大学受験を控える高校生やその保護者にとって、予備校選びは志望校合格を左右する重要な決断の一つです。数ある予備校の中でも、実力派講師陣による映像授業と独自の学習システムで高い知名度を誇るのが「東進ハイスクール」です。一方で、「東進は料金が高い」というイメージを持つ方も少なくないでしょう。
実際のところ、東進ハイスクールの料金体系はどのようになっているのでしょうか。この記事では、東進ハイスクールの料金体系について、入学金から講座別の授業料、各種サポート費用までを項目別に徹底解説します。さらに、志望校対策に特化した講座の料金や学年別の年間費用シミュレーション、他の大手予備校との料金比較も行い、多角的な視点から東進の費用感を明らかにします。
また、料金を少しでも抑えるための割引制度や、実際に通っている(通っていた)生徒や保護者からの評判・口コミ、料金に関するよくある質問にも詳しくお答えします。
この記事を読めば、東進ハイスクールの料金に関するあらゆる疑問が解消され、ご家庭の状況や学習目標に合った最適なプランを検討するための具体的な情報を得られるはずです。予備校選びで後悔しないためにも、まずは正確な情報を把握することから始めましょう。
目次
東進ハイスクールとは
東進ハイスクールは、株式会社ナガセが運営する大学受験予備校です。最大の特徴は、実力と人気を兼ね備えた講師陣による映像授業を、生徒一人ひとりのレベルや目標に合わせて個別最適化されたカリキュラムで受講できる点にあります。
単に授業を配信するだけでなく、最先端の教育システムと担任による手厚いサポート体制を組み合わせることで、生徒の学力を最大限に引き出すことを目指しています。ここでは、まず東進ハイスクールがどのような予備校なのか、その根幹をなす3つの特徴と、混同されがちな「東進衛星予備校」との違いについて詳しく解説します。
東進ハイスクールの3つの特徴
東進ハイスクールが多くの受験生から支持される理由は、主に「質の高い映像授業」「高速学習を可能にする教育システム」「熱心な人的サポート」の3つの要素に集約されます。これらが有機的に連携することで、他の予備校にはない独自の学習環境を提供しています。
実力派講師陣による質の高い映像授業
東進ハイスクールの核となるのが、参考書やテレビなどでも有名な実力派講師陣による映像授業です。何万人もの受験生を指導してきた経験豊富なプロフェッショナルが、大学入試問題を徹底的に分析し、分かりやすさを追求して作り上げた授業は、まさに「予備校界のオールスター」による講義と言えます。
映像授業であることには、多くのメリットがあります。
第一に、時間や場所の制約を受けずに学習を進められることです。対面式の集団授業では、授業時間が固定されているため、学校の行事や部活動、体調不良などで欠席すると、その回の授業を受けられなくなってしまいます。しかし、東進の映像授業は校舎の開館時間内であればいつでも受講でき、一時停止や巻き戻し、早送り(最大1.5倍速)も自由自在です。理解が不十分な箇所は何度も繰り返し視聴し、逆にすでに理解している部分は倍速で効率よく進めるなど、自分の学力やペースに合わせた学習が可能です。
第二に、質の高い授業を全国どこでも同じように受けられる点です。都市部の校舎でも地方の校舎でも、講師の質に差が生じることはありません。すべての生徒が、トップレベルの講師による最高の授業を受けられる環境が保証されています。
第三に、講座のラインナップが非常に豊富であることです。基礎レベルから超難関大学レベルまで、約1万種類にも及ぶ講座が用意されており、自分の志望校や現在の学力に最適な講座をピンポイントで選択できます。これにより、無駄のない効率的な学力向上が期待できるのです。
最先端の教育システムによる高速学習
東進ハイスクールは、質の高い授業を提供するだけでなく、それを効率的に定着させるための最先端の教育システムを導入しています。その代表格が「高速マスター基礎力養成講座」です。
これは、英単語や数学の計算問題など、学力の土台となる基礎知識を、PCやスマートフォンアプリを使ってゲーム感覚で効率的に修得するためのオンライン講座です。単に暗記するだけでなく、テスト機能を通じて定着度を確認しながら進めるため、短期間で集中的に基礎力を固めることができます。例えば、主要な英単語1800語を最短1週間で完全修得することも可能とされており、受験勉強で最も時間のかかる基礎固めのプロセスを大幅に短縮します。この「高速学習」こそが、東進の大きな強みです。
また、「t-POD(Toshin-Preparatory school On Demand)」と呼ばれる受講システムにより、いつでもどこでも学習できる環境が整っています。校舎の個別ブースはもちろん、自宅のPCやスマートフォン、タブレットでも受講が可能です。これにより、通学中の電車内や少しの空き時間も有効活用でき、学習時間を最大限に確保できます。1年間分の授業を最短2週間から3ヶ月で集中して受講し終える「速習」も可能で、早期に全範囲の学習を終え、その分、演習や志望校対策に多くの時間を充てることができます。
担任による熱誠指導とチームミーティング
映像授業と聞くと、「一方通行で孤独な学習になるのではないか」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、東進ハイスクールでは、その懸念を払拭するための手厚い人的サポート体制が整っています。それが「担任による熱誠指導」です。
各校舎には、受験指導のプロフェッショナルである「担任」と、同じ大学受験を乗り越えた現役大学生の「担任助手」が常駐しています。担任は、生徒一人ひとりと定期的に面談(コーチング)を行い、志望校合格から逆算した最適な学習計画を立案します。日々の学習状況を把握し、進捗の遅れがあれば原因を一緒に考え、計画を修正するなど、きめ細やかなサポートを提供します。
さらに、東進ならではのユニークな取り組みが「チームミーティング」です。これは、学力レベルや志望校が近い生徒5〜6人でグループを組み、週に1回、担任助手と共に行うミーティングです。お互いの学習状況を報告し合ったり、模試の目標を宣言したりすることで、仲間と切磋琢磨しながらモチベーションを高めることができます。映像授業という個別学習が中心だからこそ、共に頑張る仲間の存在が、孤独感を和らげ、最後までやり抜く力になります。
このように、最高の「授業」、最新の「システム」、そして手厚い「指導」という三位一体のサポート体制こそが、東進ハイスクールの本質であり、多くの受験生を合格へと導いてきた原動力なのです。
東進ハイスクールと東進衛星予備校の違い
「東進」には、「東進ハイスクール」と「東進衛星予備校」の2種類が存在します。どちらも同じ映像授業、同じ学習システムを利用しており、提供される教育コンテンツに違いはありません。では、何が違うのでしょうか。
最も大きな違いは運営形態です。
項目 | 東進ハイスクール | 東進衛星予備校 |
---|---|---|
運営元 | 株式会社ナガセ(直営) | 株式会社ナガセとフランチャイズ契約を結んだ法人・個人 |
校舎の所在地 | 主に首都圏や関西圏などの大都市圏中心 | 全国各地に展開 |
サービス内容 | 共通(映像授業、学習システムなど) | 共通(映像授業、学習システムなど) |
校舎の雰囲気 | 比較的均質化されている傾向 | 運営する法人や校舎長の方針により、雰囲気に差が出やすい |
料金体系 | 全国で統一 | 全国で統一 |
東進ハイスクールは、株式会社ナガセが直接運営する直営校です。そのため、校舎運営のノウハウや指導方針が統一されており、どの校舎でも比較的均質なサービスを受けることができます。主に首都圏や関西圏などの大都市部を中心に展開されています。
一方、東進衛星予備校は、株式会社ナガセとフランチャイズ契約を結んだ全国の学習塾などが運営しています。これにより、東進の高品質な教育コンテンツを全国津々浦々で受けられるようになっています。提供される授業やシステム、料金体系は東進ハイスクールと全く同じですが、運営母体が異なるため、校舎の雰囲気や担任・担任助手の指導方針、イベントの開催頻度などに若干の違いが見られることがあります。
結論として、受けられる授業やシステムの質、料金に差はないため、どちらを選ぶかは立地の利便性で決めて問題ありません。ただし、最終的な学習環境は校舎によって異なるため、入学を検討する際は、実際に校舎を訪れて雰囲気を確認したり、説明会に参加して校舎長や担任の話を聞いたりすることが重要です。
東進ハイスクールの料金体系を項目別に解説
東進ハイスクールの料金は、必要な講座を一つひとつ選択していく「積み上げ式」のシステムです。そのため、生徒の学年や志望校、受講する講座数によって年間にかかる費用は大きく変動します。ここでは、料金を構成する各項目について、具体的な金額を挙げながら詳しく解説します。
なお、記載する料金は標準的なものであり、校舎やキャンペーンの有無によって変動する可能性があるため、最新かつ正確な情報は必ず最寄りの校舎にてご確認ください。
(参照:東進ハイスクール公式サイト 入学案内・学費)
費用項目 | 対象学年 | 料金(税込) | 概要 |
---|---|---|---|
入学金 | 全学年 | 33,000円 | 入学時に必要な費用。キャンペーン等で免除の場合あり。 |
担任指導費 | 高1・高2生 | 33,000円/年 | 定期的な面談、学習計画の立案・管理などの費用。 |
高3生 | 77,000円/年 | 志望校対策など、より手厚い指導が含まれる費用。 | |
通期講座 | 全学年 | 77,000円/講座 | 1講座あたり90分×20回の授業。1講座単位で申し込む。 |
講習講座 | 全学年 | 19,250円/講座 | 夏期・冬期など。1講座あたり90分×5回の授業。 |
高速マスター基礎力養成講座 | 全学年 | 77,000円/講座 | 英語・数学・国語など。セット割引あり。 |
模試費 | 高1生 | 12,650円/年 | 年4回の模試費用。 |
高2生 | 14,850円/年 | 年5回の模試費用。 | |
受験生 | 29,700円/年 | 年11回の模試費用。 |
入学金
東進ハイスクールに入学する際に、まず必要となるのが入学金です。
入学金は、学年を問わず一律で33,000円(税込)です。この費用は、生徒情報の登録や各種システムの利用開始手続きなどに充てられます。
ただし、東進では定期的に「新年度特別招待講習」などのキャンペーンを実施しており、その期間中に入学手続きを行うと、入学金が全額免除または割引になる場合があります。また、兄弟姉妹がすでに在籍している場合や、過去に在籍していた場合にも割引が適用される制度があります。入学を検討する際は、こうしたキャンペーンや割引制度の情報をこまめにチェックすることをおすすめします。
担任指導費
東進の大きな特徴である「担任による熱誠指導」を受けるための費用が担任指導費です。この費用には、担任および担任助手によるコーチング面談、学習計画の作成・管理、進路指導、各種情報の提供などが含まれます。
担任指導費は学年によって異なり、年間で支払います。
- 高校1年生・2年生:33,000円(税込)
- 高校3年生(受験生):77,000円(税込)
高校3年生の料金が高く設定されているのは、志望校決定に向けたより専門的で頻度の高い面談や、出願指導、二次試験対策のサポートなど、受験学年ならではの手厚い指導が含まれるためです。映像授業だけでなく、この人的サポートに価値を感じるかどうかが、東進を選ぶ上での一つのポイントになります。
通期講座の授業料
授業料は、東進の料金の中で最も大きな割合を占める部分です。通期講座は、1年を通じて体系的に学習を進めるためのメイン講座で、通常「90分の授業×20回+講座修了判定テスト」で1講座が構成されています。
通期講座の授業料は、1講座あたり77,000円(税込)です。
例えば、高校3年生が英語、数学、国語の3講座を受講する場合、授業料は「77,000円 × 3講座 = 231,000円」となります。
生徒は、自分の学力レベルや志望校の受験科目に合わせて、必要な講座を自由に選択できます。そのため、受講する講座数が多ければ多いほど、年間の授業料は高くなります。担任と相談しながら、本当に必要な講座を過不足なく選択することが、費用を最適化する上で非常に重要です。
講習講座の授業料(夏期・冬期講習など)
通期講座に加えて、夏休みや冬休みなどの長期休暇期間には、特定のテーマに絞った短期集中の講習講座が開講されます。これらは、苦手分野の克服や、特定の大学・学部の対策など、目的に応じて追加で受講するものです。
講習講座は、通常「90分の授業×5回+講座修了判定テスト」で構成されており、1講座あたりの授業料は19,250円(税込)です。
また、90分×10回構成の講座(38,500円)など、複数のバリエーションが存在します。夏期講習などで多くの講座を受講すると、その分費用が加算されていくため、通期講座の進捗状況や自分の課題を明確にした上で、必要な講座を厳選することが求められます。
模試費
大学受験において、自分の現在の学力レベルと志望校との距離を正確に把握するために、模試の受験は不可欠です。東進では、年間を通じて「共通テスト本番レベル模試」や「東大本番レベル模試」など、多彩な模試を実施しています。
東進生は、原則としてこれらの模試をすべて受験することになっており、そのための費用として模試費が年間で設定されています。
- 高校1年生:12,650円(税込)(年4回)
- 高校2年生:14,850円(税込)(年5回)
- 高校3年生(受験生):29,700円(税込)(年11回)
学年が上がるにつれて模試の回数が増え、料金も上がります。特に受験生は、ほぼ毎月のように模試を受けることで、継続的に学力の伸びを測定し、学習計画の修正に役立てていきます。これらの費用には、受験料だけでなく、詳細な成績表の提供や解説授業の受講料も含まれています。
高速マスター基礎力養成講座の費用
前述の「高速マスター基礎力養成講座」も、受講には別途費用が必要です。主要な英語、数学、国語の講座が用意されており、これらを活用することで、受験勉強の土台となる基礎学力を効率的に身につけることができます。
高速マスター基礎力養成講座の料金は、通期講座と同様に1講座あたり77,000円(税込)です。
ただし、「英単語センター1800」「英熟語750」「英文法750」の3講座をセットで申し込むと割引が適用されるなど、セット受講がお得になるケースが多いです。特に英語の高速マスターは多くの生徒が受講するため、入学時にセットで申し込むことが一般的です。短期間で基礎を徹底的に固められるというメリットと費用を天秤にかけ、受講を検討することになります。
以上のように、東進ハイスクールの料金は複数の項目から成り立っており、特に授業料は個人の選択によって大きく変動します。次章では、これらの料金を基に、より実践的な志望校対策講座の費用について見ていきましょう。
目的別|志望校対策に特化した講座の料金
高校3年生になると、基礎学力の定着に加え、志望校の出題傾向に合わせたより専門的な演習が不可欠になります。東進ハイスクールでは、こうした受験生一人ひとりのニーズに応えるため、志望校対策に特化した多彩な演習講座を用意しています。これらの講座は、通期講座とは別に追加で申し込む必要があり、それぞれに料金が設定されています。
ここでは、代表的な志望校対策講座の内容と料金について詳しく解説します。これらの講座を組み合わせることで、志望校合格に向けた万全の対策を構築できますが、同時に年間費用を大きく左右する要素でもあるため、内容をよく理解しておくことが重要です。
志望校対策特別講座
「志望校対策特別講座」は、難関大学や有名大学の対策に特化した講座群です。特定の大学・学部の出題傾向を徹底的に分析し、その対策に絞った授業と演習を行います。通期講座で学んだ知識を、実際の入試問題でどのように活用すればよいのか、実践的な解法テクニックを身につけることを目的としています。
この講座は、通常「90分の授業×10回」などで構成されており、料金は講座の内容によって異なりますが、通期講座の半額(約38,500円)から同額(約77,000円)程度が目安となります。例えば、「〇〇大学対策英語」といった形で、大学別・科目別に細かく設定されています。自分の志望校に特化した講座がある場合は、受講することでライバルに差をつけるための大きな武器となります。
過去問演習講座
志望校合格のためには、過去問演習が欠かせません。東進の「過去問演習講座」は、単に過去問を解くだけでなく、プロの講師による詳細な解説授業と、答案の添削指導がセットになった画期的な講座です。
共通テスト対策
「過去問演習講座 共通テスト対策」は、大学入学共通テストの過去問および東進オリジナルの予想問題に取り組み、徹底的に対策を行う講座です。
料金は、1教科あたり約77,000円(税込)が目安ですが、複数教科をセットで申し込むことで割引が適用されます。例えば、5教科7科目をセットで受講する場合、約10万円程度になることが多いです。
この講座の最大の特徴は、最大10年分の過去問演習に加え、詳細な解説授業が付属している点です。また、演習後すぐにオンラインで採点・成績分析が行われ、自分の弱点分野を即座に把握できます。これにより、効率的な復習と次の学習計画への反映が可能になります。
講座名 | 対象 | 主な内容 | 料金目安(税込) |
---|---|---|---|
過去問演習講座 共通テスト対策 | 共通テスト受験者 | 過去問・予想問題演習、解説授業、成績分析 | 5教科7科目セットで約100,000円 |
国公立二次・私大対策
国公立大学の二次試験や私立大学の個別試験対策に特化したのが「過去問演習講座 国公立二次・私大対策」です。この講座では、志望校の過去問に挑戦し、提出した答案を東進の指導スタッフが細かく添削・採点して返却してくれます。記述問題や論述問題で、自分では気づきにくい間違いや、より高得点を狙うためのポイントについて、具体的なアドバイスを受けられるのが最大のメリットです。
料金は、対策する大学のレベルや過去問の年数によって異なり、1大学あたりおおよそ50,000円から110,000円(税込)の範囲で設定されています。例えば、東京大学や京都大学などの最難関大学対策は高めに、中堅私立大学対策は比較的安めに設定される傾向があります。こちらも解説授業がセットになっており、演習と解説を繰り返すことで、志望校の「クセ」を掴み、合格点を取るための実力を養成します。
単元ジャンル別演習講座
「単元ジャンル別演習講座」は、AIを活用して、生徒一人ひとりの学力と目標に合わせた最適な演習問題を自動で提案してくれる画期的なシステムです。これまでの模試成績や講座の受講履歴といった膨大なデータをAIが分析し、「今のあなたに最も必要な学習」をピンポイントで提供します。
例えば、「数学の確率が苦手」「英語の長文読解で時間が足りない」といった個別の課題に対し、AIがその単元・ジャンルに関連する問題を、基礎から応用まで適切なレベルで出題してくれます。これにより、自分の弱点を最短ルートで克服することが可能です。
この講座は、主に受験学年の後半に、総仕上げとして活用されます。料金は定額制で、約110,000円(税込)を支払うと、期間中は無制限に演習に取り組むことができます。膨大な問題データベースにアクセスし、AIによる個別最適化された学習カリキュラムをこなすことで、学力の穴を徹底的に埋めていきます。
第一志望校対策演習
「第一志望校対策演習」は、受験直前期の最終仕上げとして提供される講座です。単元ジャンル別演習講座で克服した弱点を踏まえ、第一志望校の出題形式・レベルに絞り込んだ演習を大量に行います。
この講座もAIを活用しており、過去問だけでなく、頻出分野やテーマに沿った予想問題にも取り組むことができます。「合格点まであと〇点」という具体的な目標に対し、どの分野をどれだけ学習すればよいのかを可視化してくれるため、入試本番までの残り時間を最も効果的に使うことができます。
料金は、単元ジャンル別演習講座と同様に定額制で、約110,000円(税込)が目安となります。「単元ジャンル別演習」と「第一志望校対策演習」はセットで申し込むことが多く、その場合は割引が適用されることもあります。
これらの志望校対策講座は、合格の可能性を大きく高める強力なツールですが、すべて受講すると費用も相当な額になります。担任と十分に相談し、自分の学力状況、志望校のレベル、そして予算を総合的に勘案して、最適な講座を選択することが重要です。
【学年別】東進ハイスクールの年間費用シミュレーション
これまで解説してきた各料金項目を踏まえ、実際に東進ハイスクールに通った場合、年間でどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、高校1年生、2年生、3年生の学年別に、標準的な受講モデルを想定した年間費用のシミュレーションをご紹介します。
これはあくまで一例であり、受講する講座数や選択するオプションによって費用は大きく変動します。ご自身の状況に合わせた具体的な見積もりは、必ず校舎で相談するようにしてください。
高校1年生の年間費用モデル
高校1年生の時期は、まず学習習慣を確立し、高校の授業内容を確実に理解することが目標となります。特に英語と数学は、今後の大学受験の土台となる重要な科目です。そのため、この2科目の基礎を固めるプランを想定します。
項目 | 内容 | 料金(税込) |
---|---|---|
入学金 | 33,000円 | |
担任指導費 | 33,000円 | |
授業料(通期講座) | 英語、数学の計2講座 | 154,000円(77,000円 × 2) |
高速マスター基礎力養成講座 | 英語(単語・熟語・文法) | 77,000円 |
模試費 | 高1生向け | 12,650円 |
合計 | 309,650円 |
高校1年生のモデルケースでは、年間費用は約31万円となりました。部活動で忙しい生徒も多いため、講座数は比較的少なめに設定しています。まずは高速マスターで基礎的な語彙力や計算力を徹底的に鍛えつつ、通期講座で学校の授業の予習・復習を進めるというスタイルです。もし苦手科目が多ければ、さらに講座を追加する必要があり、その分費用は増加します。
高校2年生の年間費用モデル
高校2年生は、受験勉強を本格的にスタートさせる重要な時期です。文系・理系の選択も終わり、志望校をある程度意識し始める頃でしょう。基礎固めに加え、主要科目の応用力養成にも取り組む必要があります。ここでは、主要3教科に加えて、理科または社会の1科目を追加するプランを想定します。
項目 | 内容 | 料金(税込) |
---|---|---|
入学金 | (2年目以降は不要) | 0円 |
担任指導費 | 33,000円 | |
授業料(通期講座) | 英語、数学、国語、理科/社会の計4講座 | 308,000円(77,000円 × 4) |
高速マスター基礎力養成講座 | 数学など1講座追加 | 77,000円 |
模試費 | 高2生向け | 14,850円 |
合計 | 432,850円 |
高校2年生のモデルケースでは、年間費用は約43万円となりました。受講講座数を4つに増やし、受験に向けた準備を加速させるイメージです。夏期講習などで苦手分野克服のための講座を追加受講する場合、さらに5万円〜10万円程度の費用が上乗せされる可能性があります。この時期にどれだけ基礎を固め、得意科目を伸ばせるかが、3年生での学習の進度に大きく影響します。
高校3年生の年間費用モデル
高校3年生は、志望校合格に向けて総力を挙げて取り組む最終学年です。通期講座での学習に加え、過去問演習や志望校に特化した対策が必須となります。ここでは、私立大学理系を志望する生徒をモデルに、必要な講座を網羅的に受講するプランを想定します。
項目 | 内容 | 料金(税込) |
---|---|---|
入学金 | (3年目以降は不要) | 0円 |
担任指導費 | 77,000円 | |
授業料(通期講座) | 英語、数学Ⅲ、物理、化学など計5講座 | 385,000円(77,000円 × 5) |
過去問演習講座 | 共通テスト対策(セット) | 100,000円(概算) |
私大対策(2大学分) | 160,000円(概算) | |
単元ジャンル別演習講座 | 110,000円 | |
第一志望校対策演習 | 110,000円 | |
模試費 | 受験生向け | 29,700円 |
合計 | 971,700円 |
高校3年生のモデルケースでは、年間費用は約97万円となりました。国公立大学を目指す場合や、さらに多くの講座を受講する場合は、年間で100万円を超えることも珍しくありません。特に、秋以降に追加される「過去問演習講座」や「単元ジャンル別演習講座」などの志望校対策講座が、費用の総額を大きく押し上げる要因となります。
このように、東進ハイスクールの費用は学年が上がるにつれて増加し、特に受験学年では手厚いサポートを受ける分、相応の費用がかかります。しかし、これはあくまで一例です。担任との面談を通じて、自分にとって本当に必要な講座だけを厳選し、無駄な出費を抑えることが何よりも重要です。
東進ハイスクールの評判・口コミ
料金体系やシステムを理解した上で、次に気になるのが実際に利用した人たちの声、すなわち評判や口コミです。東進ハイスクールは多くの生徒が利用しているため、さまざまな意見が聞かれます。ここでは、特定の個人の感想ではなく、一般的に聞かれることが多い評判を「料金」「講師・授業内容」「カリキュラム・学習システム」の3つの観点から、良い点・気になる点をバランス良くまとめて紹介します。
料金に関する評判・口コミ
東進の料金については、ポジティブな意見とネガティブな意見の両方が見られます。
【ポジティブな評判・口コミ】
- 「必要な講座だけを選べるので、無駄がなかった」
東進の料金体系は、講座単位の積み上げ式です。そのため、自分の苦手科目や、志望校の受験で特に配点が高い科目に絞って受講することで、費用をある程度コントロールできます。得意科目は自学自習で進め、苦手科目だけをプロの授業で補う、といった柔軟な使い方ができる点を評価する声が多くあります。 - 「結果的に志望校に合格できたので、費用対効果は高かった」
最終的に第一志望校に合格できた生徒や保護者からは、「決して安くはなかったが、投資する価値はあった」という意見が聞かれます。質の高い授業と手厚いサポートによって学力が伸び、合格を勝ち取れたのであれば、その費用は妥当であったと納得できるケースが多いようです。
【ネガティブな評判・口コミ】
- 「勧められるがままに講座を取ると、非常に高額になる」
これが最も多く聞かれる意見かもしれません。担任から、学力向上や志望校合格のためにさまざまな講座を提案されます。もちろん、それらは善意からの提案ですが、すべてを受け入れていると、あっという間に年間費用が100万円を超えてしまうこともあります。家庭の経済状況や本人のキャパシティを考慮し、主体的に講座を選択する姿勢が重要であるという指摘です。 - 「夏期講習や直前講習などで追加費用がかさむ」
通期講座の料金に加えて、夏期・冬期・直前期には別途講習講座の受講を勧められます。これらを積み重ねていくと、当初の予算を大幅に超えてしまうことがあります。年間の学習計画と費用計画を、あらかじめ大まかにでも立てておく必要があるでしょう。
講師・授業内容に関する評判・口コミ
東進の根幹である講師と授業内容については、総じて高い評価が目立ちます。
【ポジティブな評判・口コミ】
- 「とにかく授業が分かりやすく、面白い」
東進の最大の魅力である実力派講師陣の授業は、多くの生徒から絶賛されています。難解な概念を身近な例にたとえて説明したり、歴史的背景を交えて語ったりと、生徒を飽きさせない工夫が凝らされており、「学校の授業とは全く違う」「勉強が楽しくなった」という声が多数あります。 - 「自分のレベルに合った講座から始められるのが良い」
講座のレベルが細かく分かれているため、基礎の基礎から学びたい生徒も、ハイレベルな問題に挑戦したい生徒も、自分にぴったりのスタートラインを見つけることができます。集団授業のように、周りのレベルについていけずに落ちこぼれる心配が少ない点も評価されています。
【ネガティブな評判・口コミ】
- 「有名な講師でも、自分には合わないことがあった」
どんなに評価の高い講師でも、話し方や授業の進め方には個性があるため、生徒によっては「相性が合わない」と感じることもあります。ただし、東進では体験授業を受けられるため、受講前に自分に合うかどうかを確認することが可能です。合わないと感じた場合は、別の講師の同レベルの講座を選択できるのも映像授業のメリットと言えます。
カリキュラム・学習システムに関する評判・口コミ
映像授業や高速マスターといった独自のシステムについては、その効果を実感する声が多い一方で、向き不向きがあるという意見も見られます。
【ポジティブな評判・口コミ】
- 「自分のペースで学習を進められるのが最大のメリット」
部活動や学校行事で忙しい高校生にとって、時間や場所を選ばずに受講できるシステムは非常に便利です。「巻き戻して何度も確認できる」「得意なところは倍速で進められる」など、個別最適化された学習ができる点を高く評価する声が圧倒的です。 - 「高速マスター基礎力養成講座で、短期間に基礎が固まった」
特に英単語や古文単語、数学の計算演習など、反復練習が必要な基礎分野において、高速マスターの効果を実感する声は非常に多いです。ゲーム感覚で取り組めるため、単調な暗記作業が苦手な生徒でも継続しやすく、学力の土台を効率的に築くことができます。 - 「チームミーティングでモチベーションを維持できた」
個別学習が中心となる中で、「週に一度のチームミーティングで仲間と話すのが励みになった」「他の人の頑張りを見て、自分も頑張ろうと思えた」という意見は少なくありません。適度な強制力と仲間との連帯感が、受験勉強という長い戦いを乗り越える上で重要な役割を果たしています。
【ネガティブな評判・口コミ】
- 「強い自己管理能力が求められる」
自分のペースで進められる反面、自分を律する力がないと、どんどん学習が遅れてしまうリスクがあります。「いつでもできる」と思うと、かえって後回しにしてしまいがちになるのです。この点をカバーするのが担任の役割ですが、最終的には本人の意志の強さが問われるという側面は否めません。 - 「担任や担任助手との相性が重要」
学習計画の立案やモチベーション維持において、担任・担任助手の存在は非常に大きいです。親身に相談に乗ってくれる熱心な担当者に出会えれば心強いですが、もし相性が合わない場合、コミュニケーションがうまくいかずにストレスを感じる可能性もあります。多くの校舎では担当者の変更希望を受け付けているため、違和感を感じたら早めに相談することが大切です。
これらの評判・口コミから、東進ハイスクールは、主体的に学ぶ意欲があり、そのシステムを最大限に活用できる生徒にとっては非常に効果的な予備校である一方、料金や自己管理の面で注意が必要な点も見えてきます。
他の大手予備校との料金比較
東進ハイスクールの料金が高いのか安いのかを判断するためには、他の大手予備校と比較してみることが有効です。ここでは、知名度の高い「河合塾」「駿台予備校」「四谷学院」を例に挙げ、料金体系や年間費用の目安を比較します。
各予備校の料金はコースや受講講座数によって大きく異なるため、あくまで一般的な目安として参考にしてください。
予備校名 | 料金体系の特徴 | 高3生の年間費用目安(税込) | メリット・デメリット |
---|---|---|---|
東進ハイスクール | 講座単位の積み上げ式 | 約60万円~120万円 | メリット: 必要な講座だけ選べ、カスタマイズ性が高い。 デメリット: 多くの講座を取ると高額になりやすい。 |
河合塾 | コース制が中心 (講座単位の選択も可能) |
約70万円~110万円 | メリット: パッケージ料金で分かりやすく、対面授業が中心。 デメリット: 不要な授業も含まれる可能性がある。 |
駿台予備校 | コース制が中心 | 約70万円~120万円 | メリット: 難関大対策に強く、質の高い対面授業。 デメリット: カリキュラムの自由度が比較的低い。 |
四谷学院 | 科目別能力別授業+55段階個別指導 | 約70万円~100万円 | メリット: 独自の学習システムで基礎から徹底できる。 デメリット: 特殊なシステムが合う・合わないがある。 |
河合塾との比較
河合塾は、「テキストの河合」と称されるほど質の高い教材と、豊富なデータに基づいた進路指導に定評がある大手予備校です。
料金体系は、志望校レベルに応じてパッケージ化された「コース制」が基本です。例えば、「早慶大文系コース」「国公立大理系コース」のように、必要な科目の授業がセットになっています。これにより、年間の費用が見えやすく、保護者にとっては安心感があります。高3生の年間授業料はコースによって異なりますが、おおよそ70万円~110万円程度が目安です。これに加えて、入学金や季節講習の費用が別途必要となります。
東進と比較すると、河合塾は対面式の集団授業が中心である点が最大の違いです。決められた時間割に沿って仲間と学ぶスタイルを好む生徒に向いています。一方、東進は映像授業で個別学習が中心のため、部活などで忙しい生徒や、自分のペースで進めたい生徒に適しています。料金面では、東進は講座の取り方次第で河合塾より安くも高くもなります。
駿台予備校との比較
駿台予備校は、「理系の駿台」として知られ、特に難関大学や医学部受験において高い実績を誇る予備校です。
料金体系は河合塾と同様に「コース制」が中心で、非常にハイレベルなクラス設定が特徴です。学力診断テストの結果に基づいてクラスが厳密に分けられ、レベルの高い仲間と切磋琢磨できる環境があります。高3生の年間授業料は、おおよそ70万円~120万円程度で、難関大学や医学部専門コースはより高額になる傾向があります。
東進との違いは、こちらも対面式の集団授業が主体であることです。講師もアカデミックな雰囲気のベテラン講師が多く、硬派で本格的な授業が展開されます。学習意欲の高い生徒が集まる緊張感のある環境を求めるなら駿台、自分のペースで効率的に進めたいなら東進、という選択になるでしょう。料金の総額では大きな差はありませんが、その内訳と提供される学習スタイルが大きく異なります。
四谷学院との比較
四谷学院は、「なんで、私が東大に?」というキャッチコピーで知られ、独自の教育システムを持つ予備校です。
最大の特徴は「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」のダブル教育です。科目ごとに自分のレベルに合った集団授業を受けつつ、中学レベルの基礎から東大レベルまでをスモールステップで完璧にしていく「55段階個別指導」で演習を重ねます。
料金は、この2つのシステムを組み合わせたパッケージ料金となっており、高3生で年間70万円~100万円程度が目安です。
東進が映像授業による「インプット」とAI演習による「アウトプット」を高速で繰り返すのに対し、四谷学院は対面授業と個別指導の組み合わせで「理解」と「定着」を徹底的に行うスタイルです。基礎力に不安があり、一から丁寧にやり直したい生徒にとっては、四谷学院のシステムは非常に有効です。料金面では、東進で多くの講座を取る場合と同程度か、やや安価になる可能性があります。
結論として、東進の料金が突出して高いわけではありません。むしろ、講座の取り方を工夫すれば、他の大手予備校よりも費用を抑えることも可能です。ただし、手厚いサポートや志望校対策講座を追加していくと、結果的に他の予備校と同等か、それ以上の金額になるということを理解しておく必要があります。重要なのは、料金の絶対額だけでなく、その予備校の学習スタイルが自分に合っているかどうかを総合的に判断することです。
東進ハイスクールの料金を安くする4つの方法
東進ハイスクールの料金は、選択次第で高額になる可能性がありますが、各種割引制度やキャンペーンをうまく活用することで、負担を軽減することが可能です。ここでは、公式に提供されている料金を安くするための4つの方法をご紹介します。これらの制度は時期や条件が変更されることがあるため、利用を検討する際は必ず公式サイトや最寄りの校舎で最新情報を確認してください。
(参照:東進ハイスクール公式サイト)
① 特別招待講習を利用する
東進ハイスクールでは、高校生を対象とした「特別招待講習」を年に数回、期間限定で実施しています。これは、東進の授業を無料で体験できる絶好の機会です。
多くの場合、春(新年度)、夏、冬に実施され、期間中に申し込むと、指定された講座の中から最大で数講座を無料で受講できます。例えば、「新年度特別招待講習」では、新高3・2・1年生を対象に、最大4講座まで無料で招待されるキャンペーンが行われることがあります。
この講習に参加することで、東進の授業の質や学習システムの使い勝手を、費用をかけずに確かめることができます。もし自分に合っていると感じれば、そのまま入学を検討すればよいですし、合わなければ無理に入学する必要はありません。さらに、招待講習の期間中に入学手続きをすると、入学金が免除される特典が付くことも多いため、入学を考えている場合はこのタイミングを狙うのが最もお得です。
② 兄弟姉妹割引制度を利用する
東進ハイスクールには、兄弟姉妹で利用する場合の割引制度が用意されています。
すでに兄弟姉妹が東進ハイスクール・東進衛星予備校に在籍している場合、新たに入学する生徒の入学金(通常33,000円)が全額免除になることが一般的です。
また、兄弟姉妹が同時に2名以上在籍している期間中は、授業料の一部が割引になる制度を設けている場合もあります。例えば、年間の授業料から一定額が割り引かれるなど、その内容は校舎や時期によって異なります。ご兄弟がいるご家庭にとっては、大きなメリットとなる制度です。適用条件の詳細については、入学を希望する校舎に直接問い合わせてみましょう。
③ 友達紹介キャンペーンを利用する
多くの校舎で、在籍している生徒からの紹介で友達が入学した場合、紹介者と新規入学者の双方に特典がもらえる「友達紹介キャンペーン」を実施しています。
特典の内容は校舎や時期によってさまざまですが、図書カードや電子マネーギフトなどがプレゼントされることが一般的です。
もし、周りに東進に通っている友人がいる場合は、入学前に声をかけてみるとよいでしょう。紹介者・被紹介者の双方にとってメリットがある制度なので、積極的に活用することをおすすめします。ただし、キャンペーンの実施状況や適用条件(例:招待講習経由の入学は対象外など)があるため、事前に校舎に確認することが重要です。
④ ひとり親家庭支援制度を利用する
東進ハイスクールでは、経済的な理由で学習機会が制限されることのないよう、社会貢献活動の一環として「ひとり親家庭支援制度」を設けています。
この制度は、ひとり親家庭の高校生を対象に、入学金や授業料の一部を支援するものです。具体的な支援内容は、入学金の全額免除や、年間の通期講座の中から1講座分の授業料を免除するなど、経済的負担を大幅に軽減するものとなっています。
この制度を利用するには、所得証明書などの必要書類を提出し、審査を受ける必要があります。すべての希望者が対象となるわけではありませんが、条件に該当するご家庭にとっては非常に心強い支援制度です。向学心にあふれ、経済的な困難を抱えている生徒は、諦める前に一度、この制度について校舎に相談してみる価値があります。
これらの制度を賢く利用することで、東進ハイスクールの費用負担を少しでも軽くすることができます。特に「特別招待講習」は、リスクなく東進を体験できる最大のチャンスなので、見逃さないようにしましょう。
東進ハイスクールの料金に関するよくある質問
ここまで東進ハイスクールの料金について詳しく解説してきましたが、まだ細かい疑問点が残っている方もいるかもしれません。ここでは、料金に関して特によく寄せられる質問とその回答をQ&A形式でまとめました。
料金の支払い方法は何がありますか?
東進ハイスクールの料金支払い方法は、主に以下の方法が用意されています。校舎によって取り扱いが異なる場合があるため、詳細は入学時に確認が必要です。
- 校舎窓口での現金払い:
入学金や授業料などを、校舎の受付窓口で直接現金で支払う方法です。 - 銀行振込:
指定された銀行口座に、請求された金額を振り込む方法です。振込手数料は自己負担となります。 - 口座振替(自動引落):
事前に登録した保護者の銀行口座から、毎月または指定された月に自動で授業料などが引き落とされる方法です。多くのご家庭で利用される一般的な支払い方法です。 - 学費ローン(教育ローン):
一度にまとまった金額を支払うのが難しい場合、提携している信販会社の学費ローンを利用できる場合があります。分割で支払うことができますが、所定の審査と金利手数料が必要となります。利用を検討する場合は、返済計画を慎重に立てる必要があります。
支払い期日に遅れると、学習の継続に支障が出る場合もあるため、ご家庭で相談し、無理のない支払い方法を選択することが大切です。
夏期講習や冬期講習だけの受講は可能ですか?
基本的に、現役高校生が講習講座だけを受講することはできません。 東進ハイスクールの講習講座は、通期講座で学習している在籍生を対象としたカリキュラムの一部として位置づけられています。したがって、講習を受けるには、まず東進ハイスクールに入学し、通期講座の受講生になる必要があります。
ただし、例外もあります。
一つは、前述の「特別招待講習」です。これは実質的に講習講座を無料で体験できる制度なので、講習のみの受講に近い形と言えます。
もう一つは、高卒生(浪人生)向けのコースです。高卒生の場合は、講習期間のみ在籍して特定の講座を受講できるプランが用意されていることがあります。
現役生で「夏休みだけ東進を利用したい」と考えている場合は、まずは特別招待講習の機会を待つか、校舎に直接相談してみるのがよいでしょう。
途中で解約した場合、返金制度はありますか?
はい、東進ハイスクールでは、途中で退学(解約)する場合の返金制度が定められています。これは「特定商取引法」という法律に基づいたルールに則っています。
まず、契約から8日以内であれば、「クーリング・オフ制度」を利用して無条件で契約を解除し、支払った全額の返金を受けることができます。
クーリング・オフ期間を過ぎた後に解約する場合は、「中途解約」の扱いとなります。この場合、解約手数料(法律で上限が定められています)と、すでに受講を完了した授業の料金を差し引いた上で、未受講分の授業料が返金されます。
例えば、20回構成の通期講座を申し込み、5回分を受講した時点で解約した場合、残りの15回分の授業料が返金の対象となります(そこから解約手数料が引かれます)。返金の対象となるのはあくまで「授業料」であり、すでに入学金や担任指導費、模試費などは返金されないのが一般的です。
解約を希望する場合は、必ず在籍している校舎の窓口に申し出て、所定の手続きを行う必要があります。手続きが完了するまでの期間も受講期間とみなされることがあるため、解約を決めたら速やかに行動することが重要です。複雑な計算が伴うため、具体的な返金額については、必ず校舎に直接確認してください。