数 | 小学生~社会人 | 創業40年以上の実績。ネイティブ講師による指導。月謝制。 |
ベルリッツ | 個別(マンツーマン) | 小学生~社会人 | 独自の「ベルリッツ・メソッド®」。ビジネス英語にも強い。 |
ECC外語学院 | 個別 / 集団 | 子ども~社会人 | 大手ならではの豊富なコース。バイリンガル講師・外国人講師。 |
Gabaマンツーマン英会話 | 個別(マンツーマン) | 中学生~社会人 | マンツーマン専門。自由予約制で通いやすい。 |
トライのオンライン個別指導塾 | オンライン個別 | 小学生~高校生 | 全国どこでも受講可能。AIを活用した個別最適化カリキュラム。 |
ENGLISH COMPANY | スタジオ / オンライン | 大学生・社会人 | 「英語のパーソナルジム」。短期集中で科学的トレーニング。 |
Liberty English Academy | スタジオ / オンライン | 高校生~社会人 | 独自の「グラマーテーブル」。難関資格に強い。 |
KIRIHARA Online Academy | オンライン | 高校生~社会人 | 桐原書店運営。資格試験対策に特化したオンライン講座。 |
キャタル (CATALY) | 個別 / 少人数 | 小学生~高校生 | バイリンガル講師。英語で他教科も学ぶ「探究型学習」。 |
日米英語学院 | 個別 / 少人数 | 中学生~社会人 | 個人別カリキュラム。資格対策に定評。 |
※各スクールの詳細情報は、公式サイトにて最新のものをご確認ください。 |
① シェーン英会話
特徴:
1977年創業の歴史ある英会話スクールで、全国に多数の校舎を展開しています。講師は主に英語指導の国際資格を持つネイティブスピーカーで、質の高いレッスンに定評があります。料金体系が月謝制であるため、まとまった初期費用が不要で始めやすいのが魅力です。英検対策としては、二次試験対策に特化したプライベートレッスンや、3級・準2級・2級の合格を目指す少人数制の準備コースが用意されています。日常英会話を学びながら、実践的なコミュニケーション能力と試験対策を両立させたい人におすすめです。
- 指導形式: 個人レッスン、少人数レッスン
- 対象: 小学生から社会人まで
参照:シェーン英会話 公式サイト
② ベルリッツ (Berlitz)
特徴:
140年以上の歴史を誇る世界的な語学教育機関です。ビジネスパーソン向けの語学研修で高い評価を得ていますが、英検対策プログラムも充実しています。指導は原則としてマンツーマン形式で、独自の教授法「ベルリッツ・メソッド®」に基づき、徹底して英語のみでレッスンが行われます。これにより、英語で考え、英語で話す「英語脳」を鍛えることができます。受講生のレベルや目標に合わせてカリキュラムが完全カスタマイズされるため、最短距離で目標達成を目指せます。特に、準1級や1級といった上位級を目指す社会人や、グローバルな環境で通用する本物のスピーキング力を身につけたい人に適しています。
- 指導形式: マンツーマン、少人数グループ
- 対象: 小学生から社会人まで
参照:ベルリッツ・ジャパン株式会社 公式サイト
③ ECC外語学院
特徴:
全国展開する大手英会話スクールの一つで、知名度と実績は抜群です。子どもからシニアまで、あらゆる年齢層とレベルに対応した豊富なコースラインナップが強みです。英検対策コースでは、一次試験の筆記対策から二次試験の面接対策まで、バイリンガル講師と外国人講師がそれぞれの強みを活かして連携し、総合的にサポートします。インプットとアウトプットをバランスよく組み合わせた独自のカリキュラムで、着実に合格力を養います。定期的に行われるカウンセリングで学習進捗を確認しながら、目標達成まで導いてくれる手厚いサポート体制も魅力です。
- 指導形式: 集団レッスン、マンツーマンレッスン
- 対象: 1歳半から社会人まで
参照:株式会社ECC 公式サイト
④ Gabaマンツーマン英会話
特徴:
その名の通り、レッスンはすべてマンツーマンに特化しています。多彩な経歴を持つ講師陣から、毎回自由に講師を選べるシステムが特徴的です。レッスンの予約もオンラインで自由に行えるため、忙しい社会人や学生でも自分のスケジュールに合わせて無理なく通えます。英検対策としては、専門のカリキュラムがあるわけではありませんが、受講生の要望に応じてレッスン内容をカスタマイズ可能。「二次試験の面接練習を集中的に行いたい」「ライティングのエッセイを添削してほしい」といった個別のニーズに柔軟に対応してくれます。特にスピーキング力、コミュニケーション能力を重点的に強化したい人におすすめです。
- 指導形式: マンツーマン
- 対象: 中学生から社会人まで
参照:Gabaマンツーマン英会話 公式サイト
⑤ トライのオンライン個別指導塾
特徴:
「家庭教師のトライ」が運営するオンライン専門の個別指導塾です。全国どこに住んでいても、厳しい採用基準をクリアした質の高い講師の授業を受けられます。AIによる学習診断で生徒一人ひとりの苦手分野を正確に特定し、最短で成績アップを目指す個別最適化されたカリキュラムを作成します。英検対策においても、目標級や現在の学力に合わせて、単語、文法、長文読解、リスニング、面接対策まで、必要な学習をオーダーメイドで組み立ててくれます。通塾が難しい地方在住の学生や、部活動で忙しい中高生にとって、非常に利便性の高い選択肢です。
- 指導形式: オンライン個別指導
- 対象: 小学生、中学生、高校生
参照:株式会社トライグループ 公式サイト
⑥ ENGLISH COMPANY
特徴:
「英語のパーソナルジム」というコンセプトを掲げる、短期集中型の英語コーチングスクールです。第二言語習得研究の知見に基づいた科学的なトレーニングが特徴で、弱点をピンポイントで克服し、学習効率を最大化します。週2回のトレーニングに加え、専属トレーナーが日々の学習管理まで徹底的にサポート。3ヶ月といった短期間で、英語力を大きく向上させることを目指します。英検に特化したコースではありませんが、英語の根本的な運用能力を高めるアプローチのため、結果として英検のスコアアップにも繋がります。自己管理が苦手で、プロの力で学習を習慣化したい社会人や大学生に人気です。
- 指導形式: スタジオでのパーソナルトレーニング、オンライン
- 対象: 大学生、社会人
参照:株式会社スタディーハッカー 公式サイト
⑦ Liberty English Academy
特徴:
TOEFLやIELTSといった海外大学院留学のための試験対策で圧倒的な実績を誇るスクールですが、英検対策にもそのノウハウが活かされています。最大の武器は、独自メソッドである「グラマーテーブル」です。これにより、これまで断片的だった文法知識を体系的に整理し、英語を「核」から理解することで、あらゆる英語試験に対応できる本質的な英語力を養成します。授業はハイレベルで緊張感がありますが、本気で準1級や1級といった難関級の突破を目指す人にとっては、最高の環境と言えるでしょう。実績重視で、妥協なく英語力を高めたい人におすすめです。
- 指導形式: スタジオでのグループレッスン、オンライン
- 対象: 高校生、大学生、社会人
参照:Liberty English Academy 公式サイト
⑧ KIRIHARA Online Academy
特徴:
大学受験用の英語教材『Next Stage』などで知られる出版社「桐原書店」が運営するオンラインアカデミーです。教材開発で培った豊富な知見を活かし、英検やTOEICなどの資格試験対策に特化した質の高い講座を提供しています。インプット(動画講義)とアウトプット(オンラインレッスン)を組み合わせたハイブリッドな学習スタイルが特徴。日本人講師による分かりやすい文法解説と、外国人講師との実践的な会話練習をバランスよく行えます。信頼できる教材で、体系的に資格対策を進めたい人に最適です。
- 指導形式: オンライン(動画講義+オンラインレッスン)
- 対象: 高校生、大学生、社会人
参照:KIRIHARA Online Academy 公式サイト
⑨ キャタル (CATALY)
特徴:
小学生から高校生を対象とした英語塾で、「英語で学ぶ」探究型の学習スタイルを特徴としています。単に英検合格を目指すだけでなく、物語を読み進めたり、自分の興味のあるテーマについて英語で調べ、発表したりすることを通じて、生涯使える本物の英語力を身につけることを目的としています。指導は厳しいトレーニングを受けたバイリンガル講師が担当。生徒一人ひとりの学習進捗を細かく管理し、個別にサポートします。将来的に海外大学への進学や、グローバルな舞台で活躍することを目指す子どもにとって、理想的な学習環境です。
- 指導形式: 個別指導、少人数レッスン
- 対象: 小学生、中学生、高校生
参照:キャタル株式会社 公式サイト
⑩ 日米英語学院
特徴:
1973年開校の、資格対策に非常に強い英語学校です。英検、TOEIC、TOEFLなど、さまざまな資格試験で高い合格実績を誇ります。最大の特徴は、受講生一人ひとりの目標、レベル、弱点に合わせて作成される「個人別カリキュラム」です。カウンセラーと相談しながら、豊富なクラス(文法、会話、読解など)を自由に組み合わせ、自分だけの時間割を作ることができます。二次試験対策のプライベートレッスンも充実しており、弱点を徹底的に克服できます。明確な目標級があり、そこに向けて無駄なく学習したいと考える人に最適なスクールです。
- 指導形式: グループレッスン、プライベートレッスン
- 対象: 中学生から社会人まで
参照:株式会社 日米英語学院 公式サイト
英検対策塾の費用相場を指導形式別に解説
英検対策塾を選ぶ上で、費用は最も気になる要素の一つです。料金は指導形式、塾の規模、カリキュラムの内容、受講期間などによって大きく変動します。ここでは、指導形式別に大まかな費用相場を解説し、予算を立てる際の参考にしてもらいます。
注意点として、授業料の安さだけで塾を決めないことが重要です。費用と指導内容、サポート体制のバランス、つまりコストパフォーマンスを総合的に判断する視点を持ちましょう。
指導形式 | 月謝の目安(週1回の場合) | 初期費用(入会金・教材費など)の目安 | メリット・デメリット |
---|---|---|---|
個別指導塾 | 20,000円~50,000円 | 20,000円~50,000円 | メリット: 学習効果が高い、柔軟性が高い デメリット: 費用が高額 |
集団指導塾 | 10,000円~30,000円 | 10,000円~40,000円 | メリット: 費用が比較的安い、仲間と学べる デメリット: 自分のペースで進めにくい |
オンライン塾 | 5,000円~30,000円 | 0円~30,000円 | メリット: 場所を選ばない、費用が多様 デメリット: 自己管理能力が必要 |
個別指導塾の費用相場
個別指導塾は、講師1人に対して生徒が1人(マンツーマン)または2〜3人の形式です。オーダーメイドのカリキュラムと手厚いサポートが受けられる分、費用は最も高額になる傾向があります。
- 月謝: 週1回(60分〜90分程度)のレッスンで、月額20,000円〜50,000円程度が相場です。講師の質(ネイティブ講師、プロ講師など)やレッスンの時間によって変動します。
- 初期費用: 入会金として10,000円〜30,000円、教材費やシステム利用料として別途10,000円〜数万円がかかるのが一般的です。
- 総額: 3ヶ月間通うとすると、総額で10万円〜20万円以上になるケースも珍しくありません。
高額ではありますが、「短期間で特定の弱点を克服したい」「二次試験対策だけを集中的に行いたい」といった明確な目的がある場合には、最も効率的な投資となる可能性があります。
集団指導塾の費用相場
集団指導塾は、1人の講師が5人〜20人程度の生徒を同時に指導するスタイルです。個別指導に比べて一人当たりの講師コストが下がるため、授業料は比較的安価に設定されています。
- 月謝: 週1回(60分〜120分程度)のレッスンで、月額10,000円〜30,000円程度が相場です。クラスの人数やレベルによって料金は異なります。
- 初期費用: 入会金は10,000円〜20,000円程度、教材費も指定のもの一式で10,000円〜20,000円程度かかる場合が多いです。
- 総額: 3ヶ月間で5万円〜12万円程度が目安となります。
費用を抑えつつ、基本的な学習習慣を身につけたい人や、仲間と切磋琢磨する環境を好む人に向いています。ただし、授業のペースに合わないと、費用対効果が悪くなる可能性もあるため、体験授業でクラスの雰囲気を確認することが重要です。
オンライン塾の費用相場
オンライン塾は、近年急速に多様化しており、費用もサービス形態によって大きく異なります。
- オンライン個別指導: 通学型の個別指導よりやや安く、月額15,000円〜40,000円程度が相場です。校舎の維持費がかからない分、費用が抑えられる傾向にあります。
- オンライン集団指導: 通学型の集団指導と同等か、やや安い月額8,000円〜25,000円程度が目安です。
- 動画配信型サービス・英語コーチング: サービス内容によって価格はピンキリです。録画された講義を視聴するだけのサービスなら月額数千円からありますが、専属コーチが学習管理まで行う英語コーチングサービスは、2〜3ヶ月で30万円〜50万円と高額になります。
オンライン塾は、通塾時間や交通費がかからないという隠れたコストメリットもあります。自分の学習スタイルや予算に合わせて、マンツーマンレッスン、グループレッスン、コーチングなど、最適なサービス形態を選ぶことが大切です。
英検対策に関するよくある質問
英検対策を始めるにあたり、多くの人が抱く共通の疑問があります。ここでは、特によくある質問とその回答をまとめました。
対策はいつから始めるのがベスト?
これは最も多く寄せられる質問の一つですが、「目標とする級」と「現在の英語力」のギャップによって、必要な準備期間は大きく異なります。一概に「〇ヶ月前から」と断言することはできませんが、一般的な目安は存在します。
- 現在のレベルの1つ上の級を目指す場合:
一般的に、最低でも3ヶ月は準備期間として確保することをおすすめします。例えば、3級を持っている人が準2級を目指す場合、平日に1時間、休日に2〜3時間程度の学習時間をコンスタントに確保できるなら、3ヶ月あれば合格圏内に到達できる可能性は高いです。 - 2つ以上上の級を目指す場合や、上位級(準1級・1級)を目指す場合:
この場合は、半年から1年以上の長期的な計画が必要になります。特に準1級以上は語彙レベルが飛躍的に上がり、ライティングやスピーキングでも高度な論理性が求められるため、付け焼き刃の対策では通用しません。基礎固めからじっくりと時間をかけて取り組む必要があります。
結論として、思い立ったが吉日です。試験日から逆算してギリギリに始めるのではなく、余裕を持ったスケジュールで対策を始めることが、精神的な安定と合格の確実性に繋がります。
塾なしの独学でも合格は可能?
結論から言えば、独学での合格は可能です。ただし、そのためにはいくつかの条件があります。
- 合格しやすい級: 一般的に、中学卒業レベルの3級や高校中級レベルの準2級あたりまでであれば、市販の質の高い参考書や過去問題集を活用し、計画的に学習を進めることで、独学でも十分に合格を目指せます。
- 難易度が上がる級: 高校卒業レベルの2級から難易度は一段階上がります。特に、社会性の高いトピックについて論理的に意見を述べるライティングや、面接官との質疑応答が求められる二次試験は、独学での対策が難しくなってきます。準1級、1級に至っては、独学のみでの合格は相当な努力と工夫、そして高い自己管理能力がなければ非常に困難と言えるでしょう。
独学で挑戦する場合、最大の課題は「二次試験(スピーキング)対策」と「ライティングの添削」です。これらは客観的なフィードバックなしにスキルを向上させることが難しいため、オンライン英会話で面接練習をしたり、学校や職場の先生に添削を依頼したりするなど、外部のサポートを部分的に活用するのが賢明な方法です。
小学生や中学生におすすめの対策方法は?
小学生や中学生の英検対策で最も大切なことは、「英語を嫌いにさせないこと」、そして「楽しみながら学習を習慣づけること」です。
- 楽しむ工夫を取り入れる:
小学生の場合、机に向かって問題を解くだけでは飽きてしまいます。英語の歌やアニメ、ゲーム性のある学習アプリなどを活用し、遊びの延長線上で英語に触れる機会を増やしましょう。4級や5級の対策であれば、身近な単語や簡単なフレーズをカードにして、親子でクイズを出し合うのも効果的です。 - 基礎を大切にする:
中学生は、学校の授業が英検対策の基礎となります。特に3級までは、教科書レベルの単語と文法を完璧に理解することが合格への一番の近道です。学校の勉強をおろそかにせず、その上で英検の過去問に取り組むと、効率的に学習が進められます。 - 塾選びのポイント:
もし塾に通う場合は、学力向上だけでなく、子どものやる気を引き出してくれるかという視点が重要です。子ども向けの指導経験が豊富な講師がいるか、クラスが楽しい雰囲気か、といった点を体験授業で確認しましょう。保護者としては、学習計画の管理や日々の励ましなど、精神的なサポートを心がけることが大切です。
料金が安いおすすめの塾は?
「できるだけ費用を抑えたい」というのは、多くの人に共通する正直な気持ちでしょう。しかし、特定の「この塾が一番安い」と断言するのは困難です。なぜなら、料金はコースや受講期間、キャンペーンの有無などによって常に変動するからです。
そこで、特定の塾名を挙げるのではなく、「料金が安い塾を見つけるための方法」をいくつかご紹介します。
- 「集団指導」または「オンライン」形式を選ぶ:
一般的に、個別指導よりも集団指導、通学型よりもオンライン型の方が料金は安価な傾向にあります。まずはこの2つの形式を中心に探してみましょう。 - 短期集中講座や季節講習を利用する:
多くの塾では、夏休みや冬休み、試験直前の時期に「英検対策短期集中講座」などを開講します。通年で通うよりも、必要な期間だけ受講することで費用を抑えることができます。特に、「二次試験対策だけをお願いしたい」といった場合に有効です。 - 複数の塾から見積もりを取る:
気になる塾がいくつか見つかったら、カウンセリングを受け、授業料だけでなく、入会金や教材費を含めた総額の見積もりを出してもらいましょう。複数の塾を比較検討することで、コストパフォーマンスの良い塾が見つかります。 - キャンペーン情報をチェックする:
「入会金無料キャンペーン」や「授業料割引キャンペーン」などを利用するのも賢い方法です。塾の公式サイトやSNSを定期的にチェックしてみましょう。
最も重要なのは、安さだけで判断しないことです。料金が安くても、指導の質が低かったり、サポートが不十分だったりしては本末転倒です。自分が支払う費用に見合った価値(合格の可能性)が得られるかどうかを、総合的に見極めるようにしましょう。
まとめ:自分に合った塾で英検合格を目指そう
英検は、あなたの英語力を客観的に証明し、進学、就職、キャリアアップといった人生のさまざまなステージで可能性を広げてくれる価値ある資格です。そして、その合格という目標を達成するためには、自分に合った学習方法を見つけることが何よりも重要です。
この記事では、独学と塾での対策を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。最短ルートでの合格を目指したい人、二次試験の面接に不安がある人、一人では学習のモチベーションを維持するのが難しい人にとって、塾やスクールは非常に心強いパートナーとなります。
一方で、数多くの塾の中から最適な一校を選ぶのは簡単ではありません。後悔のない選択をするために、本記事で紹介した「失敗しない英検対策塾の選び方【7つのポイント】」をぜひ参考にしてください。
- 自分のレベルや目的に合っているか
- 指導形式は自分に合っているか(個別・集団・オンライン)
- 講師の質は高いか
- 二次試験対策は充実しているか
- 合格実績が豊富か
- 料金は予算の範囲内か
- 無理なく通える立地・時間か
これらのポイントを一つひとつ確認し、気になる塾が見つかったら、必ず無料カウンセリングや体験授業に参加しましょう。 実際に校舎の雰囲気を感じ、講師の指導を直接受けてみることで、ウェブサイトやパンフレットだけでは分からない、自分との相性を見極めることができます。
最終的に、あなたにとって最高の塾とは、単に有名な塾や合格実績が高い塾ではありません。あなたのレベルと目標に寄り添い、あなたが最も効率的に、そして意欲的に学習を続けられる環境を提供してくれる塾です。
自分にぴったりの学習パートナーを見つけ、自信を持って試験に臨み、英検合格という目標を掴み取りましょう。