「子どもに合う塾を探しているけれど、市進学院って実際どうなの?」
「『面倒見が良い』って聞くけど、具体的にどんなサポートがあるの?」
「料金やコース内容、他の塾との違いが知りたい」
学習塾選びは、お子様の将来を左右する重要な決断です。数ある塾の中でも、特に首都圏を中心に展開する「市進学院」は、「面倒見主義」という独自の理念を掲げ、多くの受験生と保護者から注目を集めています。
しかし、その評判は様々で、「手厚いサポートが魅力」という声がある一方、「料金が高い」「校舎によって差がある」といった気になる意見も耳にします。
そこでこの記事では、市進学院について徹底的に掘り下げ、その実態に迫ります。市進学院の基本情報から、実際の評判・口コミ、メリット・デメリット、コース別の詳細な料金体系、そして他の大手塾との比較まで、網羅的に解説します。
この記事を最後まで読めば、市進学院がどのような塾で、お子様に合っているのかどうかを客観的に判断できるようになります。塾選びで後悔しないために、ぜひ参考にしてください。
目次
市進学院とはどんな塾?
市進学院は、1965年に千葉県市川市で創業して以来、半世紀以上にわたって多くの生徒を志望校合格へと導いてきた歴史ある進学塾です。現在は首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)を中心に校舎を展開しており、小学生から高校生までを対象とした幅広いコースを提供しています。
他の多くの大手塾と一線を画す最大の特徴は、創業以来一貫して掲げている「面倒見主義」という教育理念です。単に授業を行うだけでなく、生徒一人ひとりの学習状況やメンタル面まで細やかにサポートし、自ら学ぶ力を育むことを目指しています。
「面倒見主義」を掲げる集団指導塾
市進学院の根幹をなすのが「面倒見主義」です。これは、単なるキャッチフレーズではなく、塾のあらゆるシステムや指導方針に具体的に落とし込まれています。
まず、多くの校舎でクラス担任制を採用しています。担任講師は、担当クラスの生徒一人ひとりの学習進捗や成績の推移を常に把握し、適切なアドバイスを行います。定期的な学習カウンセリングはもちろん、思うように成績が伸び悩んでいる生徒がいれば、個別に声をかけ、原因を探り、具体的な学習計画を一緒に立ててくれます。
また、保護者との連携も非常に密です。定期的に保護者会が開催されるほか、電話や面談などを通じて、家庭での学習の様子や悩みについて情報共有を行います。塾と家庭が一体となって生徒をサポートする体制が築かれているため、保護者も安心して子どもを任せられます。
さらに、市進学院の「面倒見主義」を象徴するのが、「めんどうみ」と呼ばれる無料の補習制度です。授業で理解しきれなかった部分や、定着度テストで基準点に達しなかった単元について、授業前後や別日に個別に指導を受けられます。質問が苦手な生徒でも、講師側から積極的に働きかけてくれるため、わからないことをそのままにしません。
このように、市進学院の「面倒見主義」とは、生徒が学習面でつまずかないよう、あらゆる角度から手厚くサポートし、一人ひとりに寄り添う指導体制そのものを指しているのです。
自ら学ぶ力を育てる「共演授業」
市進学院のもう一つの大きな特徴が、「共演授業」と呼ばれる独自の授業スタイルです。これは、講師が一方的に解説する講義形式の授業とは全く異なります。
「共演授業」では、講師が生徒に対して絶えず発問を投げかけ、生徒に考えさせ、自分の言葉で意見を述べさせます。生徒と講師、そして生徒同士の対話を通じて授業が進行していくため、まるで舞台の上で役者が共演するように、一体感のある空間が生まれます。
この授業スタイルの目的は、単に知識をインプウトするだけではありません。
第一に、「思考力」の育成です。「なぜそうなるのか?」という問いかけに対し、生徒は自分の頭で考え、答えを導き出すプロセスを繰り返します。これにより、物事の本質を捉え、論理的に考える力が養われます。
第二に、「表現力」の向上です。自分の考えを他者に分かりやすく伝える訓練を積むことで、記述問題や面接、将来社会に出てからも役立つコミュニケーション能力が身につきます。
第三に、学習への主体性の醸成です。受け身で聞いているだけの授業とは違い、常に頭をフル回転させ、積極的に授業に参加することが求められるため、学習に対する当事者意識が芽生えます。
「共演授業」は、生徒を授業の「お客様」ではなく「主役」として扱います。最初は戸惑う生徒もいますが、次第に人前で発言することに慣れ、学ぶことの楽しさを実感できるようになります。知識の暗記に留まらず、将来にわたって必要とされる「自ら学ぶ力」を育むことこそ、「共演授業」の最大の狙いなのです。
個別指導「個太郎塾」も展開
市進学院は集団指導塾ですが、同じ市進教育グループ内には「個太郎塾」という個別指導塾も展開しています。これにより、生徒の多様なニーズにきめ細かく応えることが可能です。
個太郎塾は、講師1人に対して生徒が2人までの個別指導を基本としています。集団授業では質問しづらい生徒や、特定の苦手科目を集中的に克服したい生徒、自分のペースで学習を進めたい生徒などに最適な環境です。
市進学院と個太郎塾の大きな強みは、その連携体制にあります。例えば、普段は市進学院の集団授業を受けながら、苦手な数学だけは個太郎塾でマンツーマンの指導を受ける、といった併用が可能です。集団授業で全体のペースを掴みつつ、個別指導で弱点をピンポイントで補強できるため、学習効率が非常に高まります。
また、同じグループ内であるため、市進学院の担任と個太郎塾の講師が、生徒の学習状況や課題について情報を共有できます。これにより、集団と個別の両面から、一貫性のある効果的な指導が実現します。
部活動で忙しく、集団授業の時間に合わせるのが難しい中学生や高校生が、個太郎塾の柔軟な時間割を活用するケースも少なくありません。このように、市進教育グループは、集団指導の「市進学院」と個別指導の「個太郎塾」という二つの選択肢を提供することで、あらゆる生徒の学習スタイルや目標達成をサポートする総合的な教育体制を整えているのです。
市進学院の評判・口コミを徹底分析
塾選びにおいて、実際に通っている生徒や保護者の生の声は非常に参考になります。ここでは、市進学院に関する様々な評判や口コミを「良い評判」と「悪い・気になる評判」に分けて分析し、その実態に迫ります。
良い評判・口コミ
全体的に、市進学院の理念である「面倒見主義」や「共演授業」が、実際に生徒や保護者から高く評価されていることがうかがえます。
講師・授業に関する良い評判
最も多く見られるのが、講師の質と授業の楽しさに関するポジティブな意見です。
- 「共演授業が面白い。先生がどんどん質問してくれるので、授業に集中できるし、考える力がついたと思う」
- 「どの先生も熱心で、質問に行くと丁寧に教えてくれる。授業以外の時間でも親身に相談に乗ってくれるのが嬉しい」
- 「ただ暗記させるのではなく、『なぜそうなるのか』を根本から説明してくれるので、理解が深まる」
- 「アットホームな雰囲気で、クラスの仲間と切磋琢磨しながら楽しく通えた」
これらの口コミからは、「共演授業」が生徒の知的好奇心を引き出し、主体的な学習態度を育んでいる様子が伝わってきます。また、講師が生徒一人ひとりに目を配り、学力だけでなく精神的な支えにもなっている点が評価されています。単なる知識の伝達者ではなく、生徒の成長を共に喜ぶ伴走者としての講師像が、市進学院の大きな魅力となっているようです。
カリキュラム・教材に関する良い評判
市進学院が長年の指導ノウハウを基に作成しているオリジナル教材や、体系的なカリキュラムについても、満足度の高い声が寄せられています。
- 「オリジナル教材がよく練られていて、これ一冊を完璧にすれば力がつくと感じた」
- 「基礎から応用まで、スモールステップで進んでいくカリキュラムなので、無理なくついていける」
- 「授業で使った教材(必修テキスト)と家庭学習用の教材(ホームタスク)が連動していて、復習しやすい」
- 「定期テスト対策がしっかりしていて、内申点アップにつながった」
特に、授業と家庭学習がシームレスに繋がる教材構成は、学習習慣の定着に大きく貢献しているようです。入試問題を徹底的に分析して作られたカリキュ-ラムは、志望校合格への最短ルートを示す道しるべとして、生徒や保護者から厚い信頼を得ています。
サポート体制・面倒見に関する良い評判
塾の根幹である「面倒見主義」については、その手厚さを具体的に評価する口コミが多数見られます。
- 「授業を休んでしまっても、映像授業で補講が受けられるので安心」
- 「定期的に保護者面談があり、塾での様子や学習の進捗を詳しく教えてくれるので、家庭でのサポートがしやすい」
- 「子どもの性格や目標に合わせた進路指導をしてくれた。親の知らない情報もたくさん提供してくれて助かった」
- 「『めんどうみ』の時間に、苦手な部分を個別で徹底的に教えてもらえたのが良かった」
欠席時のフォロー、定期的な保護者との連携、個別の補習制度など、システムとして確立されたサポート体制が、生徒の学習の遅れを防ぎ、保護者の不安を解消していることが分かります。まさに「面倒見が良い」という評判を裏付ける声と言えるでしょう。
悪い・気になる評判・口コミ
一方で、すべての人が満足しているわけではなく、改善を望む声や、入塾を検討する上で注意すべき点も存在します。
料金に関する悪い評判
最も多く聞かれる懸念点が料金に関するものです。
- 「授業料が他の集団塾と比べて少し高いように感じる」
- 「通常の授業料に加えて、夏期講習や冬期講習などの季節講習費が別途かかるので、年間の総額はかなりの負担になる」
- 「教材費やテスト費など、諸経費が意外とかかる」
手厚いサポート体制や少人数制クラスを維持するためには、相応のコストがかかることは避けられません。そのため、料金設定が他の大規模な集団塾よりも高めになる傾向があるようです。費用対効果をどう捉えるかが、市進学院を選ぶ上での一つのポイントになりそうです。
講師の質に関する悪い評判
良い評判が多い一方で、講師の質に関するネガティブな意見も散見されます。
- 「校舎によって先生の当たり外れがある気がする」
- 「ベテランの先生は素晴らしいが、若いアルバイト講師だと少し頼りないことがある」
- 「人気講師の授業は活気があるが、そうでない先生の授業は普通の講義と変わらない」
市進学院は多くの校舎を運営しているため、残念ながら全校舎・全講師の質を完全に均一に保つことは難しいのが現実です。特に、経験の浅い若手講師や学生アルバイト講師が担当する場合、指導力にばらつきが生じる可能性は否定できません。入塾を検討する際は、希望する校舎の体験授業を必ず受けて、実際の授業の雰囲気や講師との相性を確認することが不可欠です。
宿題の量に関する悪い評判
手厚いサポートの裏返しとして、宿題の量に関する意見も見られます。
- 「宿題(ホームタスク)の量が多くて、こなすのが大変」
- 「部活動との両立が厳しい。学校の宿題と塾の宿題で、睡眠時間を削ることになった」
- 「毎回きちんと宿題をやっていかないと、授業についていくのが難しくなる」
市進学院では、授業で学んだ内容を定着させるために、家庭学習を重視しています。そのため、計画的に学習を進める習慣がついていない生徒にとっては、宿題の量が負担に感じられることがあるようです。これは、「面倒見が良い」というメリットが、生徒によっては「管理が厳しい」というデメリットにもなり得ることを示唆しています。お子様の性格や学習スタイル、生活リズムなどを考慮して、無理なく両立できるかどうかを見極める必要があります。
評判からわかる市進学院の5つのメリット・強み
これまでの評判や特徴を踏まえ、市進学院が持つ具体的なメリットと強みを5つのポイントに整理して解説します。これらの強みが、お子様のニーズや家庭の方針と合致するかどうかを考える際の参考にしてください。
① 徹底した「面倒見主義」で手厚いサポート
市進学院最大の強みは、やはり「面倒見主義」に裏打ちされた手厚いサポート体制です。これは単なる精神論ではなく、具体的なシステムとして機能しています。
- 担任制による個別フォロー: クラス担任が、生徒一人ひとりの学習状況、成績の推移、さらには性格やモチベーションまで把握します。定期的な面談を通じて、個別の学習計画を提案したり、悩みの相談に乗ったりと、きめ細やかなケアを行います。
- 無料の補習制度「めんどうみ」: 授業内容の理解が不十分な生徒や、小テストで基準点に達しなかった生徒を対象に、無料で補習を実施します。講師側から積極的に声をかけるため、「質問が苦手」という生徒でも取り残される心配がありません。
- 欠席者への万全なフォロー: 急な病気や用事で授業を休んだ場合でも、「i-wing」と呼ばれる映像授業システムで、欠席した授業を後日視聴できます。これにより、学習の遅れを最小限に抑えることが可能です。
- 保護者との密な連携: 定期的な保護者会や個人面談、電話連絡などを通じて、塾と家庭が常に情報を共有。子どもの学習状況や課題を共通認識として持つことで、両者が一体となってサポートする体制を築きます。
これらのシステムが有機的に連携することで、生徒は学力面でも精神面でも安心して学習に集中できます。「塾に任せきりにするのではなく、家庭と連携して子どもの成長を見守りたい」と考える保護者にとって、この手厚さは大きな魅力となるでしょう。
② 生徒が主役の「共演授業」で思考力を育成
市進学院の授業は、講師から生徒への一方通行ではありません。講師と生徒が対話を重ねながら進める「共演授業」は、生徒の思考力を根本から鍛え上げる効果的なメソッドです。
この授業スタイルがもたらすメリットは多岐にわたります。
まず、受け身の姿勢から能動的な姿勢への転換が促されます。講師からの発問に答えるためには、常に授業に集中し、自分の頭で考えなければなりません。これにより、学習への主体性が自然と育まれます。
次に、本質的な理解が深まる点です。「なぜ、この公式が成り立つのか?」「この歴史的事件の背景には何があったのか?」といった問いを通じて、単なる知識の暗記ではなく、物事の原理原則や因果関係を深く理解することができます。この力は、応用問題への対応力や、初見の問題を解き明かす力に直結します。
さらに、思考力・判断力・表現力の育成に繋がります。これは、近年の大学入学共通テストをはじめとする新しい入試で特に重視される能力です。自分の考えを整理し、論理的に組み立て、他者に分かりやすく伝える訓練を日常的に積むことで、記述式の問題や面接、小論文などにも自信を持って臨めるようになります。
将来社会で活躍するために不可欠な「自ら考え、学び続ける力」の土台を、受験勉強を通じて築くことができる。これこそが「共演授業」の最大の価値と言えるでしょう。
③ 家庭学習までサポートする万全の体制
学力向上には、塾での授業だけでなく、家庭での学習が不可欠です。市進学院は、「授業(Input)」と「家庭学習(Output)」を効果的に連動させる仕組みを構築しています。
その中心となるのが、オリジナル教材「必修テキスト」と家庭学習用教材「ホームタスク」です。この2つは内容が完全にリンクしており、授業で学んだ単元を、その日のうちにホームタスクで復習・演習することで、知識の定着を図ります。
さらに、市進学院では「何を」「いつまでに」「どのように」学習すればよいかという、家庭学習の進め方そのものを具体的に指導します。学習計画の立て方からノートの取り方まで、きめ細かくアドバイスすることで、生徒が自律的に学習を進める習慣を身につけられるようサポートします。
多くの校舎には自習室が完備されており、授業がない日でも集中して学習に取り組める環境が提供されています。自習中に分からない問題が出てきた場合でも、手の空いている講師に質問できる体制が整っている点も心強いポイントです。
このように、授業をして終わりではなく、家庭での学習習慣の確立までをトータルでサポートする体制が、市進学院の確かな学力向上実績を支えています。
④ 質の高いオリジナル教材とカリキュラム
長年の指導経験と入試分析に基づいて開発された、質の高いオリジナル教材と体系的なカリキュラムも市進学院の大きな強みです。
市進学院の教材は、やみくもに難問を詰め込んだものではありません。基礎的な内容から応用・発展レベルまで、無理なくステップアップできるように設計された「スモールステップ方式」を採用しています。これにより、どの学力層の生徒でも、着実に力を伸ばしていくことが可能です。
また、最新の入試傾向を常に分析し、教材やカリキュラムに反映させているため、効率的に入試対策を進めることができます。例えば、中学受験コースでは志望校のレベル別に細かくクラス分けされ、それぞれの目標に最適化された教材とカリキュラムで学習が進みます。高校受験コースでは、内申点対策と学力検査対策の両方をバランス良くカバーするカリキュラムが組まれています。
「市進の教材を完璧にこなせば、志望校合格に必要な力は身につく」と多くの卒業生が語るように、その質の高さと網羅性には定評があります。市販の参考書をあれこれ買い揃える必要がなく、塾から提供される教材に集中できる点も、生徒や保護者にとっては大きなメリットです。
⑤ 個別指導「個太郎塾」との連携で弱点を克服
集団指導塾のメリットは、ライバルと切磋琢磨できる競争環境や、カリキュラムに沿った効率的な学習が進められる点にあります。しかし、一方で「授業のペースについていけない」「特定の科目だけが極端に苦手」といった課題を抱える生徒もいます。
市進学院は、こうした個別のニーズに応えるため、同じグループ内で個別指導の「個太郎塾」を運営しています。この連携体制が、他の集団指導塾にはない独自の強みとなっています。
例えば、普段は市進学院の集団授業で全体の学力を底上げしつつ、苦手な英語の長文読解だけは個太郎塾でマンツーマンの指導を受ける、といった柔軟な活用が可能です。集団授業の進度に合わせて個別のフォローが受けられるため、弱点を放置することなく、効率的に克服できます。
また、市進学院と個太郎塾の間では、生徒の学習データが共有されます。集団授業での様子やテストの結果、個太郎塾での指導内容などが両者で把握されているため、一貫性のある、よりパーソナライズされた指導が実現します。
「集団授業の良さも、個別指導の良さも両方享受したい」という、いわば “良いとこ取り” ができるこのシステムは、生徒一人ひとりの目標達成を力強く後押ししてくれるでしょう。
評判からわかる市進学院の2つのデメリット・注意点
多くのメリットがある一方で、市進学院を選ぶ際には知っておくべきデメリットや注意点も存在します。これらを事前に理解しておくことで、入塾後のミスマッチを防ぐことができます。
① 料金が他の集団塾と比較して高いと感じる場合がある
口コミでも指摘されていた通り、市進学院の料金設定は、他の大手集団塾と比較してやや高めの傾向にあります。
費用項目 | 概要 |
---|---|
入会金 | 入塾時に一度だけ支払う費用。キャンペーンなどで免除される場合もある。 |
授業料 | 月々の基本料金。学年や受講コース、科目数によって変動する。 |
総合指導費 | 施設維持費、通信費、進路指導費などを含む月々の費用。 |
教材費 | 年間で使用するオリジナルテキストや副教材の費用。通常は年2回などに分けて徴収される。 |
テスト費 | 定期的に実施される模試や学力テストの費用。 |
季節講習費 | 春期・夏期・冬期講習など、長期休暇中の特別講習の費用。通常授業料とは別に必要。 |
この料金設定の背景には、市進学院が強みとする「面倒見主義」を支えるためのコストがあります。例えば、生徒一人ひとりに行き届いた指導を実現するための少人数制クラスの維持、担任制による手厚い進路指導、「めんどうみ」などの無料補習に対応する人件費、質の高いオリジナル教材の開発費などが授業料に反映されています。
したがって、料金の絶対額だけを見て「高い」と判断するのではなく、提供されるサポートの内容や質を考慮した上で、その費用対効果(コストパフォーマンス)を検討することが重要です。例えば、「手厚いフォローがなければ、うちの子は塾に通い続けられないかもしれない」「質問が苦手なので、個別の補習制度は必須だ」と考える家庭にとっては、多少高くてもその価値は十分にあると言えるでしょう。
逆に、「塾には授業だけを期待しており、家庭学習の管理や進路相談は家庭でできる」「とにかく費用を抑えたい」という場合は、他のよりリーズナブルな塾を検討する方が合っているかもしれません。
② 校舎や講師によって指導の質にばらつきがある可能性
市進学院は首都圏を中心に多数の校舎を展開する大手塾です。そのため、残念ながら全ての校舎で完全に同じレベルのサービスが提供されているとは限りません。特に、指導の核となる講師の質については、校舎や担当者によってばらつきが生じる可能性があります。
口コミでも「ベテランの素晴らしい先生もいれば、経験の浅いアルバイト講師もいる」といった声が見られました。もちろん、市進学院では講師の採用や研修に力を入れていますが、講師個人の経験値や生徒との相性といった要素が、授業の満足度に影響を与えることは否定できません。
熱意あふれる正社員のプロ講師が中心となって活気のある「共演授業」を展開している校舎もあれば、学生アルバイト講師の比率が高く、比較的落ち着いた雰囲気の校舎もあるでしょう。
この「ばらつき」というリスクを回避するために最も効果的な方法は、入塾を決める前に、必ず希望する校舎の体験授業に参加することです。
体験授業では、以下の点を重点的にチェックしましょう。
- 授業の雰囲気: 「共演授業」が活発に行われているか。クラス全体に一体感があるか。
- 講師の質: 説明は分かりやすいか。生徒の反応を見ながら進めているか。生徒への接し方は丁寧か。
- お子様との相性: お子様が授業を楽しんでいるか。質問しやすい雰囲気か。
- 校舎の環境: 教室や自習室は清潔で、集中できる環境か。
さらに、校舎の責任者との面談も重要です。教育方針やサポート体制について具体的に質問し、誠実に対応してくれるかどうかを確認することで、その校舎の「面倒見」の質を推し量ることができます。手間を惜しまずに自分の目で確かめることが、最適な塾選びの鍵となります。
市進学院のコース別料金を解説
ここでは、市進学院の料金体系について、公式サイトの情報を基に詳しく解説します。ただし、料金は年度や校舎、受講するコースによって変動する可能性があるため、あくまで目安として捉え、正確な金額は必ず最寄りの校舎に直接お問い合わせください。
参照:市進学院 公式サイト
入会金とその他の諸費用
授業料以外に必要となる主な費用は以下の通りです。
費用項目 | 金額(目安) | 備考 |
---|---|---|
入会金 | 22,000円(税込) | 兄弟姉妹割引やキャンペーンなどで免除・割引になる場合があります。 |
総合指導費(月額) | 小学生:2,420円(税込) 中学生:3,190円(税込) 高校生:3,520円(税込) |
施設維持費、通信費、進路指導費などを含みます。 |
教材費・テスト費 | 別途必要 | 学年やコースによって異なります。年間分を前期・後期などで分けて支払うのが一般的です。 |
小学生コースの料金
小学生コースは、目的別に複数のコースが設定されています。週あたりの授業回数や科目数によって料金が変動します。以下は週1回あたりの月額授業料の目安です。
学年 | コース | 月額授業料(目安) |
---|---|---|
小学1〜3年生 | 学力向上コース | 約8,000円〜 |
小学4年生 | 中学受験/高校受験準備 | 約15,000円〜(2科) |
小学5年生 | 中学受験/高校受験準備 | 約25,000円〜(2科) 約35,000円〜(4科) |
小学6年生 | 中学受験/高校受験準備 | 約30,000円〜(2科) 約45,000円〜(4科) |
※上記はあくまで一例です。特に中学受験コースは、志望校のレベルや受講科目数によって料金が大きく異なります。
中学生コースの料金
中学生コースは、高校受験を目指す生徒が中心となります。多くの生徒が主要5教科を受講します。
学年 | 科目数 | 月額授業料(目安) |
---|---|---|
中学1年生 | 3科(英数国) | 約25,000円〜 |
5科(英数国理社) | 約30,000円〜 | |
中学2年生 | 3科(英数国) | 約27,000円〜 |
5科(英数国理社) | 約33,000円〜 | |
中学3年生 | 3科(英数国) | 約30,000円〜 |
5科(英数国理社) | 約38,000円〜 |
※中高一貫校に通う生徒向けのコースは、料金体系が異なる場合があります。
高校生コースの料金
高校生コースは、主に映像授業(市進ウイングネット)とライブ授業を組み合わせた形式となり、受講する講座数に応じて料金が決まる「講座選択制」が基本です。
講座数 | 月額授業料(目安) |
---|---|
1講座 | 約17,000円〜 |
2講座 | 約30,000円〜 |
3講座 | 約40,000円〜 |
※料金は講座の種類(基礎、標準、ハイレベルなど)によっても異なります。また、ライブ授業と映像授業で料金設定が違う場合があります。
夏期講習など季節講習の料金
春期・夏期・冬期の長期休暇中には、特別講習が実施されます。これは通常の月謝とは別に料金が必要となります。
季節講習の料金は、学年や受講する講座数、日数によって大きく変動するため、一概に示すことは困難です。参考として、中学3年生の夏期講習(5教科)では10万円〜20万円程度、小学6年生(中学受験)の夏期講習ではそれ以上の費用がかかる場合もあります。
これらの講習は、前学期までの総復習や、次学期の先取り、受験に向けた集中特訓など、学力向上のために非常に重要な機会と位置づけられています。年間でかかるトータルの費用を考える際には、これらの季節講習費も必ず念頭に置いておく必要があります。
市進学院の学年別コース内容
市進学院では、小学生から高校生まで、それぞれの発達段階と学習目標に合わせた多彩なコースを提供しています。ここでは、各学年の主要なコース内容を詳しく見ていきましょう。
小学部コース
小学生のコースは、将来の進路を見据えて大きく3つに分かれています。
中学受験コース
難関私立・国立中学校への合格を目指すための本格的な受験対策コースです。対象は主に小学3年生から6年生。低学年から段階的に学習習慣と基礎学力を養い、高学年では応用力・実践力を鍛え上げます。市進学院の「共演授業」は、思考力を問われる近年の入試問題に非常に有効です。
カリキュラムは、入試問題を徹底分析して作成されており、志望校のレベルに応じたクラス編成で、一人ひとりの目標に合わせた指導が行われます。長年のノウハウが詰まったオリジナル教材を使用し、効率的に合格力を高めていきます。
公立中高一貫校受検コース
近年人気が高まっている公立中高一貫校の「適性検査」に特化した対策を行うコースです。適性検査では、教科の枠を超えた総合的な思考力、資料を読み解く力、自分の考えを論理的に記述する表現力が問われます。
このコースでは、作文や記述問題の添削指導、グループワークなどを通じて、通常の教科指導だけでは養うことが難しい能力を育成します。生徒同士が意見を交わし合う「共演授業」のスタイルが、まさに適性検査対策に直結する強みとなっています。
高校受験準備コース
公立中学校に進学し、将来の高校受験でトップ校を目指すための基礎学力を築くコースです。小学校の学習内容を確実に定着させ、学ぶ楽しさを実感させることを第一の目標としています。
単なる先取り学習ではなく、学習習慣の確立やノートの取り方といった「学びの土台」作りを重視。中学校に進学してから本格化する学習にスムーズに対応できる力を養います。英語教育にも力を入れており、早期から「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく伸ばします。
中学部コース
中学生のコースは、主に高校受験を目指す生徒と、中高一貫校に通う生徒向けに分かれています。
高校受験コース
地域のトップ公立高校や難関私立高校への合格を目指す、市進学院のメインコースです。中学1年生から3年生まで、一貫したカリキュラムで指導します。
このコースの大きな特徴は、「内申点対策」と「学力検査対策」の両輪を重視している点です。日々の授業では、学校の定期テストで高得点を取るための対策を徹底的に行い、内申点の確保をサポートします。同時に、入試本番で実力を発揮するための応用力・実践力を「共演授業」やオリジナル教材を通じて育成します。
中学3年生になると、志望校別の対策講座や入試対策模試が頻繁に実施され、より実践的な指導へとシフトしていきます。
中高一貫コース
中高一貫校に通う生徒を対象としたコースです。多くの中高一貫校では、高校内容の先取りなど、公立中学校とは異なる独自のカリキュラムで授業が進みます。
このコースでは、各学校の進度に合わせた指導を行い、定期テストでの成績向上をサポートします。最終的な目標は大学受験での成功であり、中学生の段階から大学入試を意識したハイレベルな学習に取り組みます。学校の授業を補完し、さらに発展的な内容を学びたいという意欲の高い生徒に適しています。
高等部コース
高校生向けには、大学受験での現役合格を強力にサポートするコースが用意されています。
大学受験現役合格コース
国公立大学や早慶上理、GMARCHといった難関大学への現役合格を目指すコースです。市進学院の高等部では、実力派講師陣による映像授業「市進ウイングネット」と、校舎でのライブ授業を組み合わせたハイブリッドな指導が特徴です。
生徒は自分の学力レベルや志望校に合わせて、多彩なラインナップの中から必要な講座を自由に選択できます。基礎固めから共通テスト対策、二次試験対策、小論文対策まで、あらゆるニーズに対応した講座が揃っています。
校舎には担任(進学ナビゲーター)が常駐し、映像授業の進捗管理や学習計画の相談、最新の入試情報提供など、きめ細やかなサポートを行います。映像授業の効率性と、ライブ授業の双方向性、そして担任による「面倒見主義」を融合させた体制で、現役合格へと導きます。
市進学院の合格実績
塾の実力を測る上で最も客観的な指標の一つが合格実績です。ここでは、市進学院が公式サイトで公表している最新(2024年度入試)の合格実績の一部をご紹介します。
参照:市進学院 公式サイト 2024年入試 合格実績
中学受験の合格実績
市進学院は、千葉・東京・埼玉・神奈川の首都圏にある幅広いレベルの中学校に合格者を輩出しています。
- 主な私立中学校: 渋谷教育学園幕張、市川、東邦大学付属東邦、昭和学院秀英、芝浦工業大学柏、江戸川学園取手、開成、麻布、桜蔭、女子学院、早稲田、慶應義塾中等部、栄光学園、聖光学院、浦和明の星女子 など
- 主な国公立中学校・中等教育学校: 千葉大学教育学部附属、県立千葉、県立東葛飾、さいたま市立大宮国際、筑波大学附属、東京学芸大学附属国際、お茶の水女子大学附属 など
最難関校から中堅校まで、幅広い合格実績が特徴で、生徒一人ひとりの目標に合わせた指導が行われていることがうかがえます。
高校受験の合格実績
公立高校受験に強いとされ、各県のトップ校・上位校に多数の合格者を出しています。
- 千葉県: 県立船橋、県立千葉、県立東葛飾、薬園台、佐倉、千葉東 など
- 東京都: 日比谷、西、国立、戸山、青山、立川、新宿、都立大学附属 など
- 埼玉県: 浦和、浦和第一女子、大宮、春日部、市立浦和、川越、川越女子 など
- 神奈川県: 横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木、川和、横浜緑ケ丘 など
- 主な難関私立・国立高校: 渋谷教育学園幕張、市川、昭和学院秀英、早稲田大学本庄高等学院、慶應義塾志木、筑波大学附属、東京学芸大学附属 など
特に千葉県での実績は圧倒的で、地域に根差した指導力の高さを示しています。各都県の公立高校入試制度に精通し、内申点対策と学力検査対策の両面から手厚くサポートしている成果と言えるでしょう。
大学受験の合格実績
高等部からも、国公立大学や難関私立大学を中心に、輝かしい合格実績が報告されています。
- 国公立大学: 東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、北海道大学、東北大学、千葉大学、横浜国立大学、筑波大学 など
- 私立大学: 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学(GMARCH)など
現役合格にこだわった指導が、難関大学への多数の合格実績に繋がっています。映像授業とライブ授業、そして担任による進路指導の三位一体のサポート体制が、生徒の力を最大限に引き出している証です。
市進学院はどんな人におすすめ?
これまでの分析を総合すると、市進学院がどのようなお子様やご家庭に向いているか、その輪郭が見えてきます。
市進学院が向いている人
以下のような特徴を持つお子様や、ご家庭の教育方針に当てはまる場合は、市進学院が非常に良い選択肢となる可能性が高いです。
- 自分から質問するのが苦手、または勉強のやり方がわからない人:
市進学院の「面倒見主義」は、塾側から積極的に生徒に働きかけます。質問タイムや補習「めんどうみ」を通じて、わからないことを放置させません。学習計画の立て方から指導してくれるため、勉強の仕方がわからない生徒でも安心です。 - 一方的な授業だと集中力が続かない、受け身になりがちな人:
講師と生徒が対話しながら進む「共演授業」は、常に頭を使うことを求められます。授業に積極的に参加することで、学習内容の理解が深まり、学ぶ楽しさを実感できます。 - 基礎から着実に学力を積み上げていきたい人:
市進学院のカリキュラムと教材は、スモールステップで構成されています。無理なく段階的にレベルアップできるため、勉強に苦手意識がある生徒でも、着実に力を伸ばしていくことができます。 - 部活動や習い事と勉強を両立させたい人:
欠席時の映像授業フォローや、柔軟な対応が可能な個別指導「個太郎塾」との連携など、忙しい生徒をサポートする体制が整っています。 - 保護者も子どもの学習状況をしっかり把握し、連携してサポートしたい家庭:
定期的な保護者会や面談、電話連絡など、塾と家庭のコミュニケーションを重視しています。家庭での声かけやサポートの仕方に悩む保護者にとって、心強いパートナーとなります。
市進学院が向いていない可能性のある人
一方で、以下のような場合は、市進学院のスタイルが合わない可能性も考えられます。
- 最高レベルのライバルと常に競争したい人:
市進学院は幅広い学力層の生徒を受け入れています。もちろん上位クラスはハイレベルですが、SAPIXや早稲田アカデミーの一部校舎のように、最難関校合格だけを目指す生徒が集まる超競争的な環境を求める場合は、物足りなさを感じるかもしれません。 - 自分のペースでどんどん先取り学習を進めたい人:
市進学院のカリキュラムは体系的に組まれているため、集団授業の中で個人の進度を大幅に超えて先取りすることは難しいです。自学自習のペースが確立している生徒にとっては、塾のペースがもどかしく感じられる可能性があります。 - 塾には授業以外のサポートをあまり求めず、とにかく料金を抑えたい家庭:
手厚いサポート体制が料金に反映されているため、授業さえ受けられれば良いと考える場合、コストパフォーマンスが悪いと感じるかもしれません。よりシンプルでリーズナブルな料金体系の塾の方が適しているでしょう。 - 宿題や課題の管理をされるのが苦手な人:
家庭学習(ホームタスク)が重視され、その進捗も管理されるため、自分で自由に学習計画を立てたい生徒にとっては、窮屈に感じられることがあります。
市進学院と他の大手塾を比較
市進学院の特徴をより深く理解するために、他の大手進学塾と比較してみましょう。ここでは、特に比較対象となりやすい「早稲田アカデミー」「臨海セミナー」「SAPIX」との違いをまとめます。
塾名 | 指導方針・特徴 | 授業スタイル | サポート体制 | 向いている生徒 |
---|---|---|---|---|
市進学院 | 面倒見主義 生徒一人ひとりに寄り添う |
共演授業 生徒参加型の対話形式 |
手厚い (担任制、補習、保護者連携) |
基礎から着実に学びたい 手厚いサポートが欲しい |
早稲田アカデミー | 熱血指導 競争心を煽り、目標達成意欲を引き出す |
ライブ感のある講義形式 講師の個性が強い |
競争を促す環境 (クラス昇降、テスト順位掲示) |
競争が好きで、高い目標を持つ 精神的にタフ |
臨海セミナー | 地域密着型 公立高校受験に強み、リーズナブルな料金 |
参加型授業 (共演授業と似ているが、より元気で活発な雰囲気) |
定期テスト対策が手厚い 「臨海方式」という指導メソッド |
公立上位校を目指したい コストを抑えたい |
SAPIX(サピックス) | 最難関校受験特化 徹底した復習主義 |
議論・思考中心の授業 レベル別の少人数クラス |
家庭学習の比重が大きい (親のサポートが重要) |
最難関校を目指す 自律的に学習できる |
早稲田アカデミーとの比較
「静の市進、動の早稲アカ」と表現されることがあります。早稲田アカデミーは「本気でやる子を育てる」をスローガンに、熱血講師陣がハチマキを締めて授業を行うなど、競争心を刺激して生徒を引っ張っていくスタイルです。一方、市進学院は「共演授業」で生徒の内発的なやる気を引き出し、一人ひとりに寄り添う「面倒見主義」を貫きます。お子様の性格が、競争環境で燃えるタイプなら早稲田アカデミー、じっくり対話しながら思考を深めたいタイプなら市進学院が合うでしょう。
臨海セミナーとの比較
臨海セミナーは、特に神奈川県や東京都で強みを持つ地域密着型の塾です。公立高校受験に定評があり、比較的リーズナブルな料金設定が特徴です。「共演授業」と似た参加型の授業スタイルを取り入れていますが、より元気で活気のある雰囲気が特徴的です。コストを重視し、活気ある雰囲気で公立高校を目指すなら臨海セミナー、首都圏で手厚いサポートを受けながら私立・公立問わず幅広く検討したいなら市進学院が選択肢になります。
SAPIX(サピックス)との比較
特に中学受験において比較されるのがSAPIXです。SAPIXは御三家をはじめとする最難関中学校への圧倒的な合格実績を誇ります。徹底した復習主義と、レベル別に細分化されたクラスでのハイレベルな授業が特徴で、家庭での学習(親のサポート含む)の比重が非常に大きい塾です。最上位層の生徒が最高の環境で切磋琢磨することを望むならSAPIX、幅広い学力層の中から自分のレベルに合ったクラスで、基礎から丁寧に学び、着実にステップアップしたいなら市進学院が適しています。
市進学院に関するよくある質問
最後に入塾を検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
入塾テストはありますか?難易度は?
はい、市進学院に入塾する際には「入塾テスト」があります。ただし、このテストは生徒をふるい落とすためのものではなく、現在の学力や適性を正確に把握し、最適なクラスを判定するための「クラス分けテスト」です。
難易度は、基本的にその学年で習得しておくべき基礎的な内容が中心で、特別な対策が必要なほど難しいものではありません。万が一、基準点に満たない場合でも、個太郎塾での個別フォローを提案されるなど、何らかの形で学習をスタートできる道が用意されていることが多いです。
無料の体験授業は受けられますか?
はい、無料で実際の授業を体験できる制度があります。通常、1〜2週間程度、希望するクラスの授業に他の生徒と混ざって参加できます。
前述の通り、校舎や講師との相性を確認する上で、体験授業は非常に重要です。公式サイトや最寄りの校舎に問い合わせて、ぜひ積極的に活用することをおすすめします。
授業を休んだ場合、振替はできますか?
集団授業のため、原則として他の曜日や時間帯のクラスへの振替授業は行っていません。しかし、「面倒見主義」を掲げる市進学院では、欠席者へのフォロー体制が充実しています。
多くの校舎では、映像授業システム「i-wing」を利用して、欠席した回の授業を後日、個別のブースで視聴することができます。また、担当講師が個別に声をかけてくれたり、「めんどうみ」の時間を使って補習してくれたりする場合もあります。学習の遅れが出ないよう、しっかりとサポートしてくれます。
自習室はありますか?
はい、ほとんどの校舎に自習室が完備されています。授業がない日や、授業前後の時間帯に利用でき、生徒たちが集中して学習に取り組める環境が提供されています。
利用可能な時間やルールは校舎によって異なります。自習中に分からない問題があれば、手の空いている講師に質問することも可能です。家では集中できない生徒にとって、非常に価値のあるスペースと言えるでしょう。
まとめ:市進学院は面倒見の良さを重視するならおすすめの塾
この記事では、市進学院の評判や料金、コース内容などを多角的に解説してきました。
市進学院は、単に知識を教え込むだけでなく、「面倒見主義」と「共演授業」という二大理念を軸に、生徒一人ひとりと真摯に向き合い、自ら学ぶ力を育むことを目指す学習塾です。
徹底したサポート体制は、勉強のやり方がわからない生徒や、自分から質問するのが苦手な生徒にとって、大きな安心材料となるでしょう。 また、対話形式の「共演授業」は、思考力や表現力を養い、変化する入試制度にも対応できる本質的な学力を身につけさせてくれます。
一方で、その手厚さゆえに料金が比較的高めであることや、校舎・講師によって質にばらつきがある可能性といった注意点も存在します。
最終的に、市進学院がお子様に合うかどうかは、お子様の性格や学習スタイル、そしてご家庭の教育方針によって決まります。もし、「手厚いサポートを受けながら、思考力を鍛え、着実に学力を伸ばしてほしい」と願うのであれば、市進学院は非常に有力な選択肢となるはずです。
まずは、お近くの校舎の扉をたたき、無料体験授業に参加してみてはいかがでしょうか。実際の授業の雰囲気や講師の熱意を肌で感じることが、後悔のない塾選びの第一歩となるでしょう。