【2024年】オンライン家庭教師おすすめ比較15選!料金や選び方も

オンライン家庭教師おすすめ比較15選、料金や選び方も解説

近年、教育のデジタル化が進む中で、学習の選択肢として「オンライン家庭教師」が大きな注目を集めています。インターネット環境さえあれば、全国どこにいても質の高い指導を受けられるこのサービスは、部活動で忙しい学生や、近隣に良い塾がない地域の学生にとって、大きな可能性を秘めています。

しかし、「オンライン家庭教師って、対面の家庭教師や塾と何が違うの?」「たくさんありすぎて、どれを選べばいいかわからない」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、オンライン家庭教師の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、料金相場、そして自分に合ったサービスの選び方まで、網羅的に解説します。さらに、2024年最新のおすすめオンライン家庭教師サービス15選を徹底比較し、それぞれの特徴を詳しくご紹介します。この記事を読めば、オンライン家庭教師に関するあらゆる疑問が解消され、お子様に最適な学習環境を見つけるための第一歩を踏み出せるはずです。

オンライン家庭教師とは?

オンライン家庭教師とは?

オンライン家庭教師とは、インターネット回線とパソコンやタブレットなどのデバイスを活用し、遠隔でマンツーマンの学習指導を受ける教育サービスです。ビデオ通話ツールを使い、講師と生徒がリアルタイムでコミュニケーションを取りながら授業を進めるのが一般的で、物理的な距離に関係なく、まるで隣に講師がいるかのような感覚で指導を受けられます。

この学習形態が急速に普及した背景には、いくつかの要因が挙げられます。まず、GIGAスクール構想に代表される教育現場のデジタル化が進み、子どもたちがタブレットやPCでの学習に慣れ親しんできたことがあります。また、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、非対面での学習ニーズが高まったことも大きな後押しとなりました。

さらに、多様化する学習ニーズに応えられる点も魅力です。例えば、「地方に住んでいるけれど、都市部の難関大学を目指したい」「特定の科目のマニアックな質問に答えてくれる専門家を探したい」「不登校気味で、自分のペースで学習を進めたい」といった、従来の学習サービスでは満たしきれなかった個別の要望に、オンライン家庭教師は柔軟に対応できます。専用のホワイトボード機能を共有して数式を書き込んだり、教材のデータを画面上で共有したりと、オンラインならではの機能を駆使して、効率的かつ効果的な学習を実現します。

対面式の家庭教師との違い

オンライン家庭教師と対面式の家庭教師は、どちらも「個別指導」という点では共通していますが、その指導形態には多くの違いがあります。それぞれの特徴を理解し、どちらがお子様の学習スタイルや家庭の状況に適しているかを判断することが重要です。

比較項目 オンライン家庭教師 対面式家庭教師
指導場所 自宅などインターネット環境があればどこでも可能 原則として生徒の自宅
講師の選択肢 全国、場合によっては海外在住の講師も選択可能 自宅に来られる範囲に住んでいる講師に限定
料金 比較的安価な傾向(交通費不要のため) 比較的高価な傾向(交通費が別途必要)
スケジュール 柔軟に調整しやすい(早朝・深夜も対応可能な場合あり) 講師の移動時間を考慮する必要があり、制約が多い
コミュニケーション 画面越しのやり取り(表情やニュアンスが伝わりにくい場合も) 直接対面でのやり取り(非言語的情報も伝わりやすい)
準備物 PC/タブレット、インターネット回線、Webカメラなど 指導を受けるスペース、筆記用具など
保護者の関与 学習の様子を隣で確認しやすい 講師と二人きりになるため、様子を把握しにくい

最大の違いは、講師の選択肢の広さです。対面式の場合、どうしても物理的に通える範囲の講師しか選べませんが、オンラインであれば地理的な制約が一切ありません。これにより、地方にいながら都心の難関大学に在籍する学生や、特定の分野に精通したプロ講師の指導を受けることが可能になります。これは、受験対策や専門的な内容を学びたい生徒にとって非常に大きなメリットと言えるでしょう。

料金面では、オンライン家庭教師は講師の交通費が発生しないため、対面式に比べて授業料が安価に設定されている傾向があります。このコストメリットにより、受講回数を増やしたり、浮いた費用を教材費や他の習い事にあてたりすることも可能です。

一方で、コミュニケーションの質には注意が必要です。対面指導であれば、生徒のちょっとした表情の変化や理解度を肌で感じ取れますが、オンラインではそれが難しい場合があります。そのため、オンライン指導に長けた、生徒の反応を的確に読み取りながら授業を進められるスキルを持った講師を選ぶことが成功のカギとなります。

オンライン塾との違い

オンライン家庭教師とよく比較されるのが「オンライン塾」です。オンライン塾には、集団授業をライブ配信するタイプや、録画された映像授業を視聴するタイプなど様々な形態がありますが、ここでは主に個別指導を行うオンライン家庭教師との違いを解説します。

比較項目 オンライン家庭教師(個別指導) オンライン塾(集団指導/映像授業)
指導形式 完全マンツーマンが基本 集団授業または録画された映像授業が中心
カリキュラム 生徒一人ひとりの目標や学力に合わせて個別に作成 決められたカリキュラムに沿って進む
質問のしやすさ 授業中いつでも気軽に質問できる 質問時間が限られる、または別途質問対応が必要
進捗管理 講師が生徒の理解度を常に把握し、ペースを調整 全体のペースで進むため、個々の理解度に合わせにくい
料金 比較的高価な傾向 比較的安価な傾向
学習効果 苦手克服や特定の目標達成に高い効果が期待できる 基礎学力の定着やライバルとの競争意識向上に効果的

最も大きな違いは、指導形式とカリキュラムの柔軟性です。オンライン家庭教師は基本的にマンツーマン指導のため、生徒の学力、目標、性格に合わせてオーダーメイドのカリキュラムを組むことができます。「数学の図形問題だけを徹底的にやりたい」「英検対策に特化した指導を受けたい」といったピンポイントな要望にも応えられます。授業中にわからないことがあればその場で質問し、理解できるまでじっくりと解説してもらえるのもマンツーマンならではの利点です。

対してオンライン塾は、あらかじめ決められたカリキュラムに沿って授業が進みます。他の生徒と一緒に学ぶことで競争意識が芽生えたり、体系的に知識をインプットしたりするのに向いています。料金も個別指導に比べて安価な場合が多いです。ただし、授業のペースは集団に合わせられるため、一度つまずくと遅れを取り戻すのが難しくなったり、逆に授業内容が簡単すぎて物足りなさを感じたりする可能性もあります。

どちらが良い・悪いということではなく、お子様の性格や学習目的に合わせて選ぶことが大切です。「自分のペースで苦手分野を徹底的に克服したい」「対話を通じて思考力を深めたい」という場合はオンライン家庭教師が、「他の生徒と切磋琢磨しながら学力を伸ばしたい」「まずは体系的に基礎を学びたい」という場合はオンライン塾が適していると言えるでしょう。

【2024年】オンライン家庭教師おすすめ比較15選

数あるオンライン家庭教師の中から、実績やサポート体制、料金などを総合的に評価し、おすすめのサービスを15社厳選しました。それぞれの特徴を比較し、お子様にぴったりのサービスを見つけるための参考にしてください。

サービス名 対象学年 講師のタイプ 料金目安(月額) 無料体験 特徴
トライのオンライン個別指導塾 小学生~高校生 学生/プロ/専任 12,540円~ 120万人の指導実績、AIによる学習診断、全国No.1の講師陣
家庭教師のアルファ 小学生~高校生 プロ家庭教師 10,560円~ 採用率5%以下の厳選されたプロ講師、オーダーメイドカリキュラム
オンライン家庭教師のネッティー 小学生~高校生 学生/プロ 11,000円~ 首都圏最大級の家庭教師センター「名門会」が母体
スタディコーチ 中学生~高校生 現役東大生/早慶生 25,000円~ 現役難関大生による学習コーチング、受験に特化
個別指導WAM 小学生~高校生 学生/プロ 9,350円~ AIを活用した個別カリキュラム、専用の学習管理アプリ
家庭教師のピース 幼児~高校生 学生/プロ/社会人 8,800円~ リーズナブルな料金設定、不登校サポートにも注力
メガスタ 小学生~高校生 学生/プロ 18,800円~ 要問合せ 大学受験・私立専門、AIを活用した成績が上がる仕組み
オンライン家庭教師 e-Live 小学生~高校生 学生中心 9,600円~ 兄弟同時指導がお得、独自のやる気アップメソッド
家庭教師ファースト 幼児~高校生 学生/プロ 9,900円~ 入会金0円、講師交代無料、全国47都道府県対応
マナリンク 小学生~高校生 プロ/社会人 講師により異なる 講師を自分で選べるマーケットプレイス型、単発受講も可能
そら塾 小学生~高校生 学生中心 13,200円~ 週2回以上の受講が基本、反復学習を重視した指導
サブスタ 小学生・中学生 プロ講師 4,980円~ 動画教材とオンライン個別指導のハイブリッド型
東大毎日塾 中学生~高校生 現役東大生 24,000円~ 365日LINEで質問し放題、東大生による学習管理
Axisオンライン 小学生~高校生 学生/プロ 15,120円~ 全国展開の学習塾が母体、豊富な指導ノウハウ
オンラインプロ教師のメガ受験 高校生(大学受験) プロ家庭教師 31,020円~ 要問合せ 大学受験に特化したプロ家庭教師、医学部受験にも対応
※料金は2024年6月時点の各公式サイトの情報に基づき、最も基本的なプランの目安を記載しています。学年やコースによって異なりますので、詳細は公式サイトでご確認ください。

① トライのオンライン個別指導塾

「家庭教師のトライ」で知られるトライグループが運営するオンラインサービスです。最大の強みは、120万人を超える指導実績に裏打ちされた豊富なノウハウと、全国No.1を謳う登録講師陣の質と量です。厳しい採用基準をクリアした多彩な講師の中から、お子様の目標や性格に最適な一人を見つけられます。

AIによる学習診断を用いて、単元ごとの理解度を正確に分析し、一人ひとりに最適化されたカリキュ-タラムを作成。効率的に苦手分野を克服できます。また、授業がない日も担当の教育プランナーが学習計画の管理や進捗確認を行うなど、サポート体制が非常に手厚いのが特徴です。

参照:トライのオンライン個別指導塾 公式サイト

② 家庭教師のアルファ

採用率5%以下という厳しい基準を突破したプロ家庭教師のみが在籍しているのが「家庭教師のアルファ」の大きな特徴です。学生講師は一切おらず、指導経験豊富な社会人講師による質の高い授業を受けられます。

完全オーダーメイドのカリキュラムで、定期テスト対策から中学・高校・大学受験対策、不登校の生徒へのサポートまで幅広く対応。指導の質を重視し、確実な学力アップを目指したい家庭におすすめです。無料体験授業で、プロの指導力を直接体感できます。

参照:家庭教師のアルファ 公式サイト

③ オンライン家庭教師のネッティー

首都圏最大級の家庭教師センター「名門会」のオンライン指導部門としてスタートしたサービスです。長年の指導実績とノウハウを活かし、質の高いオンライン指導を提供しています。

講師は現役の大学生から経験豊富なプロ家庭教師まで幅広く在籍。独自の研修を受けた講師が、オンラインでのコミュニケーションに配慮した分かりやすい授業を展開します。対面指導への切り替えも可能なため、夏休みなどの長期休暇だけ対面で集中特訓するといった柔軟な使い方ができるのも魅力です。

参照:オンライン家庭教師のネッティー 公式サイト

④ スタディコーチ

現役の東大生や早慶生が専属コーチとなり、学習計画の立案から実行までを徹底的にサポートする、受験に特化したサービスです。単に教科を教えるだけでなく、合格から逆算した効率的な学習戦略を伝授し、生徒の自学自習の質を高めることを目指します。

毎日のチャットでの学習報告や質問対応、週1回のオンライン面談を通じて、学習の進捗を細かく管理。合格を勝ち取った先輩のリアルな経験に基づいたアドバイスは、受験生の大きなモチベーションになります。難関大学を目指す中高生に特におすすめです。

参照:スタディコーチ 公式サイト

⑤ 個別指導WAM

全国に教室を展開する「個別指導WAM」のオンラインサービスです。AIを活用して生徒一人ひとりの学力を詳細に分析し、最適な個別カリキュラムを作成します。これにより、苦手な単元や見落としがちな弱点を効率的に発見し、克服できます。

専用の学習管理アプリ「WAMNET」を使えば、宿題の管理や授業の予約、学習の進捗状況などを保護者も簡単に確認できます。対面指導で培ったノウハウをオンライン指導に活かしており、安定した品質の授業が期待できます。

参照:個別指導WAM 公式サイト

⑥ 家庭教師のピース

入会金0円、月額8,800円からというリーズナブルな料金設定が魅力のオンライン家庭教師サービスです。全国各地の国公立・有名私立大学の学生講師が多数在籍しており、質の高い指導を低価格で提供しています。

勉強が苦手な子どもの気持ちに寄り添うことを大切にしており、不登校の生徒へのサポートにも力を入れています。講師との相性が合わない場合は無料で交代できるなど、生徒が安心して学習を続けられる環境づくりに配慮されています。

参照:家庭教師のピース 公式サイト

⑦ メガスタ

私立校の生徒や大学受験生を専門とするオンライン家庭教師です。特に大学受験対策に定評があり、AO・推薦入試から一般入試まで、あらゆる受験形式に対応した指導を行っています。

生徒の表情や手元を2台のカメラで映し出す独自のシステムや、AIを活用した問題採点システムなど、オンラインで成果を出すための仕組みが充実しています。合格実績豊富なプロ講師やトップレベルの学生講師による、戦略的な受験指導を受けたい生徒に最適です。

参照:メガスタ 公式サイト

⑧ オンライン家庭教師 e-Live

「教える」「褒める」「励ます」を組み合わせた独自の指導法で、生徒のやる気を引き出すことを重視しているサービスです。勉強が嫌い、苦手意識があるというお子様でも、楽しく学習を続けられるような工夫が凝らされています。

また、兄弟姉妹が2人同時に指導を受けても追加料金がかからない「兄弟同時指導割引」は、複数の子どもがいる家庭にとって大きなメリットです。アットホームな雰囲気で、生徒に寄り添った指導を求めている場合におすすめです。

参照:オンライン家庭教師 e-Live 公式サイト

⑨ 家庭教師ファースト

全国47都道府県に対応し、入会金0円、講師の交代も無料という利用しやすさが特徴です。料金体系もシンプルで分かりやすく、安心して始められます。

講師は学力試験や面接をクリアした質の高い人材が揃っており、生徒の希望に応じて様々なタイプの講師を紹介してくれます。学習習慣の定着から受験対策まで、幅広いニーズに対応できる柔軟性も魅力の一つです。

参照:家庭教師ファースト 公式サイト

⑩ マナリンク

講師が自身のプロフィールや指導実績、料金を公開し、生徒が直接講師を選んで契約する「マーケットプレイス型」のサービスです。他のサービスと異なり、運営会社が講師を割り当てるのではなく、自分で講師を探せるのが最大の特徴です。

各講師の指導コースや料金は様々で、月額制だけでなく1回のみの単発受講も可能。「テスト前の1回だけ、この単元を教えてほしい」といったスポット的な利用にも対応できます。講師の動画プロフィールを見て、指導の雰囲気を確認してから選べるのも安心です。

参照:マナリンク 公式サイト

⑪ そら塾

週2回以上の受講を基本とし、反復学習を重視することで学力の定着を図るオンライン個別指導塾です。毎回の授業で「インプット(解説)」と「アウトプット(演習)」を繰り返し、理解を深めていきます。

全国の塾で導入されている学習システム「atama+」を利用することもでき、AIが生徒の弱点を分析して最適な問題を出題してくれます。リーズナブルな料金で、学習量を確保し、着実に成績を上げたい生徒に向いています。

参照:そら塾 公式サイト

⑫ サブスタ

プロ講師による分かりやすい映像授業と、現役の難関大学生によるオンライン個別指導を組み合わせたハイブリッド型のサービスです。基本は映像授業で学習を進め、わからない部分を週1回の個別指導で質問・解決するというスタイルです。

この形式により、月額4,980円からという業界でもトップクラスの低価格を実現しています。まずは自分のペースで学習を進め、必要な時だけサポートを受けたいという、自立心の高い小中学生におすすめです。

参照:サブスタ 公式サイト

⑬ 東大毎日塾

その名の通り、現役の東大生講師による指導に特化したサービスです。週1回の個別指導に加え、365日いつでもLINEで質問し放題という手厚いサポートが最大の特徴です。

日々の学習で生じた疑問をすぐに解消できるため、学習効率が飛躍的に向上します。また、専属の東大生コーチが学習計画の管理や進捗のチェックも行い、受験勉強をトータルでサポートしてくれます。東大をはじめとする最難関大学を目指す中高生にとって、心強い味方となるでしょう。

参照:東大毎日塾 公式サイト

⑭ Axisオンライン

全国に470校以上の校舎を持つ大手個別指導塾「能開センター・個別指導Axis」が運営するオンラインサービスです。長年の指導で培った豊富な受験情報と指導ノウハウが最大の強みです。

指導を行う講師とは別に、教育プランナーが進路指導や学習相談に対応。志望校合格に向けたきめ細やかなサポートを受けられます。全国の学校の出題傾向を分析した対策も可能で、地域に密着した受験対策をオンラインで受けたい場合に最適です。

参照:Axisオンライン 公式サイト

⑮ オンラインプロ教師のメガ受験

大学受験に完全特化した、プロ家庭教師によるオンライン指導サービスです。「メガスタ」の大学受験部門が独立した形で、より専門性の高い指導を提供しています。

医学部、歯学部、薬学部などの難関学部受験や、早慶上理、GMARCHといった難関私大対策に強みを持っています。偏差値を20以上アップさせた実績など、逆転合格を目指す生徒を数多く指導してきたプロフェッショナル集団です。本気で第一志望合格を目指す受験生のための、最高峰の指導が受けられます。

参照:オンラインプロ教師のメガ受験 公式サイト

オンライン家庭教師の5つのメリット

居住地に関わらず質の高い講師の授業が受けられる、対面式より料金が安い傾向にある、自宅で受講でき送り迎えが不要、スケジュール調整がしやすい、学習の様子を保護者が確認しやすい

オンライン家庭教師には、従来の対面指導や塾にはない多くのメリットがあります。ここでは、その中でも特に代表的な5つのメリットについて、具体的に解説していきます。

① 居住地に関わらず質の高い講師の授業が受けられる

オンライン家庭教師の最大のメリットは、地理的な制約が一切ないことです。お住まいの地域に関係なく、全国、場合によっては海外にいる優秀な講師の指導を受けることができます。

例えば、地方に住んでいて、近くに希望するレベルの塾や家庭教師がいないという悩みは珍しくありません。特に難関大学の受験対策となると、都市部と地方では得られる情報や指導の質に差が生まれがちです。しかし、オンライン家庭教師を利用すれば、地方の自宅にいながら、東京大学や京都大学といった最難関大学に在籍する現役学生の指導を受けることが可能になります。実際にその大学に合格した先輩から、リアルな受験戦略や勉強法、大学生活の話を聞くことは、生徒にとって計り知れないモチベーションとなるでしょう。

また、特定の科目や分野に特化した専門家を探せるのも大きな利点です。例えば、「物理の電磁気の分野だけがどうしても苦手」「小論文の書き方を専門的に指導してほしい」「海外大学進学のための英語面接対策をしたい」といったニッチな要望にも応えてくれる講師を見つけやすくなります。これは、講師の選択肢が近隣に限られる対面式の家庭教師では非常に難しいことです。お子様の目標や課題にピンポイントで合致する「最高の先生」と出会える可能性が、オンラインには広がっています。

② 対面式より料金が安い傾向にある

一般的に、オンライン家庭教師は対面式の家庭教師に比べて、授業料が安価に設定されている傾向があります。その理由は主に二つです。

一つ目は、講師の交通費が不要であること。対面式の場合、生徒の自宅までの往復交通費が授業料とは別に請求されるのが一般的です。講師の移動時間も考慮すると、時給換算で高めに設定せざるを得ない事情もあります。オンラインではこれらのコストが一切かからないため、その分が授業料に還元され、保護者の負担を軽減します。

二つ目は、教室などの設備維持費がかからないこと。家庭教師センターや塾は、事務所や教室の家賃、光熱費、事務スタッフの人件費といった運営コストがかかりますが、オンラインに特化したサービスはこれらの固定費を大幅に削減できます。このコストカット分も、リーズナブルな料金設定に繋がっています。

料金が抑えられることで、様々なメリットが生まれます。例えば、同じ予算でも受講回数を増やすことができ、学習習慣の定着や苦手科目の集中特訓に繋がります。また、他の習い事や部活動との両立もしやすくなり、お子様の可能性を広げることにも貢献します。コストパフォーマンスの高さは、オンライン家庭教師を選ぶ上で非常に大きな魅力と言えるでしょう。

③ 自宅で受講でき送り迎えが不要

オンライン家庭教師は、インターネット環境さえあれば自宅がそのまま教室になります。これにより、保護者の送迎の負担が完全になくなるという、非常に大きなメリットが生まれます。

共働きの家庭が増える現代において、仕事や家事で忙しい中、週に何度も塾への送り迎えをするのは大変な負担です。特に、夜遅くに授業が終わる場合、子どもの安全面も心配になります。オンライン家庭教師であれば、これらの悩みから解放されます。保護者は時間的にも精神的にも余裕を持つことができ、その分、お子様とのコミュニケーションや他の家事に時間を使うことができます。

また、お子様自身にとっても、通塾にかかる移動時間を節約できるのは大きな利点です。往復で1時間かかっていた場合、その時間を丸ごと勉強や休憩、趣味の時間にあてることができます。体力の消耗も防げるため、授業に集中しやすくなる効果も期待できます。自宅という慣れた環境でリラックスして学習できるため、人見知りや場所見知りをするタイプのお子様でも、安心して授業に臨めるでしょう。

④ スケジュール調整がしやすい

時間的な制約が少なく、柔軟にスケジュールを組めるのもオンライン家庭教師の強みです。対面式の家庭教師や塾の場合、講師の移動時間や教室の開校時間を考慮する必要があるため、授業を受けられる時間帯が限られてしまいます。

しかし、オンラインであれば講師の移動時間がないため、早朝や夜遅い時間帯でも授業を設定しやすいのが特徴です。例えば、「部活動が終わって帰宅してから、21時から授業を受けたい」「朝練の前に、早朝に30分だけ集中して勉強したい」といった要望にも対応できるサービスが多くあります。

この柔軟性は、多忙な現代の学生にとって非常に価値があります。部活動、習い事、学校行事など、様々な予定がある中で、学習時間を確保するのは簡単ではありません。オンライン家庭教師なら、自分のライフスタイルに合わせて無理なく学習を継続できます。また、急な体調不良や学校行事で授業を受けられなくなった場合でも、振替授業に柔軟に対応してくれるサービスが多いのも嬉しいポイントです。スケジュール管理のストレスが減ることで、学習そのものに集中しやすくなります。

⑤ 学習の様子を保護者が確認しやすい

「家庭教師を頼んだけど、密室でどんな指導が行われているのかわからない」という不安を抱く保護者の方は少なくありません。その点、オンライン家庭教師は保護者がお子様の学習状況を把握しやすいというメリットがあります。

リビングなどのオープンスペースで授業を受ければ、保護者は少し離れた場所からでも、お子様がどんな表情で授業を受けているか、講師とどのようなやり取りをしているかを自然に確認できます。講師の声が聞こえることで、指導の丁寧さや分かりやすさも判断できるでしょう。これにより、指導内容の透明性が確保され、安心してサービスを利用できます。

また、多くのオンライン家庭教師サービスでは、授業後に指導報告書がオンラインで送られてきます。その日の学習内容、お子様の理解度、課題、講師からのコメントなどが詳細に記載されており、学習の進捗状況を客観的に把握できます。サービスによっては、定期的に保護者面談を実施し、学習プランや進路について相談する機会を設けているところもあります。このように、講師や運営側と密に連携を取りながら、二人三脚でお子様の学習をサポートできる点も、オンライン家庭教師の大きな利点です。

オンライン家庭教師の4つのデメリット

パソコンやインターネット環境の準備が必要、対面よりコミュニケーションが難しい場合がある、モチベーションの維持が課題になることがある、実技科目の指導には向いていない

多くのメリットがあるオンライン家庭教師ですが、もちろんデメリットや注意点も存在します。事前にこれらを理解し、対策を講じることで、失敗のリスクを減らすことができます。

① パソコンやインターネット環境の準備が必要

オンライン家庭教師を始めるためには、ご家庭で受講に必要な機材と安定したインターネット環境を整える必要があります。これは、オンラインならではの最初のハードルと言えるでしょう。

具体的に必要となるのは、主に以下の3点です。

  1. デバイス:パソコン、タブレット、またはスマートフォン。画面が大きく、文字の読み書きがしやすいパソコンかタブレットが推奨されます。
  2. インターネット回線:映像と音声をスムーズにやり取りするため、安定した速度の光回線が理想です。通信速度が遅いと、映像が途切れたり音声が遅れたりして、授業の質が著しく低下する可能性があります。
  3. 周辺機器:Webカメラとマイク付きイヤホン(またはヘッドセット)。多くのパソコンにはカメラとマイクが内蔵されていますが、よりクリアな音声でコミュニケーションを取るためには、外付けのものを準備することをおすすめします。イヤホンを使うことで、周囲の雑音を遮断し、授業に集中しやすくなります。

これらの機材を揃えるための初期費用がかかる点がデメリットの一つです。また、授業中に「インターネットに繋がらない」「音声が聞こえない」といった機材トラブルが発生した場合、ご家庭で一次対応をする必要があります。機械の操作が苦手な方にとっては、これがストレスになる可能性も否定できません。

【対策】

  • 機材レンタルサービスの活用:一部のオンライン家庭教師サービスでは、タブレットなどの機材をレンタルできる場合があります。初期費用を抑えたい場合は、こうしたサービスがあるか確認してみましょう。
  • サポート体制の確認:入会前に、機材トラブルが発生した際のサポート体制について確認しておくことが重要です。電話やチャットで迅速に対応してくれるサービスを選ぶと安心です。
  • 無料体験授業でのチェック:無料体験授業は、指導内容だけでなく、ご家庭の通信環境や機材で問題なく受講できるかを確認する絶好の機会です。実際に使ってみて、映像や音声に問題がないか必ずチェックしましょう。

② 対面よりコミュニケーションが難しい場合がある

画面越しのコミュニケーションは、対面でのやり取りに比べて非言語的な情報(表情の細かな変化、視線、身振り手振りなど)が伝わりにくいという側面があります。これにより、コミュニケーションに課題が生じる場合があります。

例えば、講師は生徒が本当に理解しているのか、表情から読み取りにくいことがあります。生徒側も、少し分かりにくいと感じた時に、対面であればすぐに空気を察して講師が補足してくれるような場面でも、オンラインでは自ら「わかりません」と発信しないと、そのまま授業が進んでしまう可能性があります。特に、内気で自分から質問するのが苦手なお子様の場合、この点がハードルになることがあります。

また、手元を映すカメラがない場合、生徒がノートに書いている内容を講師がリアルタイムで確認し、計算ミスやスペルミスをその場で指摘することが難しくなります。このような細かな指導の積み重ねが、学力向上には重要です。

【対策】

  • オンライン指導に長けた講師を選ぶ:オンライン家庭教師サービス側もこの課題は認識しており、オンラインでのコミュニケーションスキルに関する研修を講師に行っている場合が多いです。生徒の反応を注意深く観察し、積極的に質問を投げかけてくれるような、双方向のコミュニケーションを意識して指導できる講師を選ぶことが重要です。
  • 体験授業で相性を確認:「話しやすいか」「質問しやすい雰囲気か」「説明は分かりやすいか」といった点を、お子様自身の感覚で判断してもらうことが何よりも大切です。複数のサービスの体験授業を受け、最もコミュニケーションが取りやすいと感じた講師やサービスを選びましょう。
  • 手元を映す書画カメラの活用:必要に応じて、ノートなどを映すための書画カメラ(USBカメラ)を導入すると、指導の質が向上します。サービスによっては推奨している場合もあります。

③ モチベーションの維持が課題になることがある

自宅というリラックスできる環境で学習することは、メリットであると同時に、学習への集中力やモチベーションを維持するのが難しいというデメリットにもなり得ます。

塾のように周りに他の生徒がいる環境では、自然と「自分も頑張ろう」という競争意識や適度な緊張感が生まれます。しかし、オンライン家庭教師は基本的に講師と一対一であり、自分の部屋で受講する場合が多いため、学習モードへの切り替えがうまくいかないことがあります。すぐ近くに漫画やゲーム、ベッドといった誘惑が多いのも事実です。

また、明確な目標がないまま何となく授業を受けていると、次第にマンネリ化し、学習意欲が低下してしまうリスクもあります。講師との相性が良くない場合も、モチベーションの低下に直結します。

【対策】

  • 学習環境を整える:授業を受ける前には、机の上を整理し、スマートフォンや漫画など、勉強の妨げになるものは視界に入らない場所に置く、というルールを決めましょう。授業を受ける場所を「勉強するためのスペース」として明確に区切ることも効果的です。
  • 目標設定と進捗の可視化:講師や保護者と一緒に、「次のテストで数学を80点以上取る」「英検3級に合格する」といった具体的で測定可能な目標を設定しましょう。目標達成までの計画を立て、進捗を定期的に確認することで、モチベーションを維持しやすくなります。
  • 定期的なカウンセリングの活用:多くのサービスでは、講師とは別に学習プランナーやカウンセラーがいます。学習の悩みやモチベーションの低下について相談できるサポート体制が整っているかを確認し、積極的に活用しましょう。保護者からも、日々の頑張りを認め、具体的に褒める声かけをすることが大切です。

④ 実技科目の指導には向いていない

オンライン指導は、主に国語、数学、英語、理科、社会といった座学中心の教科に適した学習方法です。一方で、音楽の楽器演奏、美術のデッサン、体育といった実技系の科目の指導には限界があります。

例えば、ピアノの指の形や力の入れ具合、ヴァイオリンの弓の角度といった細かな身体の使い方は、画面越しでは正確に伝えるのが非常に困難です。美術においても、絵の具の微妙な色の混ざり具合や質感などを、画面の解像度や色味の違いを超えて指導するのは簡単ではありません。

また、理科の実験や観察も、オンラインでは講師が準備した映像を見ることはできても、生徒自身が実際に手を動かして試行錯誤する体験はできません。五感を使った学習が重要な科目においては、オンライン指導は対面指導に劣る部分があると言わざるを得ません。

【対策】

  • 指導科目を見極める:オンライン家庭教師を利用する際は、指導を希望する科目がオンライン指導に適しているかを冷静に判断する必要があります。主要5教科の学力アップを目的とするのであれば非常に有効な手段ですが、実技系の上達を目指す場合は、対面のレッスンや教室に通うことを検討する方が良いでしょう。
  • オンラインの利点を活かす:ただし、実技系科目でも、知識面のサポートであればオンラインは有効です。例えば、音楽理論や美術史の学習、体育のルールや戦術の理解といった分野では、オンライン家庭教師が役立つ場面もあります。目的を明確にし、学習方法を使い分けることが重要です。

オンライン家庭教師の料金相場

オンライン家庭教師を選ぶ上で、料金は最も気になるポイントの一つです。ここでは、学年別の料金相場と、月謝以外に発生する可能性のある諸費用について詳しく解説します。

学年別の料金相場

オンライン家庭教師の月額料金は、お子様の学年、指導時間や頻度、講師のレベル(学生講師かプロ講師か)によって大きく変動します。以下は、週1回・60分の指導を受けた場合の一般的な料金相場です。

学年 料金相場の目安(月額) 特徴
小学生 10,000円 ~ 25,000円 学習習慣の定着が主な目的。中学受験対策になると高額になる傾向。
中学生 15,000円 ~ 35,000円 定期テスト対策、高校受験対策が中心。指導内容の専門性が上がり、料金も上がる。
高校生 20,000円 ~ 45,000円 大学受験対策がメイン。志望校のレベルや指導科目数、プロ講師の指名などで料金が大きく変動。

小学生の月額料金

小学生の場合、学習習慣の定着や学校の授業の補習を目的とする場合は、月額10,000円~20,000円程度が相場です。比較的リーズナブルな学生講師が担当することが多いです。
一方、中学受験対策となると、指導内容の専門性が格段に上がるため、料金も高くなります。プロ講師が担当する場合が多く、月額25,000円以上になることも珍しくありません。志望校のレベルや対策する科目数によって料金は変動します。

中学生の月額料金

中学生は、定期テスト対策や内申点アップ、高校受験対策が主な目的となり、料金相場は月額15,000円~35,000円程度です。公立高校の受験対策であれば比較的安価なプランで対応できることが多いですが、難関私立高校や国立高校を目指す場合は、指導経験豊富な講師が必要となるため料金は高くなる傾向があります。複数科目の指導を希望すると、その分料金も加算されます。

高校生の月額料金

高校生の指導は、大学受験対策が中心となるため、最も料金が高くなります。相場は月額20,000円~45,000円程度ですが、これはあくまで目安です。
一般的な大学の共通テスト対策や推薦入試対策であれば相場の範囲内に収まることが多いですが、医学部や最難関大学の二次試験対策など、極めて高度な専門性が求められる場合は、月額50,000円を超えることもあります。実績のあるプロ講師を指名すると、さらに高額になります。料金は志望校のレベルと直結すると考えてよいでしょう。

月謝以外にかかる諸費用

オンライン家庭教師の費用を検討する際は、月々の授業料(月謝)だけでなく、それ以外にかかる諸費用も必ず確認する必要があります。見落としていると、最終的な総額が想定よりも高くなってしまうことがあります。

主な諸費用

  • 入会金:多くのサービスで設定されており、相場は10,000円~20,000円程度です。キャンペーンなどで無料になる場合もあるので、公式サイトをこまめにチェックしましょう。
  • 教材費:サービスによって対応が分かれます。市販の教材を使う場合は実費負担、サービス独自の教材を使う場合は別途購入またはレンタル料が必要になることがあります。教材費が授業料に含まれている場合もあります。
  • システム利用料・管理費:独自の学習システムや管理ツールを提供しているサービスで、月々1,000円~3,000円程度の費用が発生することがあります。授業料とは別にかかる固定費なので、必ず確認しましょう。
  • 講師の指名料・交代手数料:特定の講師を指名する場合や、一度決まった講師を交代する際に、追加料金が発生する場合があります。無料で対応してくれるサービスも多いですが、規定は様々です。
  • 機材レンタル料:パソコンやタブレットをレンタルする場合にかかる費用です。

料金を比較する際は、これらの諸費用をすべて含めた「年間の総額」で考えることが非常に重要です。一見、月謝が安く見えても、諸費用が高く設定されているケースもあります。無料体験やカウンセリングの際に、料金体系について詳細な説明を受け、見積もりをもらうことを強くおすすめします。

失敗しないオンライン家庭教師の選び方7つのポイント

目的や学年で選ぶ、指導形式で選ぶ、講師のタイプで選ぶ、講師の交代や指名制度の有無で選ぶ、サポート体制で選ぶ、料金プランで選ぶ、無料体験授業の有無で選ぶ

数多くのサービスの中から、本当にお子様に合ったオンライン家庭教師を見つけるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、失敗しないための7つの選び方を詳しく解説します。

① 目的や学年で選ぶ

まず最初に明確にすべきなのは、「何のためにオンライン家庭教師を利用するのか」という目的です。目的によって、選ぶべきサービスやコースは大きく異なります。

  • 苦手科目の克服:特定の単元でつまずいている場合、その分野の指導に定評のある講師を探せるサービスや、AI診断で弱点を的確に分析してくれるサービスがおすすめです。
  • 学習習慣の定着:勉強のやり方から教えてほしい、という場合は、褒めて伸ばすタイプの講師や、学習計画の管理までサポートしてくれるサービスが良いでしょう。
  • 定期テスト・内申点対策:通っている学校の教科書や進度に合わせた指導をしてくれるか、過去問対策に対応しているかが重要になります。地域密着型の塾が母体のサービスは、この点に強い傾向があります。
  • 中学・高校・大学受験対策:受験対策は最も専門性が求められる分野です。志望校のレベルや入試形式(一般、推薦、AOなど)に合わせた指導実績が豊富なサービスを選びましょう。特に難関校を目指す場合は、合格実績を公開しているか、専門のプロ講師が在籍しているかが重要な判断基準となります。

また、小学生、中学生、高校生といった学年ごとにも、適したサービスは異なります。小学生向けのサービスは楽しく学べる工夫が凝らされていることが多く、高校生向けはより専門的で戦略的な指導が中心となります。

② 指導形式で選ぶ

オンライン家庭教師の指導形式は、主に「1対1のマンツーマン指導」ですが、サービスによっては「1対2~3の個別指導」や「少人数のグループ指導」の形式もあります。それぞれの特徴を理解し、お子様の性格に合った形式を選びましょう。

  • マンツーマン指導(1対1)最も主流な形式です。講師を独占できるため、質問がしやすく、お子様のペースに合わせてきめ細やかな指導を受けられます。苦手克服や受験対策など、特定の目標達成に最も効果的です。
  • 個別指導(1対2など):講師1人が生徒2人などを同時に指導する形式です。一人の生徒が演習問題に取り組んでいる間にもう一人の生徒を指導する、といった形で進められます。マンツーマンより料金が安価な傾向にありますが、講師に質問できる時間は限られます。
  • グループ指導:少人数の生徒が一緒に授業を受ける形式です。他の生徒の存在が良い刺激になり、競争心が芽生えることがあります。ただし、個別の質問はしにくくなります。

基本的には、オンライン家庭教師のメリットを最大限に活かせるマンツーマン指導がおすすめですが、お子様の性格や予算に応じて他の形式も検討してみましょう。

③ 講師のタイプで選ぶ

講師のタイプは、大きく「学生講師」と「プロ講師」に分かれます。どちらが良いかは、目的や求めるものによって異なります。

  • 学生講師:現役の大学生や大学院生が中心です。年齢が近いため、生徒にとっては親しみやすいお兄さん・お姉さんのような存在になりやすく、勉強以外の悩みも相談しやすいというメリットがあります。特に、同じ大学を目指している生徒にとっては、身近なロールモデルとなります。料金もプロ講師に比べてリーズナブルです。
  • プロ講師:指導を専門の職業としている社会人講師です。豊富な指導経験と高い専門知識、そして受験に関する情報量が最大の強みです。生徒の学力や性格を的確に見抜き、最適な学習法を提案する能力に長けています。料金は高くなりますが、確実に成果を出したい場合や、難関校受験、医学部受験などではプロ講師を選ぶのが賢明です。

この他に「社会人講師」というカテゴリもあり、これは指導を本業とはしていないものの、社会経験のある講師を指します。サービスを選ぶ際には、どのようなタイプの講師が在籍しているかを確認しましょう。

④ 講師の交代や指名制度の有無で選ぶ

講師との相性は、学習効果を左右する最も重要な要素の一つです。どれだけ優秀な講師でも、お子様との相性が悪ければモチベーションは上がらず、成績も伸び悩んでしまいます。

そのため、「講師の交代制度」があるかどうかは必ず確認してください。多くのサービスでは無料で講師の交代に対応していますが、中には回数制限があったり、手数料がかかったりする場合があります。「合わないと感じたら、気兼ねなく交代を申し出られるか」という点は、安心してサービスを続ける上で非常に重要です。

また、「講師の指名制度」の有無もチェックしましょう。特定の大学の講師や、特定の指導経験を持つ講師を指名できるサービスもあります。体験授業で教えてもらった講師が気に入った場合に、その講師を指名して継続できるかどうかも確認しておくと良いでしょう。

⑤ サポート体制で選ぶ

授業を担当する講師だけでなく、運営本部によるサポート体制が充実しているかも重要な選択基準です。

  • 学習プランナー・カウンセラーの存在:授業とは別に、学習計画の作成や進捗管理、進路相談などに応じてくれる専門スタッフがいると心強いです。定期的な面談を通じて、学習全体の方向性を確認し、修正してくれます。
  • トラブル対応:PCの操作やシステムの不具合など、技術的なトラブルが発生した際に、迅速に対応してくれるサポートデスクがあるかを確認しましょう。
  • 保護者との連携:指導報告書の提出頻度や内容、保護者面談の有無など、家庭との連携を密に取ってくれるかもチェックポイントです。お子様の学習状況を共有し、家庭でのサポートに活かすことができます。

講師個人の力だけに頼るのではなく、組織として生徒をバックアップしてくれる体制が整っているサービスを選ぶと、より安心して任せることができます。

⑥ 料金プランで選ぶ

前述の「料金相場」でも触れましたが、料金を比較する際は、月謝だけでなく、入会金や教材費、システム利用料などを含めた「総額」で判断することが不可欠です。

料金プランの形式も様々です。

  • 従量課金制:受けた授業のコマ数に応じて料金が決まる、最も一般的なプランです。
  • 月額固定制:毎月決まった料金で、規定の回数の授業を受けられるプランです。
  • パッケージプラン:「受験対策パック」のように、一定期間の授業がセットになっているプランです。

ご家庭の予算と、どのくらいの頻度で指導を受けたいかを考え、最もコストパフォーマンスの良いプランを選びましょう。料金体系が明確で、わかりやすいWebサイトや資料を提示しているサービスは、信頼性が高いと言えます。

⑦ 無料体験授業の有無で選ぶ

最終的な決定を下す前に、必ず「無料体験授業」を受けましょう。これは、オンライン家庭教師選びで最も重要なステップです。

Webサイトやパンフレットだけではわからない、実際の指導の雰囲気やクオリティを肌で感じることができます。体験授業では、以下の点を重点的にチェックしましょう。

  • 講師との相性:お子様が「話しやすい」「質問しやすい」と感じるか。
  • 指導の分かりやすさ:説明は論理的で、お子様のレベルに合っているか。
  • システムの使いやすさ:ホワイトボード機能やチャット機能は直感的に使えるか。
  • 通信の安定性:映像や音声は途切れないか。

できれば、2~3社の無料体験授業を受けて比較検討するのが理想です。実際に体験することで、それぞれのサービスの長所・短所が明確になり、最もお子様に合ったサービスを自信を持って選べるようになります。

オンライン家庭教師の利用開始までの4ステップ

問い合わせ・資料請求、学習相談・無料体験授業、入会手続き・契約、授業開始

実際にオンライン家庭教師を始めたいと思ったら、どのような流れで進んでいくのでしょうか。ここでは、問い合わせから授業開始までの一般的な4つのステップを解説します。

① 問い合わせ・資料請求

まずは、この記事の比較表や選び方を参考に、気になるオンライン家庭教師サービスをいくつかピックアップします。そして、それぞれの公式サイトにアクセスし、問い合わせフォームや電話で資料請求を行いましょう。

資料には、料金プランの詳細、コース内容、在籍講師の紹介など、Webサイトだけでは得られない詳しい情報が記載されていることが多いです。複数のサービスの資料を取り寄せて比較検討することで、それぞれの特徴がより明確になります。この段階で、不明点や疑問点をリストアップしておくと、次のステップがスムーズに進みます。

② 学習相談・無料体験授業

資料を見てさらに興味が湧いたら、次は学習相談(カウンセリング)と無料体験授業を申し込みます。多くのサービスでは、専門の学習プランナーやカウンセラーが、電話やオンライン面談で対応してくれます。

この学習相談では、お子様の現在の学習状況、成績、目標、悩みなどを具体的に伝えましょう。それに基づいて、最適な学習プランやコース、講師のタイプなどを提案してくれます。ここで、料金体系やサポート体制について、リストアップしておいた質問をぶつけて、疑問点をすべて解消しておくことが重要です。

そして、いよいよ無料体験授業です。実際の授業と同じ形式で、講師の指導を体験します。お子様自身が「この先生なら頑張れそうか」「授業は分かりやすいか」を判断する最も大切な機会です。保護者の方もできるだけ同席し、講師の雰囲気やシステムの操作性を確認しましょう。

③ 入会手続き・契約

無料体験授業と学習相談の内容に納得できたら、入会手続きに進みます。Web上のフォームで手続きが完了する場合もあれば、郵送での書類のやり取りが必要な場合もあります。

契約前には、必ず契約書や利用規約の隅々まで目を通しましょう。特に、以下の点は再確認が必要です。

  • 料金(入会金、授業料、その他諸費用)と支払い方法
  • 契約期間と更新のルール
  • 解約・退会時の条件(違約金の有無、手続き方法など)
  • 授業の振替ルール
  • 個人情報の取り扱い

すべての内容を理解し、同意した上で契約を結びます。不明な点があれば、契約前に必ず担当者に確認してください。

④ 授業開始

契約が完了すると、いよいよ授業開始の準備に入ります。担当となる講師が正式に決定され、初回の授業日時を調整します。サービスによっては、授業で使う教材が郵送で送られてきたり、専用の学習システムのID・パスワードが発行されたりします。

授業開始までに、パソコンやインターネット環境、Webカメラなどの設定を済ませておきましょう。初回の授業では、講師との自己紹介や、今後の学習目標のすり合わせなどが行われるのが一般的です。ここから、目標達成に向けた二人三脚の学習がスタートします。

オンライン家庭教師の受講に必要なもの

パソコン・タブレット・スマートフォン、インターネット回線、Webカメラ・マイク付きイヤホン

オンライン家庭教師をスムーズに受講するためには、いくつかの機材と安定した通信環境が必要です。ここでは、最低限準備しておきたいものを3つご紹介します。

パソコン・タブレット・スマートフォン

授業を受けるためのメインデバイスです。スマートフォンでも受講可能なサービスはありますが、画面が小さいため、講師が共有する資料やホワイトボードの文字が見えにくく、学習効率が落ちる可能性があります。

推奨されるのは、画面が大きくキーボードでの入力もしやすい「パソコン」か、直感的な操作が可能な「タブレット」です。特に、数学の図形問題や英文の読解など、広い画面で全体を見ながら書き込みをしたい場合には、パソコンやタブレットが圧倒的に有利です。お子様の学年や学習内容に合わせて、最適なデバイスを選びましょう。

インターネット回線

オンライン授業の質を最も左右するのが、インターネット回線の安定性です。映像と音声をリアルタイムでやり取りするため、ある程度の通信速度と安定性が求められます。

最もおすすめなのは、通信が安定していて速度も速い「光回線」です。モバイルWi-Fiやスマートフォンのテザリングでも受講は可能ですが、時間帯や場所によって通信が不安定になりやすく、授業が中断してしまうリスクがあります。快適な学習環境を確保するためにも、できるだけ安定した固定回線の導入を検討しましょう。無料体験授業の際に、ご家庭の回線で問題なく受講できるかを確認することが重要です。

Webカメラ・マイク付きイヤホン

講師と生徒がお互いの顔を見ながらコミュニケーションを取るために「Webカメラ」が、クリアな音声でやり取りするために「マイク」が必要です。

最近のノートパソコンやタブレットには、カメラとマイクが内蔵されているものがほとんどなので、基本的にはそれで問題ありません。しかし、より質の高いコミュニケーションを目指すなら、外付けの「Webカメラ」と「マイク付きイヤホン(ヘッドセット)」の導入をおすすめします。

外付けのWebカメラは画質が良く、生徒の表情をより鮮明に講師に伝えることができます。また、マイク付きイヤホンを使えば、周囲の生活音を拾いにくくなり、講師の声もクリアに聞こえるため、お互いに授業に集中しやすくなります。数千円程度から購入できるものも多いので、投資する価値は十分にあるでしょう。

オンライン家庭教師に関するよくある質問

どんな人に向いていますか?、講師との相性が合わない場合、変更できますか?、不登校でも利用できますか?、兄弟で同時に受講できますか?、地方に住んでいても難関校を目指せますか?

最後に、オンライン家庭教師を検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。

どんな人に向いていますか?

オンライン家庭教師は、以下のような悩みや希望を持つお子様・ご家庭に特におすすめです。

  • 部活動や習い事が忙しく、決まった時間に塾に通うのが難しい生徒
  • 自宅の近くに通いたいと思える塾や家庭教師がいない生徒
  • 特定の科目や単元だけを、自分のペースで集中的に学習したい生徒
  • 対面でのコミュニケーションが苦手で、大人数の塾では質問できない生徒
  • 不登校気味で、自宅で安心して学習を進めたい生徒
  • 地方に住んでいるが、都市部の難関大学を目指したい受験生
  • 保護者の送迎の負担を減らしたいご家庭

講師との相性が合わない場合、変更できますか?

はい、ほとんどのオンライン家庭教師サービスで講師の交代は可能です。学習効果は講師との相性に大きく左右されるため、多くのサービスがこの点を重視しています。

ただし、交代のルールはサービスによって異なります。「無料で何度でも交代可能」なところもあれば、「交代は1回まで無料」「2回目以降は手数料が必要」といった規定がある場合もあります。入会前に、講師交代の条件についてもしっかりと確認しておくことをおすすめします。相性が合わないと感じた場合は、我慢せずに運営のサポート担当者に相談してみましょう。

不登校でも利用できますか?

はい、不登校のお子様の学習サポートにも、オンライン家庭教師は非常に有効な選択肢です。

自宅という安心できる環境で、自分のペースで学習を進められるため、対人関係に不安を抱えるお子様でも精神的な負担が少なく済みます。指導経験豊富な講師が、勉強の遅れを取り戻すサポートだけでなく、学習を通じて自信を回復させるためのメンタルケアまで行ってくれる場合もあります。不登校の生徒へのサポート実績が豊富なサービスも増えていますので、まずは気軽に相談してみると良いでしょう。

兄弟で同時に受講できますか?

サービスによって対応が異なります。多くのマンツーマン指導サービスでは、1つの契約で兄弟が同時に受講することはできません。それぞれの学年や学習内容に合わせた指導が必要なため、基本的には一人ずつの契約となります。

ただし、サービスによっては「兄弟割引」制度を設けており、2人目以降の月謝が割引になる場合があります。また、「オンライン家庭教師 e-Live」のように、一定の条件下で兄弟が同時に指導を受けても追加料金なしというユニークなサービスもあります。ご兄弟での利用を検討している場合は、そうした制度があるかを確認してみましょう。

地方に住んでいても難関校を目指せますか?

はい、それこそがオンライン家庭教師の最大の強みの一つです。

地方と都市部では、どうしても受験に関する情報量や指導の質に格差が生まれがちでした。しかし、オンライン家庭教師の登場により、その地理的な壁は完全に取り払われました。お住まいの場所に関係なく、東大や京大、医学部といった最難関大学の合格実績が豊富なプロ講師や、実際にその大学に通う現役学生講師の指導を受けることができます。

最新の入試傾向の分析、志望校に特化した対策、効率的な学習戦略の立案など、質の高い受験指導を自宅で受けられるため、地方からでも難関校合格を十分に目指すことが可能です。