小学生のお子様にとって、学習塾は学力向上や学習習慣の定着、さらには中学受験という大きな目標達成のための重要なパートナーです。中でも「個別指導塾」は、一人ひとりのペースや理解度に合わせて学習を進められるため、近年ますます注目を集めています。
しかし、「個別指導と集団塾、どちらが良いのだろう?」「料金はどのくらいかかるの?」「たくさんの塾の中から、どうやって子どもに合った塾を選べば良いの?」といった疑問や不安をお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、小学生のお子様を持つ保護者の方々が抱える疑問を解消し、最適な塾選びができるよう、以下の点を網羅的かつ分かりやすく解説します。
- 個別指導塾のメリット・デメリット
- 個別指導塾と集団塾の根本的な違いと、お子様に合った指導形態の見つけ方
- 塾に通い始める最適なタイミング
- 学年別・目的別の料金相場と費用を抑えるコツ
- 【2024年最新】おすすめの個別指導塾15選の徹底比較
- 失敗しないための塾選び7つの重要ポイント
- 入塾後に成果を出すための家庭での関わり方
この記事を最後までお読みいただくことで、個別指導塾に関する全体像を掴み、お子様の個性と目標にぴったり合った塾を見つけるための具体的な行動計画を立てられるようになります。
目次
小学生が個別指導塾に通うメリット・デメリット
個別指導塾は、その名の通り、生徒一人ひとりに対してきめ細やかな指導を行う学習形態です。このスタイルには多くのメリットがある一方で、いくつか考慮すべきデメリットも存在します。まずはお子様にとって個別指導が本当に最適な選択肢なのかを判断するため、その両側面を深く理解しておきましょう。
個別指導塾のメリット
個別指導塾が持つ最大の強みは、その圧倒的な柔軟性と個別最適化された学習環境にあります。
一人ひとりのペースに合わせて学習できる
学校の授業は、クラス全体の平均的な理解度に合わせて進められます。そのため、学習の進みが早いお子様は物足りなさを感じて手持ち無沙汰になったり、逆につまずきを感じているお子様は分からないまま授業が進んでしまい、取り残されてしまったりすることがあります。
個別指導塾では、お子様自身の理解度やペースを最優先してカリキュラムが組まれます。例えば、算数のある単元でつまずいている場合、その単元まで遡って、理解できるまでじっくりと時間をかけて学ぶことができます。逆に、得意な科目は学校の授業を先取りしてどんどん進め、応用問題に挑戦するなど、学力をさらに伸ばすことも可能です。
- 具体例(学習がゆっくりな場合):
算数の「割合」が苦手なAさん。学校では次々と新しい単元に進んでしまいますが、個別指導塾では「割合」の前に理解しておくべき「分数」や「小数」の計算から復習。Aさんが「わかった!」と納得できるまで、図を使ったり、身近な例えで説明したりと、アプローチを変えながら指導を受けられます。 - 具体例(学習が進んでいる場合):
国語が得意で読書も大好きなBくん。学校の教科書だけでは物足りなさを感じています。個別指導塾では、学年を超えた長文読解に挑戦したり、より高度な語彙や表現方法を学んだりすることで、その知的好奇心を満たし、得意科目を圧倒的な強みに変えていくことができます。
このように、「待ち時間」や「分からないまま進む時間」をなくし、授業時間を100%お子様のために使える点が、個別指導の最大のメリットと言えるでしょう。
苦手科目を集中的に克服できる
小学生の段階で生まれた「苦手」は、その後の学習意欲に大きく影響します。特に算数や英語のように積み重ねが重要な科目では、一度つまずくと、その後の内容が全く理解できなくなる「負のスパイラル」に陥りがちです。
個別指導塾は、この「苦手科目」の克服に絶大な効果を発揮します。集団塾では全体のカリキュラムがあるため、一人の生徒のために多くの時間を割くことは困難です。しかし、個別指導であれば、特定の科目に絞って集中的に対策を講じることが可能です。
講師は、対話を通じて「なぜ、どこでつまずいているのか」という根本原因を正確に診断します。それは単純な知識不足かもしれませんし、問題の読み間違いや、特定の考え方の癖が原因かもしれません。原因を特定し、そこをピンポイントで解消するための指導を行えるため、効率的に苦手意識を克服し、自信を取り戻すきっかけになります。
質問しやすい環境がある
「こんなことを聞いたら恥ずかしいかな」「授業の流れを止めてしまうかも」といった不安から、学校や集団塾ではなかなか手を挙げて質問できないお子様は少なくありません。この「分からない」を放置してしまうことが、学力低下の大きな原因となります。
個別指導塾は、講師が常に隣にいるため、些細な疑問でもその場で気軽に質問できる心理的安全性が確保されています。講師との距離が近く、信頼関係を築きやすいため、「先生、この問題のここがちょっと…」と、わからない部分を素直に口に出すことができます。
また、講師側も生徒の表情やペンの動きを注意深く見ており、「もしかして、ここで悩んでいるかな?」と、お子様が質問する前に声をかけることもできます。このような双方向のコミュニケーションを通じて、「わからない」を一つひとつ確実に解消していくことができるのです。
学習習慣が身につきやすい
「家に帰るとつい遊んでしまう」「勉強を始めるまで時間がかかる」といった悩みは、多くのご家庭で聞かれます。学習習慣は、一朝一夕で身につくものではありません。
個別指導塾に通うことで、「毎週〇曜日の〇時は塾で勉強する」という生活のリズムが生まれます。これが学習のペースメーカーとなり、自然と机に向かう習慣の土台を築きます。
さらに、多くの個別指導塾では、授業日以外にも利用できる自習室を完備しています。静かで集中できる環境で勉強することで、「家では集中できない」というお子様も学習時間を確保しやすくなります。講師に宿題の進捗を管理してもらったり、家庭学習の計画を一緒に立ててもらったりすることも可能で、塾での学習と家庭学習を連携させることで、自律的な学習姿勢を育むことができます。
スケジュール調整がしやすい
サッカー、ピアノ、スイミング、プログラミング教室など、小学生は多くの習い事をしています。集団塾の場合、曜日や時間が固定されているため、他の習い事との両立が難しいケースがあります。
個別指導塾の多くは、曜日や時間帯を比較的自由に選べるため、お子様の習い事やご家庭の都合に合わせてスケジュールを組むことが可能です。急な用事や体調不良で授業を休んでしまった場合でも、振替制度を利用して別の日に授業を受けられる塾がほとんどです。
このような柔軟性は、忙しい小学生や保護者にとって大きなメリットであり、無理なく学業と習い事を両立させるための強力なサポートとなります。
個別指導塾のデメリット
多くのメリットがある一方で、個別指導塾にはいくつかのデメリットも存在します。これらを事前に理解し、対策を考えておくことが、後悔のない塾選びに繋がります。
集団塾に比べて料金が高い傾向にある
最も大きなデメリットとして挙げられるのが、料金面です。講師一人に対して生徒が一人または二人という手厚い指導体制のため、人件費がかさみ、集団塾と比較して授業料が高くなる傾向にあります。
例えば、同じ週1回の通塾でも、集団塾が1万円前後からであるのに対し、個別指導塾では1万5千円~3万円程度が相場となることも珍しくありません。特に、中学受験対策コースやプロ講師によるマンツーマン指導を選択した場合、料金はさらに高額になります。
ただし、これはサービスの質とのトレードオフです。苦手な1科目に絞って受講したり、週1回から始めたりするなど、必要なサービスだけを選択することで費用をコントロールすることも可能です。料金については後ほど詳しく解説しますが、月謝だけでなく、入会金や教材費、季節講習費などを含めた総額で比較検討することが重要です。
競争心が芽生えにくい
個別指導は自分のペースで学べる反面、周囲にライバルがいないため、競争環境に身を置くことでモチベーションが高まるタイプのお子様には物足りなく感じられることがあります。
集団塾では、クラスメイトの存在が良い意味での刺激となり、「あの子に負けたくない」「クラスで一番になりたい」という気持ちが学習意欲を掻き立てることがあります。また、定期的なクラス内テストで自分の立ち位置が明確になるため、目標設定がしやすくなるという側面もあります。
個別指導塾でも、定期的に行われる模試や実力テストで自分の学力を客観的に測ることはできますが、日常的な学習環境の中に競争相手はいません。この点が、お子様の性格によってはデメリットになり得ます。対策として、模試を積極的に受験したり、短期の季節講習では集団形式の講座に参加したりするといった方法が考えられます。
講師との相性が成績に影響しやすい
個別指導は、講師と生徒の関係性が非常に密接です。そのため、講師との相性が学習効果やモチベーションに直接的な影響を与えやすいという点は、メリットであると同時にリスクにもなります。
素晴らしい指導力を持つ講師でも、お子様との相性が合わなければ、質問しづらかったり、授業が楽しく感じられなかったりして、成績が伸び悩む原因になりかねません。例えば、丁寧にゆっくり教えてほしいお子様に、テンポの速い講師が担当してしまったり、褒めて伸ばしてほしいお子様に、厳しく指導するタイプの講師が担当してしまったりすると、逆効果になる可能性があります。
このリスクを回避するためには、入塾前の体験授業でお子様と講師の相性をしっかり確認することが不可欠です。また、万が一相性が合わなかった場合に備えて、「講師の変更制度」が整っている塾を選ぶことが極めて重要です。
個別指導塾と集団塾の違いとは
個別指導塾と集団塾は、どちらも学力向上を目指すという目的は同じですが、そのアプローチは大きく異なります。お子様の性格や学習目的によって、どちらの形態がより効果的かは変わってきます。ここでは、それぞれの特徴を比較し、どのようなお子様がどちらの塾に向いているのかを具体的に解説します。
比較項目 | 個別指導塾 | 集団塾 |
---|---|---|
指導形態 | 講師1人に対し生徒1〜3人程度 | 講師1人に対し生徒10人〜30人程度 |
カリキュラム | オーダーメイド(個々の進捗・目標に合わせる) | 画一的(塾が定めた年間の進度・レベル) |
授業の進め方 | 対話型・演習中心。生徒の理解度に応じて進む | 講義形式。決められたペースで進む |
対象となる生徒 | 苦手克服、得意を伸ばす、マイペースな子など | 基礎学力があり、競争環境で伸びる子など |
料金 | 高い傾向にある | 比較的安い傾向にある |
スケジュール | 柔軟に調整しやすい | 固定されていることが多い |
競争環境 | 少ない(自分のペース) | 多い(ライバルと切磋琢磨) |
個別指導塾が向いている小学生の特徴
以下のような特徴を持つお子様は、個別指導塾の環境で学力を伸ばしやすいと言えます。
- 自分のペースでじっくり学習したい子
周りのスピードを気にせず、自分が納得できるまで考えたい、学びたいというお子様にとって、個別指導は最適な環境です。 - 特定の苦手科目があり、基礎から復習したい子
「分数の計算でつまずいている」「アルファベットが覚えられない」など、特定の弱点が明確な場合、その部分に特化した指導で効率的に穴を埋めることができます。 - 学校の授業で質問するのが苦手な子
大勢の前で発言することに抵抗がある、引っ込み思案なお子様でも、個別指導なら気軽に質問し、疑問を解消できます。 - 得意な科目をどんどん伸ばしたい子
学校の進度にとらわれず、ハイレベルな問題に挑戦したり、先取り学習を進めたりしたいという知的好奇心旺盛なお子様のニーズにも応えられます。 - 他の習い事と両立させたい子
スケジュール調整の自由度が高いため、複数の習い事をしながらでも無理なく通塾を続けることができます。 - 中学受験に向けて、オーダーメイドの対策をしたい子
志望校の出題傾向や、お子様の現在の学力に合わせて、一人ひとり専用の学習プランを立ててほしい場合に適しています。
個別指導は、「個」に焦点を当てた指導です。お子様一人ひとりの個性や学習状況を尊重し、最適な学習プランを提供することに長けています。
集団塾が向いている小学生の特徴
一方、集団塾の環境が力になるお子様もいます。以下のような特徴が見られる場合は、集団塾を検討する価値があります。
- 友達やライバルと競い合うことでやる気が出る子
「負けず嫌い」な性格で、周りと切磋琢磨する環境に身を置くことで実力以上の力を発揮できるタイプのお子様です。 - 学校の授業には問題なくついていけている子
基礎的な学力が身についており、決められたカリキュラムに沿って効率よく学習を進めたい場合に適しています。 - 難関中学の受験を考えている子
特に大手進学塾は、豊富な受験データや合格ノウハウ、質の高い教材を持っています。同じ目標を持つ仲間と高いレベルで競い合う環境は、難関校合格を目指す上で大きな力となります。 - 決められたスケジュールで学習を進めるのが得意な子
宿題や課題が体系的に出され、それに沿って学習するスタイルが合っているお子様には、集団塾のペースが心地よく感じられるでしょう。
集団指導は、「全体」を高いレベルへ引き上げる指導です。仲間との競争や体系化されたカリキュラムを通じて、目標達成を目指します。
【目的別】おすすめの指導形態
最終的にどちらを選ぶかは、塾に通う「目的」を明確にすることが最も重要です。以下の表を参考に、お子様の状況に最も合った指導形態はどちらか考えてみましょう。
目的 | おすすめの指導形態 | 主な理由 |
---|---|---|
苦手科目の徹底克服 | 個別指導 | つまずきの根本原因まで遡り、マンツーマンで丁寧に指導できるため。 |
学習習慣の定着 | 個別指導/集団塾(小規模) | 決まった日時に通うことで生活リズムが整う。個別指導は個々の進捗管理が手厚い。 |
基礎学力の定着 | 個別指導 | 学校の進度や子どもの理解度に合わせて、着実に基礎を固められる。 |
中学受験(基礎固め) | 個別指導 | 志望校や現在の学力に合わせ、オーダーメイドのカリキュラムで効率よく学習できる。 |
中学受験(応用・競争) | 集団塾 | ライバルと切磋琢磨する環境で競争心が刺激され、高い目標を目指せる。豊富な受験情報も得やすい。 |
習い事との両立 | 個別指導 | スケジュールの自由度が高く、曜日や時間帯を柔軟に調整しやすいため。 |
近年では、「普段は個別指導で苦手科目を対策し、長期休みは集団塾の季節講習でライバルと競い合う」「集団塾に通いながら、特定の科目だけ個別指導でフォローする」といった、両方のメリットを活かす「併用」という選択肢も増えています。お子様の状況に合わせて、柔軟な活用法を検討するのも良いでしょう。
小学生の個別指導塾はいつから通うべき?
「塾に通わせたいけれど、いつから始めるのがベストなの?」というタイミングに関する悩みも、保護者の方からよく寄せられる質問の一つです。結論から言うと、塾を始めるのに「早すぎる」「遅すぎる」ということはなく、お子様の状況や塾に通う目的に応じて最適な時期は異なります。 ここでは、学年や目的別に、通塾を始める一般的なケースとその背景について解説します。
低学年(1〜3年生)から始めるケース
小学校低学年の段階で塾に通い始める場合、その主な目的は「学習習慣の基礎作り」と「勉強に対するポジティブなイメージの植え付け」にあります。
この時期の子どもたちは、スポンジのように多くのことを吸収します。この段階で「勉強は楽しいもの」「わかるって嬉しい」という成功体験を積むことは、その後の学習意欲に非常に良い影響を与えます。
- 主な目的・メリット:
- 正しい学習姿勢の習得: 鉛筆の正しい持ち方、ノートのきれいな取り方、挨拶や話の聞き方といった、学習の土台となる姿勢を身につけられます。
- 学習習慣の定着: 「週に一度は塾で勉強する」というリズムを作ることで、家庭での学習にもスムーズに繋げやすくなります。
- 基礎学力の土台作り: 学校の授業内容を確実に理解し、定着させることで、高学年で学習内容が難しくなった際のつまずきを予防します。
- 知的好奇心の育成: パズルやゲーム的な要素を取り入れた教材などを通じて、学ぶことの楽しさを知り、知的好奇心を刺激します。
低学年から始める際の注意点は、お子様にプレッシャーを与えすぎないことです。あくまで「楽しい習い事の一つ」という感覚で通えるよう、塾の雰囲気や講師との相性を重視して選ぶことが大切です。無理強いは禁物で、お子様自身が「行きたい!」と思えるような塾を見つけてあげましょう。
高学年(4〜6年生)から始めるケース
小学校高学年になると、学習内容がより抽象的かつ複雑になり、学力差が顕著に現れ始めます。この時期は「苦手分野の克服」や「中学校への準備」を目的として通塾を始めるケースが最も一般的です。
4年生では算数で「小数・分数の複雑な計算」や「面積」、5年生では「割合」「速さ」、6年生では「比」「資料の整理」など、多くの子どもたちがつまずきやすい単元が登場します。これらの「苦手」を放置すると、中学校での学習に直接影響してしまいます。
- 主な目的・メリット:
- 苦手単元の克服: 学校の授業でつまずいてしまった部分を、個別指導で集中的に復習し、理解の穴を埋めることができます。
- 中学校の先取り学習: 特に英語や数学は、小学校の内容を基礎として中学校で発展していきます。余裕のあるうちに先取り学習を進めることで、中学校のスタートダッシュをスムーズに切ることができます。
- 学習の質と量の向上: 家庭学習だけでは難しい、応用問題への挑戦や、より深い思考力を要する問題に取り組む機会を得られます。
- 中学受験の検討: 6年生の途中からでも、志望校のレベルによっては中学受験を目指すことは可能です。個別指導であれば、限られた時間の中で合格に必要な学力を効率的に身につけるためのカリキュラムを組むことができます。
高学年から始める場合は、お子様自身も何らかの課題意識(「算数がわからない」「もっとできるようになりたい」など)を持っていることが多いため、その課題を解決してくれる塾かどうか、という視点で選ぶことが重要です。
中学受験を考えている場合
中学受験を本格的に考えている場合、通塾を開始するタイミングはより重要になります。多くの進学塾では、新小学4年生(小学3年生の2月)から中学受験に向けたカリキュラムがスタートします。これは、3年間かけて、小学校の学習範囲を大きく超える中学受験特有の内容を体系的に学習していくためです。
- なぜ新小4からなのか?
- カリキュラムの構成: 大手進学塾の多くは、小4で基礎を固め、小5で応用力を養い、小6で志望校対策と実践演習を行う、という3年間のスパンでカリキュRAMを組んでいます。
- 学習量の確保: 中学受験で求められる学習量は膨大です。これを無理なくこなすためには、早期からのスタートが理想的とされています。
- 思考力の育成: 単なる知識の暗記ではなく、複雑な問題を解き明かすための思考力や記述力を養うには、相応の時間が必要です。
もちろん、5年生や6年生から受験勉強を始めるケースもあります。その場合、集団塾のカリキュラムに途中から追いつくのは非常に困難なため、個別指導塾の活用が極めて有効になります。
個別指導塾であれば、
- 遅れを取り戻すためのキャッチアッププランを作成してくれる
- 志望校と現在の学力から逆算した、最も効率的な学習計画を立ててくれる
- 苦手科目に絞って、短期間で集中的に強化する
といった対応が可能です。スタートが遅れた場合でも、個別指導塾をうまく活用することで、逆転合格を目指す道筋を描くことができます。
結論として、塾を始める最適なタイミングは、お子様が「学びたい」「できるようになりたい」と思ったとき、そして保護者の方が「サポートしてあげたい」と感じたときと言えるでしょう。
小学生向け個別指導塾の料金相場
個別指導塾を選ぶ上で、保護者の方が最も気になる点の一つが「料金」です。料金体系は塾によって様々で、分かりにくいと感じることも少なくありません。ここでは、小学生向けの個別指導塾にかかる費用の内訳と、その相場について詳しく解説します。料金の全体像を把握し、無理のない資金計画を立てるためにお役立てください。
学年別の月謝相場
月々の授業料(月謝)は、塾の費用の中で最も大きな割合を占めます。料金は主に「学年」「指導形式(1対1か1対2かなど)」「通塾回数(週に何回か)」によって決まります。一般的に、学年が上がるほど、また指導が手厚くなるほど(1対2より1対1)、料金は高くなる傾向にあります。
以下の表は、一般的な個別指導塾の月謝相場をまとめたものです。
学年 | 指導形式 | 週1回(月4回)の料金相場 | 週2回(月8回)の料金相場 |
---|---|---|---|
小学校低学年(1〜3年) | 1対2〜3 | 10,000円~18,000円 | 20,000円~35,000円 |
小学校低学年(1〜3年) | 1対1(マンツーマン) | 15,000円~25,000円 | 30,000円~50,000円 |
小学校高学年(4〜6年) | 1対2〜3 | 12,000円~22,000円 | 24,000円~42,000円 |
小学校高学年(4〜6年) | 1対1(マンツーマン) | 20,000円~35,000円 | 40,000円~65,000円 |
中学受験コース | 1対1 or 1対2 | 25,000円~50,000円 | 50,000円~90,000円 |
※上記はあくまで目安です。地域や塾のブランド、講師の質(プロ講師か学生講師か)によって料金は大きく変動します。
※参照:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」等を参考に、一般的な市場価格を記載。
小学校低学年の料金
低学年のうちは、学習習慣の定着や基礎学力の育成が主な目的となるため、高学年に比べて料金は比較的安価に設定されています。1対2以上の形式で、週1回であれば1万円台前半から見つけることが可能です。
小学校高学年の料金
高学年になると、学習内容の専門性が増し、中学校への準備も視野に入るため、料金は上昇します。特に中学受験を目的とするコースは、専門的な知識を持つ講師が担当し、カリキュラムも特殊になるため、料金は一般コースよりも高額に設定されています。
授業料以外にかかる主な費用
塾に通う際には、月々の授業料以外にも様々な費用が発生します。「月謝が安いと思ったら、他の費用が高くて結局予算オーバーしてしまった」という事態を避けるためにも、以下の費用について事前に確認しておくことが非常に重要です。
入会金
入塾する際に一度だけ支払う費用です。
- 相場:10,000円~30,000円程度
- 多くの塾で「入会金無料キャンペーン」や「兄弟割引(2人目以降は無料)」などを実施しているため、タイミングを狙うことで節約が可能です。
教材費
授業で使用するテキストや問題集、プリントなどの費用です。
- 相場:1科目あたり年間5,000円~20,000円程度
- 塾によっては、学校の教科書や市販の教材を使用することで、教材費を抑えられる場合もあります。一方で、塾独自の高品質なオリジナル教材を使用する場合は、高額になることもあります。年間でどのくらいの教材費がかかるのかを必ず確認しましょう。
教室管理費
教室の維持・管理(光熱費、設備費、通信費など)や、自習室の利用料、システム利用料として毎月支払う費用です。諸経費、施設維持費など塾によって名称は異なります。
- 相場:月額1,000円~5,000円程度
- 月謝に含まれている塾と、別途請求される塾があります。月々の支払総額を計算する際に忘れないように注意が必要です。
季節講習費
春休み、夏休み、冬休みなどの長期休暇中に行われる特別講習(春期講習、夏期講習、冬期講習)の費用です。
- 相場:数万円~十数万円
- 通常授業とは別料金で、受講するコマ数や内容によって大きく変動します。特に、受験学年である小学6年生の夏期講習や冬期講習は、年間費用の中でも大きな割合を占めることがあります。参加が必須か任意かも含めて、事前に確認しておきましょう。
塾の費用を安く抑えるコツ
教育費は家計にとって大きな負担です。少しでも費用を抑えるために、以下のポイントを意識してみましょう。
- キャンペーンや割引制度を活用する
多くの塾が「入会金無料」「授業料〇ヶ月分割引」「友人紹介割引」「兄弟割引」といったキャンペーンを定期的に実施しています。公式サイトをこまめにチェックし、お得なタイミングで入塾を検討するのがおすすめです。 - 受講科目や回数を絞る
個別指導は、科目単位で受講できるのがメリットです。「まずは苦手な算数だけ」「週1回から始めて様子を見る」など、本当に必要な指導に絞って受講することで、費用を抑えることができます。 - オンライン指導を検討する
校舎を持たないオンライン専門の個別指導塾は、対面式の塾に比べて教室管理費などがかからないため、授業料が安価に設定されている傾向があります。送迎の手間が省けるというメリットもあります。 - 自治体の助成金制度を確認する
お住まいの地域によっては、「塾代助成事業」などの名称で、一定の所得要件などを満たす世帯に対して塾の費用を補助する制度を設けている場合があります。市区町村のホームページなどで確認してみましょう。
塾選びにおいては、料金の安さだけで決めるのではなく、指導の質やサポート体制とのバランスを考えることが最も重要です。提示された料金にどのようなサービスが含まれているのかを詳細に確認し、納得した上で契約するようにしましょう。
小学生向け個別指導塾おすすめランキング15選
ここでは、全国に展開し、多くの小学生から支持されている人気の個別指導塾を15選ご紹介します。それぞれの塾が持つ特徴や指導方針、サポート体制などを比較し、お子様にぴったりの塾を見つけるための参考にしてください。
※ここに掲載する情報は、各塾の公式サイトを基に作成していますが、コースや料金、キャンペーン内容は頻繁に変更される可能性があります。最新かつ詳細な情報については、必ず各塾の公式サイトでご確認いただくか、直接お問い合わせください。
① 東京個別指導学院
ベネッセグループならではの豊富な情報力と、一人ひとりに徹底的に寄り添う丁寧な指導が魅力の個別指導塾です。教育大手ならではの安心感があります。
- 特徴:
- オーダーメイドカリキュラム: 目的や学力に合わせて、一人ひとり専用の学習プランを作成。最短距離での目標達成をサポートします。
- 担当講師制度: 授業ごとに講師が変わることはなく、複数の講師の授業を体験した上で、相談しながら相性の良い講師を選べます。
- 豊富な受験情報: ベネッセグループが持つ最新かつ膨大な教育・受験情報を活用し、的確な進路指導を行います。
- 指導形式: 1対1 または 1対2
- サポート体制: 授業のない日も使える無料の自習スペース、定期的な保護者面談、進路相談など、学習面以外も手厚くサポート。
- 参照: 東京個別指導学院 公式サイト
② 個別教室のトライ
「家庭教師のトライ」で培った豊富な指導ノウハウを活かした個別指導塾。独自の学習法と教育プランナーによる手厚いサポートが強みです。
- 特徴:
- トライ式学習法: 講師が教えた内容を生徒が説明する「ダイアログ学習法」など、わかったつもりを防ぎ、知識の定着を図る独自のメソッドを確立。
- 教育プランナーによるサポート: 教室長兼教育プランナーが、お子様の目標達成に向けた最適な学習計画の立案から進捗管理までをトータルでサポートします。
- 豊富なコース設定: 苦手克服から中学受験、プログラミング教育まで、多様なニーズに応えるコースが用意されています。
- 指導形式: 1対1(マンツーマン)
- サポート体制: いつでも使える自習スペース、AIを活用したデジタル教材「Try IT」、定期的な面談など。
- 参照: 個別教室のトライ 公式サイト
③ 明光義塾
「YDK(やれば・できる・子)」のキャッチフレーズで知られる、個別指導のパイオニア的存在。生徒の「自立学習」を促す指導に定評があります。
- 特徴:
- MEIKO式コーチング: 「話す・聞く・褒める」を大切にし、生徒が自ら答えに気づき、考える力を育む対話型の指導スタイル。
- カウンセリング重視: 定期的なカウンセリングを通じて、学習計画の見直しや悩み相談を行い、生徒のやる気を引き出します。
- ノート指導: 「わかる」「話す」「身につく」を実践するためのオリジナルノートを使用し、思考の整理と学習内容の定着をサポート。
- 指導形式: 1対複数(講師1人に対し生徒は最大3人までなど、教室により異なる)
- サポート体制: 保護者との定期的な面談、オンラインでの学習サポート、自習室の開放など。
- 参照: 明光義塾 公式サイト
④ スクールIE
お子様の個性を細かく分析し、「やる気スイッチ」を入れることを目指す個別指導塾。独自の個性診断テストが特徴的です。
- 特徴:
- 個性診断テスト(ETS): お子様の性格や学習習慣、生活習慣を200問以上の質問から分析し、最適な学習方法や接し方を導き出します。
- 完全オーダーメイドテキスト(夢SEED): 個性診断の結果と学力診断テストに基づき、一人ひとりの目標・学力に合わせた世界に一冊だけのテキストを作成。
- 相性ピッタリの講師: 個性診断の結果は講師のマッチングにも活用され、性格的にも相性の良い講師が担当します。
- 指導形式: 1対1 または 1対2
- サポート体制: 自習スペースの提供、定期的な保護者面談、入退室をメールで知らせる安心システムなど。
- 参照: スクールIE 公式サイト
⑤ ITTO個別指導学院
質の高い授業をリーズナブルな価格で提供することを目指している個別指導塾。全国に1,100校舎以上を展開する規模の大きさが魅力です。
- 特徴:
- 選べる授業スタイル: 集中して学べるマンツーマンの「1対1」から、リーズナブルな「1対3」まで、目的や予算に応じて指導形式を選択可能。
- 塾内テスト「模試DO」: 毎月、塾内でテストを実施し、学習の定着度を細かくチェック。苦手分野の早期発見に繋げます。
- 充実の講師研修: 講師の指導力を高めるための研修制度が整っており、質の高い授業を提供しています。
- 指導形式: 1対1、1対2、1対3などから選択
- サポート体制: 無料で利用できる自習室、定期面談、オンライン授業のオプションなど。
- 参照: ITTO個別指導学院 公式サイト
⑥ 個別指導WAM
AIを活用した指導と、地域密着の丁寧なサポートを両立させている個別指導塾。効率的な学習システムに強みがあります。
- 特徴:
- AIによる学力分析: AIがお子様の解答データを分析し、つまずきの根本原因を特定。一人ひとりに最適化された課題を提示します。
- オンライン指導にも対応: 対面授業だけでなく、自宅で受講できるオンライン個別指導も選択でき、ライフスタイルに合わせた学び方が可能です。
- 定期テスト対策: 学校のテスト日程や出題範囲に合わせた、きめ細やかなテスト対策指導に定評があります。
- 指導形式: 1対1 または 1対2
- サポート体制: 自習室完備、進路指導、学習相談など、地域密着ならではのサポート体制。
- 参照: 個別指導WAM 公式サイト
⑦ 個別指導Axis(アクシス)
多様な学習サービスを組み合わせ、一人ひとりの目標達成をサポートする個別指導塾。中学・高校・大学受験にも強みを持っています。
- 特徴:
- 多彩な講座ラインナップ: 対面の個別指導に加え、トップレベルの講師陣による映像講座や、オンラインでのマンツーマン指導など、様々な学習スタイルを組み合わせることが可能。
- 受験に強い: 長年の指導実績に基づいた豊富な受験情報と、志望校に合わせた的確な対策で、多くの合格実績を誇ります。
- 学習プランナーによるサポート: 生徒一人ひとりに学習プランナーがつき、目標設定から学習計画の立案、進捗管理までを一貫してサポート。
- 指導形式: 1対1 または 1対2
- サポート体制: 自習室、映像講座の視聴ブース、定期的な保護者会や三者面談など。
- 参照: 個別指導Axis 公式サイト
⑧ TOMAS
「個室での完全1対1指導」にこだわり、質の高い進学指導を行う個別指導塾。難関校受験を目指す生徒から高い支持を得ています。
- 特徴:
- 完全マンツーマン指導: 授業はすべて講師と生徒の1対1。発問と解説を繰り返し、生徒が主体的に考える力を徹底的に鍛えます。
- 合格逆算カリキュラム: 志望校合格というゴールから逆算し、一人ひとりのためだけに個人別のカリキュラムを作成。
- 質の高い講師陣: 厳しい採用基準をクリアした、指導力・人間性ともに優れた講師が多数在籍しています。
- 指導形式: 1対1(マンツーマン)
- サポート体制: 担任制による進捗管理、きめ細やかな進路指導、保護者との密な連携。
- 参照: TOMAS 公式サイト
⑨ 森塾
「先生1人に生徒2人まで」の指導形式と、「成績保証制度」が大きな特徴。楽しさと厳しさを両立させた指導で、生徒のやる気を引き出します。
- 特徴:
- 成績保証制度: 入塾後2学期以内に、学校のテストで必ず1科目+20点以上アップすることを保証。達成できない場合は1学期分の授業料が免除されます。(※適用には条件あり)
- 「先生1人に生徒2人まで」の徹底: 演習と解説のバランスが良い指導形式で、質問しやすさと集中力を両立。
- 学校のテスト対策に強い: 各中学校のテスト範囲や出題傾向を分析し、一人ひとりに合わせたテスト対策教材で高得点を目指します。
- 指導形式: 1対2
- サポート体制: 欠席時の振替授業制度、特訓部屋(無料の補講)、保護者面談など。
- 参照: 森塾 公式サイト
⑩ 臨海セレクト
集団塾で有名な「臨海セミナー」が運営する個別指導コース。「わかるまで、できるまで」をモットーにした、熱意ある指導が特徴です。
- 特徴:
- 臨海TSP(徹底指導プログラム): 授業での「わかった」を、演習を通して「できた」に変える独自の指導システム。
- 地域密着のテスト対策: 各地域の学校のテスト情報を徹底的に分析し、万全の対策を行います。
- 集団塾との連携: 集団塾の豊富なデータやノウハウを活用できるのが強み。必要に応じて集団授業との併用も可能です。
- 指導形式: 1対2
- サポート体制: 自習室の開放、定期的な学習カウンセリング、入退室管理システムなど。
- 参照: 臨海セレクト 公式サイト
⑪ 栄光の個別ビザビ
「栄光ゼミナール」の個別指導ブランド。対話を通じて生徒のやる気を引き出し、学ぶ楽しさを教える指導を大切にしています。
- 特徴:
- 対話型の授業: 一方的な解説ではなく、生徒との対話を重視。生徒自身の言葉で説明させることで、理解を深めます。
- 学習プランの定期的な見直し: 定期面談を通じて、学習の進捗や目標達成度を確認し、必要に応じて学習プランを柔軟に修正します。
- 豊富なコース: 苦手克服から中学受験、内部進学対策まで、目的に合わせた多様なコースが設定されています。
- 指導形式: 1対1 または 1対2
- サポート体制: 自習室「i-cot」の提供、保護者向けアプリでの情報共有、受験情報の提供など。
- 参照: 栄光の個別ビザビ 公式サイト
⑫ 代々木個別指導学院
「認める・ほめる・励ます」指導を徹底し、生徒のやる気を最大限に引き出すことを目指す個別指導塾です。
- 特徴:
- キミ専用カリキュラム: 生徒一人ひとりの目標、学力、性格に合わせて、科目ごとに学習計画を作成。
- 反復学習システム: 「予習→授業→復習」のサイクルを確立し、学習内容の定着を図ります。
- フリーな時間割: 部活動や習い事で忙しい生徒でも通いやすいよう、曜日や時間帯を自由に設定できます。
- 指導形式: 1対複数(講師が巡回する形式)
- サポート体制: 振替制度、定期的な保護者面談、自習スペースの提供など。
- 参照: 代々木個別指導学院 公式サイト
⑬ 個別指導学院フリーステップ
関西圏を中心に展開する個別指導塾。独自の指導システムと科学的な学習管理で、点数アップにコミットします。
- 特徴:
- S-CUBEシステム: 学習プランナーが科学的な学習指導法に基づき、目標達成までの道のりを管理・サポート。
- 点数アップシステム「KECPDCA」: 計画(Plan)から改善(Action)までのサイクルを回し、目標達成を具体的にサポートします。
- 質の高い講師陣: 講師採用率は約30%。厳しい基準をクリアした講師が、熱意ある指導を行います。
- 指導形式: 1対1 または 1対2
- サポート体制: 自習室完備、振替授業制度、定期的な学習イベントの開催など。
- 参照: 個別指導学院フリーステップ 公式サイト
⑭ 湘南ゼミナール 個別指導コース
集団授業で独自の「QE授業」を展開する湘南ゼミナールが運営。個別指導でも、生徒の思考力を引き出す指導を実践しています。
- 特徴:
- 個別の学習プラン: 一人ひとりの学力状況や目標に合わせて、最適な学習プランと教材を提案します。
- 集団塾との連携: 集団塾が持つ豊富な入試情報や指導ノウハウを、個別指導にも活かしています。
- アットホームな雰囲気: 生徒と講師の距離が近く、質問や相談がしやすい環境づくりを大切にしています。
- 指導形式: 1対1 または 1対2
- サポート体制: 定期的な保護者面談、進路指導、自習スペースの提供など。
- 参照: 湘南ゼミナール 個別指導コース 公式サイト
⑮ 松陰塾
「塾なのに、通い放題」というユニークなシステムが特徴の個別指導塾。デジタル教材と個別指導を組み合わせ、効率的な学習を実現します。
- 特徴:
- 通い放題コース: 月額定額制で、毎日でも通塾が可能。圧倒的な学習量を確保できます。
- Showinシステム: 専用のPCやタブレットを使い、自分のペースで学習。わからない部分はすぐに塾長やコーチに質問できます。
- アウトプット学習重視: インプットした知識を、問題を解くことでアウトプットするトレーニングを繰り返し、学力の定着を図ります。
- 指導形式: デジタル教材による自立学習+コーチによる個別指導
- サポート体制: 保護者向け学習管理システム、学習カウンセリングなど。
- 参照: 松陰塾 公式サイト
失敗しない!小学生向け個別指導塾の選び方7つのポイント
数多くの個別指導塾の中から、本当にお子様に合った一校を見つけ出すのは簡単なことではありません。料金や知名度だけで選んでしまうと、「思っていたのと違った」「成績が伸びない」といった後悔に繋がる可能性があります。ここでは、塾選びで失敗しないための7つの重要なチェックポイントを、具体的な視点とともに解説します。
① 通う目的をはっきりさせる
塾選びの第一歩は、「何のために塾に通うのか」という目的を明確にすることです。この目的が曖昧なままだと、塾選びの軸がぶれてしまいます。ご家庭で、そしてお子様自身とも話し合い、目的を共有しましょう。
苦手科目の克服
「算数の文章問題だけがどうしても苦手」「漢字テストで点が取れない」といった特定の課題がある場合、その分野の指導に定評があるか、どこまで遡って教えてくれるかを確認することが重要です。つまずきの根本原因を見つけてくれる診断力のある塾が適しています。
学習習慣の定着
「家では集中して勉強できない」「勉強のやり方がわからない」という場合は、自習室の環境や利用しやすさ、家庭学習の計画までサポートしてくれるかがポイントになります。週に何回通えるか、宿題の管理はどの程度してくれるかなども確認しましょう。
中学受験対策
中学受験が目的であれば、志望校の合格実績や、専門の対策コースがあるかは必須のチェック項目です。塾が持っている受験情報の質と量、過去問対策の徹底度、面接や作文の指導体制なども確認が必要です。TOMASのように進学指導に特化した塾や、大手塾の個別指導部門が有力な選択肢となります。
習い事との両立
「サッカーの練習が忙しいけど、勉強も頑張りたい」という場合は、スケジュールの柔軟性が最も重要です。振替授業のルール(何日前までの連絡が必要か、回数制限はあるかなど)や、曜日・時間帯の選択肢の広さを詳しく確認しましょう。
② 指導形式を確認する
個別指導と一言で言っても、その指導形式は主に「1対1」と「1対2〜3」に分かれます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、お子様の性格や目的に合った形式を選びましょう。
マンツーマン指導(1対1)
- メリット: 授業時間の100%を自分だけのために使えます。質問がしやすく、超丁寧な指導が受けられます。難関校受験対策など、極めて専門的な指導にも最適です。
- デメリット: 料金が最も高額になります。講師との相性が合わない場合の影響が大きくなります。
- 向いている子: 人見知りで質問が苦手な子、特定の科目を短期間で集中的に伸ばしたい子、難関中学受験を目指す子。
少人数指導(1対2〜3)
- メリット: 料金が1対1より安価です。一人の生徒が問題を解いている間にもう一人の生徒を指導するため、解説を聞く時間と自分で考える(演習)時間のバランスが良いです。適度な緊張感を保てます。
- デメリット: 講師を独占できるわけではないため、質問のタイミングを少し待つことがあります。
- 向いている子: 演習時間をしっかり確保したい子、ある程度の緊張感の中で学習したい子、コストを抑えつつ個別指導を受けたい子。
多くの塾では、両方の形式を用意しています。体験授業では、実際に希望する指導形式で受けてみることが大切です。
③ 講師との相性を見極める
個別指導において、講師との相性は成績を左右する最も重要な要素の一つです。指導力はもちろん、人間的な相性もお子様のやる気に直結します。
講師のタイプ(学生かプロか)
- 学生講師: お子様と年齢が近く、お兄さん・お姉さんのような親しみやすい存在です。勉強の悩みだけでなく、学校生活の相談にも乗ってくれることがあります。ただし、指導経験や責任感には個人差があります。
- プロ講師: 豊富な指導経験と専門知識を持ち、受験指導にも精通しています。様々なタイプの生徒を指導してきた経験から、的確な課題分析と指導が期待できます。その分、指名料などで料金が高くなることがあります。
どちらが良いというわけではなく、お子様がどちらのタイプの講師と接するときに、より前向きに学習に取り組めるかが重要です。
講師の変更制度があるか
どれだけ慎重に選んでも、実際に授業を受けてみたら「なんとなく合わない」と感じることはあり得ます。その際に、無料でスムーズに講師を変更できる制度があるかどうかは、必ず入塾前に確認してください。講師変更を申し出にくい雰囲気がないか、体験授業の際の教室の様子から感じ取ることも大切です。
④ カリキュラムの柔軟性をチェックする
「個別指導」を謳っていても、カリキュラムの柔軟性は塾によって大きく異なります。
- 完全オーダーメイドか: お子様の学力、目標、苦手分野に合わせて、ゼロから学習計画を立ててくれるのか。
- 既存のコースか: 塾が用意した複数のコースから選ぶ形式か。
- 使用教材: 塾のオリジナル教材か、市販の教材か、学校の教科書やワークも使用可能か。
- 進度の調整: 定期テスト前にはテスト範囲を集中して対策するなど、状況に応じた進度の調整は可能か。
特に、学校の授業の補習が目的なら教科書準拠の指導が可能か、中学受験が目的なら志望校の出題傾向に合わせた対策が可能かなど、目的に沿ったカリキュラムを組めるかを確認しましょう。
⑤ 料金体系が明確か確認する
料金の項目でも触れましたが、月々の授業料だけでなく、年間でかかる総額(トータルコスト)を把握することが極めて重要です。入塾相談の際には、以下の点をリストアップして質問し、書面で提示してもらうようにしましょう。
- 月謝(授業料)
- 入会金
- 教材費(年間でいくらか)
- 教室管理費、システム利用料など(月額か年額か)
- 季節講習費(春・夏・冬、それぞれのおおよその目安)
- 模試やテストの費用
- 追加料金が発生するケースはあるか(補講代など)
料金体系が明瞭で、質問に対して誠実に回答してくれる塾は、信頼できる塾である可能性が高いと言えます。
⑥ サポート体制の充実度を調べる
授業以外のサポート体制も、お子様の学習効果を高める上で重要な要素です。
自習室の有無と利用しやすさ
- 利用可能時間: 授業のない日や、早い時間から利用できるか。
- 環境: 静かで集中できるか。席数は十分にあるか。
- 質問対応: 自習中にわからない問題があった場合、質問できるスタッフや講師はいるか。
良い自習室は「第二の勉強部屋」になります。体験授業の際に、必ず自習室も見学させてもらいましょう。
保護者への報告・面談体制
- 報告の頻度と方法: 毎回の授業後に報告書があるのか、月に一度なのか。電話やメール、専用アプリなど、どのような方法で報告されるのか。
- 面談の頻度: 定期的な保護者面談(三者面談)は年に何回実施されるのか。
- 相談のしやすさ: 定期面談以外でも、学習相談や進路相談に随時乗ってくれるか。
塾と家庭が密に連携することで、お子様をより効果的にサポートできます。コミュニケーション体制が整っている塾を選びましょう。
⑦ 必ず無料体験授業に参加する
パンフレットやウェブサイトの情報だけで入塾を決めるのは絶対に避けるべきです。最後の、そして最も重要なステップが、無料体験授業への参加です。
体験授業では、以下の点を自分の目と耳で確認しましょう。
- 教室の雰囲気: 明るく清潔か。他の生徒は集中しているか。
- 講師の指導: 説明は分かりやすいか。お子様の表情はどうか(楽しそうか、緊張しすぎていないか)。
- 教室長の対応: 教育に関する熱意や知識があるか。質問に丁寧に答えてくれるか。
- 通塾のしやすさ: 自宅からのルートは安全か。駅からの距離はどうか。
お子様自身に「この塾なら頑張れそう」「先生の授業が楽しかった」と感じてもらうことが何よりも大切です。できれば複数の塾で体験授業を受け、比較検討することを強くおすすめします。
小学生が個別指導塾で成果を出すための注意点
無事にお子様に合った個別指導塾が見つかっても、「あとは塾にお任せ」という姿勢では、期待したほどの成果は得られないかもしれません。塾の効果を最大限に引き出し、お子様の成長に繋げるためには、ご家庭での適切な関わり方が不可欠です。ここでは、入塾後に保護者の方が心掛けたい3つの注意点について解説します。
子どもの自主性を尊重する
個別指導塾は、手厚いサポートが魅力ですが、それはあくまでお子様の学習を「補助」するものです。最終的に学力を伸ばすのは、お子様自身の「学びたい」という気持ちと行動です。
保護者の方が「塾に行かせているのだから、成績が上がって当然」と考え、結果だけを求めてしまうと、お子様は「親のために勉強させられている」と感じ、学習意欲を失ってしまう可能性があります。
大切なのは、お子様を学習の主体と捉え、その自主性を尊重することです。
- 目標設定への参加: 「次のテストで何点を目指す?」「そのためには、まず何から始めようか?」など、塾の先生と相談しながら、お子様自身に目標を決めさせましょう。自分で立てた目標だからこそ、達成しようという意欲が湧きます。
- 選択肢を与える: 塾の宿題をいつやるか、どの問題から取り組むかなど、細かな部分でもお子様に決めさせる場面を作りましょう。「やらされる」のではなく「自分で選んでやっている」という感覚が、自主性を育てます。
- 結果だけでなく過程を褒める: テストの点数という結果だけでなく、「毎日自習室に通って頑張っていたね」「苦手な問題から逃げずに挑戦したのが偉いね」など、努力の過程を具体的に認めて褒めてあげることが、次へのモチベーションに繋がります。
塾はあくまでペースメーカーであり、伴走者です。ゴールに向かって走る主役はお子様自身であるということを、親子で共有することが重要です。
塾に任せきりにしない
手厚い個別指導塾ほど、保護者の方は「プロに任せているから安心」と思いがちです。しかし、お子様のことを最も理解しているのは、日々一緒に過ごしている保護者の方です。塾と家庭が連携し、情報を共有することで、より効果的な指導が可能になります。
- 定期的な面談を有効活用する: 塾から設定される定期面談は、絶好の情報交換の場です。塾での学習の進捗状況や課題、授業中の様子などを詳しく聞きましょう。同時に、家庭での学習の様子や、お子様の最近の悩み、生活態度の変化など、家庭でしかわからない情報を塾の先生に伝えることも非常に重要です。
- 連絡は密に取る: 面談の機会を待たずとも、気になることがあれば積極的に塾に連絡を取りましょう。「最近、宿題に時間がかかりすぎているようですが」「学校の〇〇という単元で苦労しているようです」といった小さな情報が、講師の指導のヒントになることは多々あります。
- 塾からの報告に目を通す: 多くの塾では、授業報告書や連絡帳、専用アプリなどを通じて学習内容を報告してくれます。それらに必ず目を通し、「今日は分数の割り算を習ったんだね。難しかった?」など、家庭での会話のきっかけにしましょう。お子様が塾での学びを家庭でアウトプットする良い機会にもなります。
塾と家庭が同じ目標に向かう「チーム」であるという意識を持つことで、お子様は安心して学習に取り組むことができます。
家庭学習との連携を大切にする
塾での学習効果を確実なものにするためには、「塾で習ったこと」を「家庭で定着させる」サイクルを作ることが不可欠です。塾に通うだけで家庭学習がゼロになってしまっては、せっかくの学びも身につきません。
- 宿題は必ずやる: 塾から出される宿題は、授業内容を定着させるための最も重要なトレーニングです。宿題をやる習慣を徹底させましょう。もし量が多すぎたり、難しすぎたりしてお子様が一人でこなせない場合は、無理にやらせるのではなく、塾に相談して量を調整してもらうことが大切です。
- 復習の時間を確保する: 塾があった日の夜や、次の日の朝などに、5分でも10分でも良いので「今日何を習ったか」をテキストやノートを見ながら振り返る時間を作りましょう。この少しの積み重ねが、記憶の定着に大きな差を生みます。
- 学習環境を整える: お子様が集中して家庭学習に取り組めるよう、静かな学習スペースを確保したり、スマートフォンやゲームなどの誘惑を遠ざけたりする工夫も必要です。自習室の活用も、この一環として有効です。
「塾でのインプット」と「家庭でのアウトプット」。この両輪がうまく回って初めて、学力は着実に向上していきます。 塾を最大限に活用し、お子様の成長をサポートしていきましょう。
小学生の個別指導塾に関するよくある質問
最後に、小学生の個別指導塾に関して、保護者の方から特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。塾選びや入塾後の不安解消にお役立てください。
オンライン個別指導と対面授業はどちらが良いですか?
オンラインと対面にはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらがお子様に合っているかは、性格や学習目的、ご家庭の状況によって異なります。
オンライン個別指導 | 対面(通塾型)個別指導 | |
---|---|---|
メリット | ・送迎が不要で、時間と労力を節約できる ・場所を選ばず、全国の質の高い講師の授業を受けられる ・対面に比べて料金が比較的安い傾向にある ・録画機能があれば、授業を繰り返し見直せる |
・講師が隣にいるため、緊張感を保ちやすい ・生徒の表情や手元の様子を直接確認でき、細かなつまずきに気づきやすい ・自習室など、集中できる学習環境を利用できる ・同じ塾に通う仲間から刺激を受けられる |
デメリット | ・PCやタブレット、安定したネット環境が必要 ・自己管理能力がないと、集中力が途切れやすい ・実技や実験などの指導には不向き ・講師とのコミュニケーションが画面越しになる |
・送迎の手間がかかる ・通える範囲に良い塾がない場合がある ・オンラインに比べて料金が高い傾向にある ・天候や交通状況に影響されることがある |
結論として、送迎が難しいご家庭や、近くに希望する塾がない場合、費用を抑えたい場合はオンラインが有力な選択肢になります。一方で、直接的なコミュニケーションや学習環境を重視する場合、集中力に不安があるお子様の場合は対面の方が安心感があるでしょう。最近では、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型の塾も増えています。
宿題はどのくらい出ますか?
宿題の量は、塾の方針、コース、お子様の学力や目標によって大きく異なります。
一般的に、学習習慣の定着や授業内容の復習を目的として、「次の授業までに終えられる量」が課されることが多いです。例えば、週1回80分の授業であれば、30分~60分程度で終わる量の宿題が目安となります。
しかし、中学受験コースなどでは、より多くの演習量を確保するために、毎日1〜2時間かかるような宿題が出ることも珍しくありません。
重要なのは、宿題の量を調整してもらえるかという点です。個別指導塾の多くは、お子様の学習状況や他の習い事とのバランスを考慮し、宿題の量を柔軟に調整してくれます。「量が多すぎてこなせない」「逆に物足りない」と感じた場合は、遠慮なく教室長や担当講師に相談しましょう。
振替授業はできますか?
多くの個別指導塾で、振替授業に対応しています。 これも個別指導の大きなメリットの一つです。
ただし、振替のルールは塾によって様々ですので、入塾前に必ず確認が必要です。
- 連絡の期限: 「授業開始の〇時間前まで」「前日の営業時間まで」など、いつまでに連絡すれば振替が可能か。
- 振替の回数制限: 「月〇回まで」「年間〇回まで」といった制限があるか。
- 振替の有効期限: 欠席した日から「〇週間以内」「同月中」など、いつまでに振替授業を受ける必要があるか。
- 振替時の講師: 通常と同じ講師が担当してくれるか、別の講師になる場合があるか。
急な体調不良や家庭の用事は避けられないものです。柔軟な振替制度がある塾を選ぶと、月謝を無駄にすることなく、安心して通わせることができます。
途中でコースや科目の変更は可能ですか?
はい、途中でコースや受講科目を変更できるのが、個別指導塾の強みです。
例えば、
- 「算数だけを受講していたが、英語も苦手になってきたので追加したい」
- 「学校の補習コースだったが、中学受験に挑戦したくなったので受験コースに変更したい」
- 「週1回で通っていたが、テスト前なので週2回に増やしたい」
といったニーズに柔軟に対応してくれます。多くの塾では、月単位での変更が可能です。
変更を希望する場合は、まずは教室長や担当講師に相談しましょう。お子様の学習状況や目標を再確認した上で、最適なプランを提案してくれます。手続きや料金の変更点についても詳しく説明してもらえますので、納得した上で変更を決定しましょう。このようなカリキュラムの柔軟性も、塾選びの重要な判断材料の一つです。